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  1. 都道府県ごとの地震活動
  2. 北海道地方の地震活動の特徴
  3. 北海道南西部地域 (後志、渡島、檜山、胆振(苫小牧市以西)地方)の地震活動の特徴

北海道南西部地域 (後志、渡島、檜山、胆振(苫小牧市以西)地方)の地震活動の特徴

 北海道南西部地域に被害を及ぼす地震は、主に、太平洋側沖合のプレート境界付近で発生する地震、日本海東縁部の地震、陸域の浅い場所で発生する地震です。

 北海道南西部地域とその周辺の主な被害地震(図をクリックすると拡大表示)
北海道南西部地域とその周辺の主な被害地震  太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した最近の主な被害地震には、1952年の十勝沖地震(M8.2)、「1968年十勝沖地震」(M7.9)、「平成15年(2003年)十勝沖地震」(M8.0)などがあり、地震の揺れによる被害だけでなく、津波によっても著しい被害が生じました。特に、1968年の地震では、函館市で鉄筋コンクリート造の建物が大きく破損するなどの被害があったほか、室蘭市などでも住家への被害などがありました。また、2003年の地震では、長周期地震動が原因と考えられる精油所の石油タンクでの火災が2件発生しました。さらに、「昭和57年(1982年)浦河沖地震」(M7.1)のように日高山脈南部で起こる地震によっても被害を受けたことがあります。この地震では、苫小牧市から室蘭市にかけての地域で小被害が生じました。
 日本海東縁部で発生した最近の被害地震としては、「平成5年(1993年)北海道南西沖地震」(M7.8)があり、震源域にごく近かった奥尻島を中心に渡島半島西部で地震の強い揺れと大津波により、死者・行方不明者230名を出す大惨事となりました。特に、奥尻町青苗地区では、津波と地震後に発生した火災で市街地が壊滅的な被害を受けました。この地震では、地震の揺れによって被害を受けた地域が、渡島半島のほぼ全域に及びました。また、秋田県・青森県西方沖で発生した「昭和58年(1983年)日本海中部地震」(M7.7)により、北海道では渡島半島西岸の地域が大津波に襲われ、死者4名を出すなどの被害が生じました。さらに、歴史の資料から1741年に大津波が渡島半島西岸を襲い、北海道で死者1,467名を出すなどの大被害があったことが知られています。歴史の資料には、渡島大島の噴火が詳細に記述されているにもかかわらず、地震に関する記録がほとんどないことから、噴火による山体の崩壊がこの津波を起こしたと考えられます。1640年の北海道駒ヶ岳噴火でも、山体の一部が崩壊して内浦湾(噴火湾)に流れ込んだために津波が発生し、対岸の有珠などで被害が生じたことがあります。
 南西部地域では、群発地震がしばしば発生します。最近では、1995年から松前町の沖合で群発地震が発生し、1997年頃まで地震の数の多い状態が続きました(最大M4.6:1997年5月5日)。この他、1953年の熊石沖(最大M5.1)、1978年から1980年まで続いた函館沖(最大M4.4)、1984年の奥尻島(最大M4.5)などの群発地震が知られています。なお、このような群発地震活動と周辺の火山の噴火などとの関係については、まだよく分かっていません。
 1933年の三陸地震(M8.1)に伴って、この地域の太平洋沿岸に高さ1m以上の津波が来たように、三陸沖の地震や、1960年の「チリ地震津波」のような外国の地震によっても、津波による被害を受けることがあります。
 2018年9月6日に「平成30年北海道胆振東部地震」(M6.7)が発生しました。この地震により、道内で死者43人、負傷者782人、住家全壊469棟などの被害が生じました(平成31年4月1日現在、消防庁調べ)。
 南西部地域には、渡島半島北部の寿都(すっつ)湾から内浦湾(噴火湾)にかけて黒松内低地断層帯が、南側の函館平野付近に南北方向に函館平野西縁断層帯が延びています。
 また、この地域に被害を及ぼす可能性のある海溝型地震には、北海道西方沖で発生する地震、北海道南西沖で発生する地震、青森県西方沖で発生する地震、青森県東方沖及び岩手県沖北部で発生する地震があります。
 石狩平野から勇払平野にかけての変位部はやや軟弱な地盤であるため、地震が発生した場合には他の地域より揺れが大きくなる可能性があります。
 函館市、北斗市、苫小牧市は、日本海溝・千島海溝周辺の海溝型地震によって被害が生じるおそれがあり、「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域」に指定されています。

  【 北海道南西部地域および周辺の主要活断層帯と海溝で起こる地震 】
  【 北海道に被害を及ぼした主な地震 】  【 確率論的地震動予測地図 】  【 リンク 】

○北海道南西部地域および周辺の主要活断層帯と海溝で起こる地震  [上に戻る]

地震 マグニチュード 地震発生確率
(30年以内)

【地震発生確率値の留意点】
海溝型地震




沿
十勝沖 8.0~8.6程度 10%程度
根室沖 7.8~8.5程度 80%程度
色丹島沖及び択捉島沖 7.7~8.5前後 60%程度
超巨大地震(17世紀型) 8.8程度以上 7%~40%
ひとまわり小さい
プレート間地震
十勝沖及び根室沖 7.0~7.5程度 80%程度
色丹島沖及び択捉島沖 7.5程度 90%程度
十勝沖から択捉島沖の海溝寄りの
プレート間地震(津波地震等)
8.0程度 50%程度
沈み込んだプレート内のやや浅い地震 8.4前後 30%程度
沈み込んだプレート内のやや深い地震 7.8程度 50%程度
海溝軸の外側で発生する地震 8.2前後 不明





北海道西方沖 7.5前後 ほぼ0%
北海道南西沖 7.8前後 ほぼ0%
青森県西方沖 7.7前後 ほぼ0%




沿
超巨大地震
(東北地方太平洋沖型)
9.0程度 ほぼ0%
青森県東方沖及び岩手県沖北部 7.9程度 10%~30%
ひとまわり小さい
プレート間地震
7.0~7.5程度 90%程度以上
青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り 8.6~9.0 30%程度
沈み込んだプレート内の地震 7.0~7.5程度 60%~70%
海溝軸外側 8.2前後 7%
内陸の活断層で発生する地震
増毛山地東縁断層帯・
沼田−砂川付近の断層帯
増毛山地東縁断層帯 7.8程度 0.6%以下
沼田−砂川付近の断層帯 7.5程度 不明
当別断層 7.0程度 ほぼ0%~2%
石狩低地東縁断層帯 主部 7.9程度 ほぼ0%
南部 7.7程度以上 0.2%以下
黒松内低地断層帯 7.3程度以上 2%~5%以下
函館平野西縁断層帯 7.0~7.5程度 ほぼ0%~1%
  (算定基準日: 2024年1月1日)


○北海道に被害を及ぼした主な地震  [上に戻る]

西暦(和暦) 地域(名称) 主な被害(括弧は全国での被害)
1611年12月2日
(慶長16)
三陸沿岸および北海道東岸 8.1 津波により死者多数。
1792年6月13日
(寛政4)
後志 7.1 津波により死者5人。
1833年12月7日
(天保4)
羽前・羽後・越後・佐渡 7.5 (死者約100人、家屋全壊475棟、津波被害大。)
1834年2月9日
(天保5)
石狩 6.4 石狩川河口付近を中心に被害。住家全壊23棟。
1843年4月25日
(天保14)
釧路・根室 7.5 釧路で4~5mの津波。釧路、根室で溺死46人、家屋破損76棟。
1856年8月23日
(安政3)
日高・胆振・渡島・津軽・南部 7.5 北海道南岸一帯に津波。函館で浸水あり。
1894年3月22日
(明治27)
根室南西沖 7.9 根室、釧路、厚岸に被害。死者1人、負傷者6人、住家全壊12棟。
1896年6月15日
(明治29)
((明治)三陸地震津波) 8.2 十勝から函館までの沿岸で津波により被害。死者6人、北海道から宮城にかけて家屋流失全半壊1万棟以上。
1915年3月18日
(大正4)
広尾沖 7.0 帯広地方で被害。死者2人。
1933年3月3日
(昭和8)
(三陸地震) 8.1 津波により被害。死者13人、負傷者54人、家屋倒壊48棟、同流失19棟。
1938年5月29日
(昭和13)
屈斜路湖付近 6.1 死者1人、住家全半壊7棟。
1940年8月2日
(昭和15)
神威岬沖 7.5 天塩、羽幌、苫前を中心に津波等により被害。死者10人、家屋流失20棟。
1952年3月4日
(昭和27)
(十勝沖地震) 8.2 太平洋沿岸一帯に津波により被害。死者・行方不明者33人、住家全壊815棟、同流失91棟。
1959年1月31日
(昭和34)
弟子屈付近
(連発地震)
6.3(5時38分)
6.1(7時17分)
弟子屈、阿寒を中心に被害。住家全壊2棟。
1960年5月23日
(昭和35)
(チリ地震津波) Mw9.5 津波により被害。死者・行方不明者15人、負傷者15人、住家全壊38棟、同流失158棟。
1968年5月16日
(昭和43)
(1968年十勝沖地震) 7.9 南西部地域を中心に、津波により被害。死者2人、負傷者133人、住家全壊全焼27棟。
1970年1月21日
(昭和45)
十勝支庁南部 6.7 日高支庁に被害。負傷者32人、住家全壊2棟。
1973年6月17日
(昭和48)
(1973年6月17日根室半島沖地震) 7.4 津波と強い揺れにより釧路・根室支庁に被害。負傷者26人、住家全壊2棟。
1982年3月21日
(昭和57)
(昭和57年(1982年)浦河沖地震) 7.1 日高支庁沿岸を中心に、負傷者167人、住家全壊13棟。
1983年5月26日
(昭和58)
(昭和58年(1983年)日本海中部地震) 7.7 渡島・檜山・奥尻に津波と強い揺れにより被害。死者4人、負傷者24人、住家全壊9棟。
1993年1月15日
(平成5)
(平成5年(1993年)釧路沖地震) 7.5 釧路支庁に被害。死者2人、負傷者966人、住家全壊53棟。
1993年7月12日
(平成5)
(平成5年(1993年)北海道南西沖地震) 7.8 奥尻島を中心に、津波と強い揺れにより、死者・行方不明者229人、負傷者323人、住家全壊601棟。
1994年10月4日
(平成6)
(平成6年(1994年)北海道東方沖地震) 8.2 釧路・根室支庁に被害。負傷者436人、住家全壊61棟。
2003年9月26日
(平成15)
(平成15年(2003年)十勝沖地震)
→【地震本部の評価】
8.0 死者1人、行方不明1人、負傷者849人、家屋全壊116棟。
2004年11月29日
(平成16)
釧路沖
→【地震本部の評価】
7.1 負傷者52人。
2008年7月24日
(平成20)
岩手県中部〔岩手県沿岸北部〕
→【地震本部の評価】
6.8 負傷者1人。
2011年3月11日
(平成23)
(平成23年(2011年)
東北地方太平洋沖地震)
【地震本部の評価】
→平成23年3月11日公表
→平成23年3月13日公表
→平成23年4月11日公表
→平成25年3月11日公表
→平成26年3月11日公表
→平成27年3月10日公表
→平成28年3月9日公表
→平成29年3月9日公表
→平成30年3月9日公表
→平成31年3月11日公表
→令和2年4月10日公表
→令和3年3月9日公表
→地震調査委員長見解
(令和3年3月9日公表)
9.0 死者1人、負傷者3人(令和3年3月1日現在、消防庁調べ)。
2018年9月6日
(平成30)
(平成30年北海道胆振東部地震)
【地震本部の評価】
→平成30年9月6日公表
→平成30年9月11日公表
→平成30年10月12日公表
【リンク集】
6.7 死者43人、負傷者782人、住家全壊469棟、住家半壊1,660棟(平成31年4月1日現在、消防庁調べ)。
2019年2月21日
(平成31)
胆振地方中東部
【地震本部の評価】
→平成31年2月22日公表
5.8 負傷者6人(平成31年2月27日、消防庁調べ)。


○確率論的地震動予測地図  [上に戻る]

◆ 胆振総合振興局
確率論的地震動予測地図(胆振総合振興局)
◆ 後志総合振興局
確率論的地震動予測地図(後志総合振興局)
◆ 渡島総合振興局
確率論的地震動予測地図(渡島総合振興局)
◆ 檜山振興局
確率論的地震動予測地図(檜山振興局)

 「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」(評価基準日:2020年1月1日)
を示した地震動予測地図です。
 詳しい内容を知りたい方は、「全国地震動予測地図2020年版」をご覧下さい。
 全国地震動予測地図の詳細なデータや関連情報は地震ハザードステーション(J-SHIS)をご参照下さい。


○リンク  [上に戻る]

 地震動予測地図等

 長期評価等

 地震活動等

 津波評価等

  • 津波評価
    地震調査委員会では、津波予測の手順を標準化し、「波源断層を特性化した津波の予測手法(津波レシピ)」を公表しています。また、長期評価の結果と津波レシピをもとに、津波評価を進めています。
    • 津波予測手法
      「波源断層を特性化した津波の予測手法(津波レシピ)」についてのページです。

 地方自治体等



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