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  1. 地震に関する評価
  2. 主な地震活動
  3. 2024年の主な地震活動の評価

2024年の主な地震活動の評価

2024年の主な地震活動の図
(図中のシンボル、または下の主な地震活動のリストをクリックすると、該当する地震活動の評価へジャンプします。)

 各地震活動の評価は、発生後、令和6年2月(の定例の地震調査委員会)までに公表された評価内容をとりまとめたものです。これ以降の公表状況については、最新の評価結果(毎月の地震活動の評価)をご覧ください。
 なお、最近1年間に発生した地震活動の評価は、今後のとりまとめ作業により内容更新される可能性があります。

令和6年能登半島地震 M7.6 最大震度7 津波を観測
令和6年能登半島地震(*) 2024年1月1日、M7.6 [最大震度7・津波を観測]

[M7.6の地震に関する概要]
○ 1月1日16時10分に石川県能登地方の深さ約15kmでマグニチュード(M)7.6の地震が発生した。この地震により石川県輪島市や志賀町(しかまち)で最大震度7を観測したほか、能登地方の広い範囲で震度6強や6弱の揺れを観測し、被害を伴った。M7.6の地震の前後にも規模の大きな地震が発生し強い揺れが長く続いた。また、石川県では長周期地震動階級4を観測した。この地震の発震機構は北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。


[M7.6の地震に伴う津波]
○ 今回の地震により、金沢観測点(港湾局)で80cm、酒田観測点(気象庁)で0.8mなど、北海道から九州にかけての日本海沿岸を中心に津波を観測した。そのほか、空中写真や現地観測から、能登半島等の広い地域で津波による浸水が認められた。また、現地調査により、石川県能登町(のとちょう)や珠洲市(すずし)で4m以上の津波の浸水高や、新潟県上越市で5m以上の遡上高を観測した。


[M7.6の地震に伴う地殻変動]
○ GNSS観測によると、今回の地震に伴って、輪島2観測点(国土地理院)で2.0m程度の南西方向への変動、1.3m程度の隆起が見られるなど、能登半島を中心に大きな地殻変動が見られた。さらに新潟県など日本海側だけでなく、関東地方や中部地方など広い範囲で北西から北向きの地殻変動が観測された。陸域観測技術衛星2号「だいち2号」が観測した合成開口レーダー画像の解析によると、輪島市西部で最大4m程度の隆起、最大2m程度の西向きの変動、珠洲市北部で最大2m程度の隆起、最大3m程度の西向きの変動が検出された。現地調査により、能登半島の北西岸で、今回の地震に伴う新たな海成段丘が認められた。また、空中写真及び合成開口レーダー画像の解析や現地調査から、能登半島北岸の広い範囲で隆起により陸化した地域があることが分かった。


[M7.6の地震の震源断層]
○ 2023年12月までの地震活動の範囲は能登半島北東部の概ね30㎞四方の範囲であったが、1月1日のM7.6の地震の直後からの地震活動は北東-南西に延びる150㎞程度の範囲に広がっていた。直後の地震活動域は主として南東に傾斜した面に沿って、北東側では北西に傾斜した面に沿っていた。また、地震活動域の西端付近では1月1日にM6.1の地震が、東端付近では1月9日にM6.1の地震が発生するなど、現在も概ね同様の範囲で地震が発生している。M7.6の地震の発震機構、地震活動の分布、GNSS観測、合成開口レーダー画像、地震波及び津波波形の解析から推定される震源断層は、北東-南西に延びる150㎞程度の主として南東傾斜の逆断層であり、断層すべりは震源から北東と南西の両側に進行したと考えられる。


○ 津波データ解析から、M7.6の地震に伴う地震時の隆起域の東端は震源域北東(能登半島から北東に約40km)に推定されている。


[海底地すべり]
○ 2024年と2010年に調査された富山湾の海底地形を比較した結果、富山市沖約4kmの海底谷の斜面が、長さ約500m、幅約80mにわたって崩れ、最大40m程度深くなっていることが確認された。この地震発生の3分後に富山検潮所で観測された津波と関係した可能性がある。


[M7.6の地震に伴う地表変状]
○ 能登半島北東部にある若山川沿いに約4㎞にわたって最大で約2mの上下変位を伴う地表変状が確認された。


[M7.6の地震後の地震活動]
○ 昨年12月までと比べて地震活動の範囲は広がっており、これまでより広範囲で強い揺れを観測している。能登半島北東部では、これまで起きていた地震活動より浅いところでも活動が見られている。1月1日16時から2月8日08時までの間に、最大震度1以上を観測した地震は1,608回(震度7:1回、震度6弱:2回、震度5強:8回、震度5弱:7回)発生した。


○ 1月1日に発生したM7.6の地震から1か月が経過した現在も、M7.6の地震の発生前と比較すると依然として地震活動は活発な状態である。今後1~2週間程度、最大震度5弱程度以上の地震に注意が必要である。最大震度5強や6弱以上の地震についても、平常時と比べると依然として発生しやすい状況にある。なお、日本海沿岸の大地震である昭和39年(1964年)の新潟地震(M7.5)、昭和58年(1983年)日本海中部地震(M7.7)、平成5年(1993年)北海道南西沖地震(M7.8)の際には、最大の地震から約1か月後に大きな規模の地震が発生している。海底で規模の大きな地震が発生した場合、津波に注意する必要がある。


[M7.6の地震後の余効変動]
○ GNSS観測の結果によると、1月1日のM7.6の地震の後、能登半島を中心に富山県や新潟県など広い範囲で余効変動と考えられる地殻変動が観測されている。


[活断層との関係]
○ 能登半島西方沖から北方沖、北東沖にかけては、主として北東-南西方向に延びる複数の南東傾斜の逆断層が活断層として確認されている。この活断層が今回の地震に関連した可能性が高い。このうち海底地形のデータが取得された猿山沖セグメントでは、今回の地震に伴うと考えられる海底地形の隆起が観測されている。


○ 更に北東の佐渡島西方沖にかけては、主として北西傾斜の逆断層が活断層として確認されており、この活断層の一部が今回の地震に関連した可能性も考えられる。


[M7.6の地震前の地震活動と地殻変動]
○ 今回地震が発生した石川県能登地方の地殻内では2018年頃から地震回数が増加傾向にあり、2020年12月から地震活動が活発になり、2021年7月頃から更に活発になっていた。一連の地震活動において、2020年12月1日から2023年12月31日までに震度1以上を観測する地震が506回発生した。また、2020年12月頃から地殻変動も観測されていた。


[地震活動の見通し]
○ これまでの地震活動及び地殻変動の状況を踏まえると、2020年12月以降の一連の地震活動は当分続くと考えられ、M7.6の地震後の活動域及びその周辺では、今後強い揺れや津波を伴う地震発生の可能性がある。


*:2024年1月1日に石川県能登地方で発生したM7.6の地震及び2020年12月以降の一連の地震活動について、気象庁が定めた名称。

注:GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称である。


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