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  1. 都道府県ごとの地震活動
  2. 中部地方の地震活動の特徴
  3. 長野県の地震活動の特徴

長野県の地震活動の特徴

 長野県に被害を及ぼす地震は、主に陸域の浅い場所で発生する地震と、相模、駿河、南海トラフ沿いで発生する海溝型巨大地震です。

  長野県とその周辺の主な被害地震(図をクリックすると拡大表示)
長野県とその周辺の主な被害地震  これまでに、県内では浅い場所で被害地震が比較的多く発生してきました。歴史の資料には、762年(M不明)と841年(M6.5以上)に県内に大きな被害を及ぼした地震があったとの記録があります。このうち、762年の地震は、その被害が美濃、飛騨にも及ぶことなどから、糸魚川−静岡構造線断層帯の地質学的調査によって認定された1200年前の活動に該当する可能性があります。
 県内の活断層で発生した地震としては、1847年の善光寺地震(M7.4)があります。この地震は、長野盆地西縁断層帯で発生し、長野付近から飯山周辺まで地表に断層運動によるずれが生じました。この地震による被害は、現在の新潟県上越市付近から松本付近に至る地域に及びましたが、特に水内郡(旧名、現在の飯山市)や更科郡(旧名、現在の長野市)で非常に大きな被害が生じました。死者は、当時の松代領で2,695名、飯山領で586名、善光寺領で2,486名だったほか、善光寺自体に大きな被害はなかったものの、全国からの善光寺への参詣者7,000~8,000名のうち、生き残った人は約1割とも言われています。また、各地で多数の家屋が倒壊しました。さらに、この地震によって多数の山崩れが生じ、そのうち虚空蔵山が崩れたものは犀川をせき止め、周辺の村を水没させたほか、後に決壊して下流部で洪水となり、大きな被害が生じました。
 このほか、歴史資料によって知られている被害地震については、県北部では、1714年の地震(M6 1/4)、1853年の地震(M6.5)、1858年の地震(M5.7)などがあります。これらの地震は、現在の大町市以北の北安曇郡や長野市付近などに被害を及ぼしました。松本市付近では、1791年の地震(M6 3/4)で、松本城の塀が崩れるなどの被害が生じました。また、諏訪市付近で、1725年にM6.0~6.5の地震が発生し、高遠城の破損や家屋倒壊などの被害が生じました。県南部、静岡県や愛知県との県境付近では、1718年にM7.0の地震(遠山谷の地震とも呼ばれます)が発生し、死者、家屋倒壊などの被害が生じました。この地震による山崩れで河川(遠山川)がせき止められ、その後決壊して、下流で被害が生じています。
 明治以降においても、長野盆地西縁断層帯(信濃川断層帯)周辺や大町市周辺で、いくつかのM5~6程度の被害地震が発生しています。特に、1918年の大町地震(M6.1、M6.5)では、大町市周辺において、家屋全壊、半壊などの被害が生じました。また、1941年には、長野市付近でM6.1の地震(長沼地震とも呼ばれます)があり、長野市の北東を中心に死者5名や全壊家屋などの被害が生じました。1943年にも、野尻湖付近でM5.9の地震があり、死者1名や全壊家屋などの被害が生じました。また、1965年には、長野市の南、松代周辺で活発な群発地震活動(「松代群発地震」)が始まっています。最近では、大町市の北で1986年にM5.9の地震が発生し、家屋への被害が生じました。さらに、県東部の上田市周辺では、1912年(M5.1)と1986年(M4.9)に小被害を伴った地震が発生しました。
 「昭和59年(1984年)長野県西部地震」(M6.8)は、御嶽山の南側で発生し、死者・行方不明者29名、建物全壊13棟などの被害が生じました。ほとんどの被害は、地震に伴って発生した大規模な斜面崩壊とそれに続く土石流によるものです。震源域には、活断層は知られておらず、またこの地震に伴って地表に断層運動によるずれは現れませんでしたが、地震や地殻変動の観測から、地下にある東北東−西南西方向の断層(長さ十数km)が約1mの右横ずれを起こすことで地震が発生したと考えられています。
 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の翌日の3月12日未明に発生した長野県北部の地震(M6.7)では、避難中や仮設住宅の除雪中の事故などによる死者3名や、負傷者12名、住家全壊34棟などの被害が生じました。
 2014年11月22日の長野県北部の地震(M6.7)では、長野県内で最大震度6弱を観測し、建物全壊77棟などの被害が生じました (平成27年1月5日現在、消防庁調べ)。
 1891年の濃尾地震(M8.0)、1964年の「新潟地震」(M7.5)などのように周辺の地域で発生した地震によっても被害を受けることがあります。また、南海トラフ沿いの巨大地震で、地震の揺れによる被害を受けています。1854年の安政東海地震(M8.4)の際に、松本では死者5名、家屋倒壊、焼失など、また当時の松代藩でも死者5名や家屋倒壊などの被害が生じました。1944年の東南海地震(M7.9)では、県内で家屋全壊などの被害が生じ、1946年の南海地震(M8.0)の際にも家屋への被害が生じました。さらに、相模トラフ沿いの巨大地震である1923年の関東地震(M7.9)でも、家屋全壊などの被害が生じました。
 長野県の主要な活断層は、県内をほぼ南北に縦断するように糸魚川−静岡構造線断層帯が延びており、諏訪湖付近では伊那谷断層帯が並走しています。諏訪湖付近から南西方向には、境峠・神谷断層帯とその延長上に木曽山脈西縁断層帯が、県北東部には十日町断層帯長野盆地西縁断層帯(信濃川断層帯)があります。
 また、県内に被害を及ぼす可能性のある海溝型地震には、南海トラフで発生する地震があります。
 県内の3村が、「首都直下地震緊急対策区域」に指定されています。
 県内の34市町村が、「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されています。

  【 長野県周辺の主要活断層帯と海溝で起こる地震 】   【 長野県に被害を及ぼした主な地震 】
  【 確率論的地震動予測地図 】  【 リンク 】

○長野県周辺の主要活断層帯と海溝で起こる地震  [上に戻る]

地震 マグニチュード 地震発生確率
(30年以内)

【地震発生確率値の留意点】
海溝型地震
相模トラフ 相模トラフ沿いのM8クラスの地震 8クラス
(7.9~8.6)
ほぼ0%~6%
プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震 7程度
(6.7~7.3)
70%程度
南海トラフ 南海トラフで発生する地震 8~9クラス 70%~80%
内陸の活断層で発生する地震
長岡平野西縁断層帯 8.0程度 2%以下
深谷断層帯・綾瀬川断層
(関東平野北西縁断層帯・
元荒川断層帯)
深谷断層帯 7.9程度 ほぼ0%~0.1%
綾瀬川断層(鴻巣−伊奈区間) 7.0程度 ほぼ0%
綾瀬川断層(伊奈−川口区間) 7.0程度 不明
十日町断層帯 西部 7.4程度 3%以上
東部 7.0程度 0.4%~0.7%
長野盆地西縁断層帯
(信濃川断層帯)
飯山−千曲区間 7.4~7.8程度 ほぼ0%
麻績区間 6.8程度 不明
糸魚川−静岡構造線断層帯 北部(小谷−明科)区間 7.7程度 0.009%~16%
中北部(明科−諏訪湖南方)区間 7.6程度 14%~30%
中南部(諏訪湖北方−下蔦木)区間 7.4程度 0.9%~8%
南部(白州−富士見山)区間 7.6程度 ほぼ0%~0.1%
富士川河口断層帯 ケースa 8.0程度 10%~18%
ケースb 2%~11%
もしくはそれ以下
木曽山脈西縁断層帯 主部 (北部) 7.5程度 ほぼ0%
主部 (南部) 6.3程度 0%~4%
清内路峠断層帯 7.4程度 不明
境峠・神谷断層帯 主部 7.6程度 0.02%~13%
霧訪山−奈良井断層帯 7.2程度 不明
跡津川断層帯 7.9程度 ほぼ0%
高山・大原断層帯 国府断層帯 7.2程度 ほぼ0%~5%
高山断層帯 7.6程度 0.7%
猪之鼻断層帯 7.1程度 不明
牛首断層帯 7.7程度 ほぼ0%
庄川断層帯 7.9程度 ほぼ0%
伊那谷断層帯 主部 8.0程度 ほぼ0%
南東部 7.3程度 不明
阿寺断層帯 主部 (北部) 6.9程度 6%~11%
主部 (南部) 7.8程度 ほぼ0%
佐見断層帯 7.2程度 不明
白川断層帯 7.3程度 不明
屏風山・恵那山断層帯
及び猿投山断層帯
屏風山断層帯 6.8程度 0.2%~0.7%
赤河断層帯 7.1程度 不明
恵那山−猿投山北断層帯 7.7程度 ほぼ0%~2%
猿投−高浜断層帯 7.7程度 ほぼ0%
加木屋断層帯 7.4程度 0.1%
高田平野断層帯 高田平野西縁断層帯 7.3程度 ほぼ0%
高田平野東縁断層帯 7.2程度 ほぼ0%~8%
六日町断層帯 北部(ケース1) 7.1程度 0.4%~0.9%
北部(ケース2) ほぼ0%
南部 7.3程度 ほぼ0%~0.01%
曽根丘陵断層帯 7.3程度 1%
魚津断層帯 7.3程度 0.4%以上
  (算定基準日: 2024年1月1日)


○長野県に被害を及ぼした主な地震  [上に戻る]

西暦(和暦) 地域(名称) 主な被害
762年6月9日
(天平宝字6)
美濃・飛騨・信濃 不明 (被害の詳細は不明。)
841年
(承和8)
信濃 6.5以上 家屋倒壊あり。
863年7月10日
(貞観5)
越中・越後 不明 (山崩れ、谷埋まり、民家破壊し、圧死者多数、直江津付近の数個の小島潰滅。)
1627年10月22日
(寛永4)
松代 6.0 死者あり、家屋倒壊80棟。
1703年12月31日
(元禄16)
(元禄地震) 7.9~8.2 伊那で家屋倒壊あり。松代で家屋全壊2棟。
1707年10月28日
(宝永4)
(宝永地震) 8.6 諏訪と南北安曇郡に被害。死者2人、家屋全壊567棟。
1714年4月28日
(正徳4)
信濃北西部 6 1/4 姫川沿いの谷に被害。大町組全体で死者56人、負傷者37人、住家全壊194棟。
1718年8月22日
(享保3)
信濃・三河
(遠山谷の地震
とも呼ばれる)
7.0 飯田領内で死者12人、家屋全壊350棟余。天竜川沿いに山崩れが多発し、森平山が崩れ、遠山川を堰き止めた。
1725年8月14日
(享保10)
高遠・諏訪 6.0~6.5 高遠城の石垣、塀、土居夥しく崩れる。諏訪では郷村36ヶ村で死者4人、負傷者8人、家屋全壊347棟。
1751年5月21日
(宝暦1)
越後・越中 7.0~7.4 松代領で死者12人、家屋倒壊44棟。
1791年7月23日
(寛政3)
松本 6 3/4 松本城の塀など崩れる。住家損壊495棟。
1847年5月8日
(弘化4)
(善光寺地震) 7.4 松代領で死者2,695人、負傷者2,289人、家屋全壊9,550棟。飯山領では死者586人、全壊家屋1,977棟。善光寺領では死者2,486人、家屋全壊2,285棟、同焼失2,094棟。
1853年1月26日
(嘉永5)
信濃北部 6.5 水内、更級郡で住家倒壊23棟。
1854年12月23日
(安政1)
(安政東海地震) 8.4 松本で死者5人、家屋倒壊52棟、同焼失51棟。松代藩で死者5人、負傷者29人、家屋倒壊152棟。飯田、諏訪等でも家屋倒壊あり。
1858年4月23日
(安政5)
信濃北西部 5.7 大町付近を中心に被害。家屋全壊71棟。
1918年11月11日
(大正7)
(大町地震) 6.1,
6.5
2回の地震があった、姫川沿いの地域で住居全壊6棟。
1923年9月1日
(大正12)
(関東地震) 7.9 住家全壊13棟。
1941年7月15日
(昭和16)
長野市付近(長沼地震
とも呼ばれる。)
6.1 死者5人、負傷者18人、住家全壊29棟。千曲川沿いで噴砂現象。
1943年10月13日
(昭和18)
長野県古間村 5.9 野尻湖付近。死者1人、負傷者14棟、住家全壊14棟。
1944年12月7日
(昭和19) 
(東南海地震) 7.9 住家全壊13棟。諏訪では軟弱地盤の被害が大きかった。
1946年12月21日
(昭和21)
(南海地震) 8.0 住家全壊2棟。
1965年8月3日
(昭和40)
(松代群発地震) 1967年10月まで。負傷者15人、住家全壊10棟。
1984年9月14日
(昭和59)
(昭和59年(1984年)
長野県西部地震)
6.8 御岳山の山崩れにより、王滝村で被害。死者・行方不明者29人、負傷者10人、建物全壊13棟、同流失10棟。
2004年10月23日
(平成16)
( 平成16年(2004年)
新潟県中越地震)
→【地震本部の評価】
6.8 負傷者3人。
2007年7月16日
(平成19)
(平成19年(2007年)
新潟県中越沖地震)
→【地震本部の評価】
6.8 負傷者29人。
2011年3月12日
(平成23)
長野県北部
→【地震本部の評価】
6.7 死者3人、負傷者12人、住家全壊34棟、住家半壊169棟 (平成24年10月1日、長野県危機管理部調べ)。
2011年6月30日
(平成23)
長野県中部 5.4 死者1人、負傷者17人、住家半壊24棟 (平成24年3月1日、長野県危機管理部調べ)。
2014年11月22日
(平成26)
長野県北部
【地震本部の評価】
→平成26年11月23日公表
→平成26年12月9日公表
6.7 負傷者46人、住家全壊77棟、住家半壊136棟 (平成27年1月5日、消防庁調べ)。


○確率論的地震動予測地図  [上に戻る]

確率論的地震動予測地図(長野県)

 「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」(評価基準日:2020年1月1日)
を示した地震動予測地図です。
 詳しい内容を知りたい方は、「全国地震動予測地図2020年版」をご覧下さい。
 全国地震動予測地図の詳細なデータや関連情報は地震ハザードステーション(J-SHIS)をご参照下さい。


○リンク  [上に戻る]

 地震動予測地図等

  • 全国地震動予測地図
    「全国地震動予測地図」 のページです。
  • 地震ハザードステーション(J−SHIS)
    防災科学技術研究所の地震ハザードステーション(J−SHIS)です。地震動予測地図の各種地図の閲覧、数値データ等のダウンロードが可能です。
  • 長周期地震動予測地図
    将来ある特定の地震が発生した際に生じる長周期地震動の揺れの強さや性質を予測した地図です。
  • 応答スペクトルに関する地震動ハザード評価
    工学的利活用に向けて、試作版の報告書を公表しています。
  • 強震動評価
    ある特定の震源断層に着目して、そこで地震が発生した場合に周辺の地域がどの程度の強い揺れに見舞われるかを示した地図です (震源断層を特定した地震動予測地図)。
  • 長周期地震動予測地図作成等支援事業
    文部科学省では、「新しい総合的かつ基本的な施策」(地震調査研究推進本部,2009)の中で今後推進すべき研究とされた長周期地震動について、平成22年度から研究機関に委託して調査研究を行っています。
  • 屏風山・恵那山断層帯及び猿投山断層帯(恵那山-猿投山北断層帯)における重点的な調査観測
    文部科学省では、「新たな活断層調査について」(地震調査研究推進本部,2009)の中で、地震後経過率の最大値が1.0を超えていること、断層が通過する市町村の総人口が概ね50万人を超える等、地震が発生した際の社会的影響が大きい断層として選定された屏風山・恵那山断層帯及び猿投山断層帯(恵那山-猿投山北断層帯)について、研究機関に委託し、令和2年度から重点的な活断層調査を実施しています。
  • 防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト
    南海トラフでは、マグニチュード8クラスの大地震が発生し、残りの領域においても連動して大地震が発生する可能性が高まる(「半割れ」ケース)などの「異常な現象」が観測される可能性が示されています。文部科学省では、こうした「異常な現象」が起こった後の地震活動の推移を科学的・定量的データを用いて評価するための研究開発や、「異常な現象」が観測された場合の住民・企業等の防災対策のあり方、防災対応を実行するにあたっての仕組みについて調査研究を実施し、これら研究成果の活用を推進するため、令和2年度より研究機関に委託して研究プロジェクトを実施しています。
  • 南海トラフ広域地震防災研究プロジェクト
    文部科学省では、南海トラフから南西諸島海溝域までの震源モデルを構築、地震・津波の被害予測とその対策、発災後の復旧・復興対策を検討し、地域の特性に応じた課題に対する研究成果の活用を推進させるため、平成25年度より研究機関に委託して研究プロジェクトを実施しています。
  • 東海・東南海・南海地震の連動性評価研究プロジェクト
    東海・東南海・南海地震については、今後30年以内の発生確率が非常に高く、これら3つの地震は将来連動して発生する可能性も高いことから、これら3つの地震の時空間的な連動性を評価するため、海底稠密地震・津波・地殻変動観測や物理モデルの構築、シミュレーション研究、強震動・津波予測、被害想定研究等を総合的に行っています。
  • 内閣府 首都直下地震対策
    内閣府の首都直下地震対策のページです。
  • 内閣府 南海トラフ地震対策
    内閣府の南海トラフ地震対策のページです。

 長期評価等

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    長野地方気象台のページです。長野県の気象・地震概況等を閲覧することができます。
  • 長野県
    長野県の「防災・安全」のページです。地域防災計画等を閲覧できます。


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