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  1. 委員会資料
  2. 地震調査委員会関係報告書
  3. 余震確率評価手法
  4. 意見1

平成10年 4月 8日

地震調査研究推進本部

地震調査委員会

地震調査委員会報告書試案「余震の確率評価手法について」
への意見及び意見に対する地震調査委員会の考え方について


 

 地震調査委員会は、報告書試案「余震の確率評価手法について」を公開し、別紙1の要領に基づき、昨年12月10日から2月末日までの81日間に43のご意見を頂きました。ご意見とそれに対する地震調査委員会の考え方及び報告書の修正については、別紙2のとおりです。

 


 
目次

 

別紙1 

 余震の確率評価手法の試案公開と意見募集について

 

別紙2

1.余震確率評価全般に係る意見(意見1〜4)

意見1〜4に対する地震調査委員会の考え方

2.検討範囲に係る意見(意見5〜7)

意見5〜7に対する地震調査委員会の考え方

3.地震発生後、早い段階でのパラメータ決定に関する要望意見(意見8〜10)

意見8〜10に対する地震調査委員会の考え方

4.評価の具体的な表現に関する意見(意見11〜15)

意見11〜15に対する地震調査委員会の考え方

5.評価に応じた行動指針に関する意見 (意見16〜21)

意見16〜21に対する地震調査委員会の考え方

6.震度情報への変換等の意見(意見22〜26)

意見22〜26に対する地震調査委員会の考え方

7.研修等の要望意見(意見27〜30)

意見27〜30に対する地震調査委員会の考え方

8.余震確率評価の平均的パラメータに関する意見(意見31〜32)

意見31〜32に対する地震調査委員会の考え方

9.個別意見 (意見33〜43)とそれに対する地震調査委員会の考え方


 

平成9年12月10日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

余震の確率評価手法の試案公開と意見募集について

 地震調査研究推進本部の地震調査委員会は、平成9年6月に余震確率評価手法検討小委員会を設置し、余震の発生確率を評価するための手法及びそれに関連する事項について検討を推めてきたが、本日(1210日)、同小委員会から検討結果の報告を受けた。これを受け、地震調査委員会は余震の確率評価を行うに当たって、この情報の受け取り手である防災機関、各種事業体、一般住民等から広く意見やニーズを聴取するために、本委員会試案として下のとおり公開する。

 

1.公開/意見募集期間 平成10年2月末日まで

 

2.公開方法

 ・インターネットの地震調査研究推進本部ホームページ上で公開

     URLは https://www.jishin.go.jp/main/index.html

 ・郵送による資料送付も可能

    (200円切手を貼付したA4版返信用封筒を同封して請求)

 

3.意見送付要領

 ・意見は自由形式。但し、1通のメールまたは1枚の用紙にはひとつの意見に限る。

 ・報告書のどの部分に対する意見かを明確にすること。

 ・意見には氏名、連絡先、立場を明記のこと。氏名、立場、意見は公開する。匿名希望

  はその旨を明記のこと。

    「連絡先」は住所または電子メールアドレス

    「立場」は次のなかから選択

        ①-1 国や地方自治体の防災関係者

        ①-2 企業や学校等の防災関係者

        ①-3 町内会等の防災関係者

        ② 報道関係者

        ③ 地震及び関連分野の研究者

        ④ 一般住民、その他

 

4.資料請求/意見送付先等

  E-mailherp@sta.go.jp

  住所:〒100-8966 東京都千代田区霞が関2丁目2−1

           科学技術庁研究開発局地震調査研究課余震確率担当

               電 話:03-3503-8162

               FAX:03-3503-8169


 

1.余震確率評価全般に係る意見 (意見1〜4)

 

意見1

氏名、立場:神奈川県環境部地震対策課長 野本 紀

              ①−1 国や地方自治体の防災関係者

該当個所:全体的方向について

意見 : 余震の確率評価とその公表については、賛成する。

主旨 :

 余震の確率評価とその公表については、「今後の余震の見通し」として、応急対策上非常に有用な情報であり、実施の方向で進めていくことについて賛成する。

 

意見2

氏名、立場: 小澤 邦雄   ④ 一般住民、その他

該当個所:

意見  :

 「陸域の浅い地震における評価の具体的な表現例」を中心に、個人的責任範囲で意見を述べる。まず、防災情報として利用する場合、全般的には、従来から余震について言われていた

1) 本震発生後、3日間に大きな余震が発生する確率が非常に高い。

  1. 最大余震はいつ、どこで起きるか、わからない。

  (しばしば余震域のはずれの方で起こる。)

3) 最大余震は本震とMが1前後小さいものが起こりうる。

という事柄からどの程度レベルアップしたかである。

これは、どの程度期間を限定して高い確率を与えられるかにかかる。

具体には「実行ある避難勧告を出し得るか」、「救出救助活動を中止してまでも安全を確保する措置がとれるか」ということであり、提示された「公表表現例」を見る限り、直ちにこのことが可能とは考えられない。この表現では、「余震情報の質としては飛躍的な進歩があった」が、「防災情報としての質は本質的に従来レベルの域を出ていない」というのが正直な感想である。

# 余震情報の質としての飛躍的な進歩

# 例えば、本震としての判断、差がM1以内の大きな余震の発生確率など

しかしながら、適切な余震情報が出されることは、試案のレベルであっても(公表を震度情報とすれば)、各防災機関及び住民の発災直後の心がまえとしては有効であると考える。

 

意見3

氏名、立場: 清野 政明     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:

意見  :

 大きな地震が発生した時など、その直後にマスメデアへ地震活動の推移について研究者などによるコメントがあります。勿論、的確な内容もある一方で、誰でも言えるようなリップサービス的コメントが大変多いのも実状で、いつか研究者が社会的信頼を損なうことになることを懸念していました。 こうした時に、過去の豊富な資料を駆使した解説やおよその推移の予測があると大変説得力がありましょう。

 今回の "余震の確率評価手法(試案)" は、そうした役割を充分果たせるものと期待できます。

 的確な余震の確率評価情報は、防災関係者を始めとする利用者にとり、それぞれの警戒の仕方とその持続期間を考える客観的資料になりましょう。

 とは申しましても、おそらくはじめは受け取る防災関係者やマスメデアとその視聴者が、評価情報の持つ意味を充分に活用できるようになるには一定の時間が必要と思います。 

 今後の充分な利用を計るためには、研究者と利用者との従来より緊密な相互理解が必要となりますし、今後起こる実例に即して利用のされ方・意見・要望をまとめていくことも大切かと思います。

確率評価手法については、今後資料の蓄積や解析手法の改良により地震活動の地域的特徴が更に明瞭になるなどの着実な充実が計られると思います。実用的地震予知が困難な現在、地震研究結果の社会的還元として期待できますし、またこうした研究が地道ながら地震予知研究の進展につながる側面もあると確信しております。

今後の発展に期待を寄せて

 

意見4

氏名、立場: 入江 さやか     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:

意見  : 情報の責任の所在について

本試案では言及されていませんが、出された余震情報に基づいて行動を起こした結果、大きな余震に見舞われてしまった場合、情報を出した側(推本)の責任が問われないことを明示すべきでしょう。余震確率が低かったために電車の運行を開始したところ、地震に見舞われケガ人が出た、といったケースは十分起こり得ます。この点はあいまいにすべきでないと考えます。

 

 

 

1.余震確率評価全般に係る意見1〜4に対する地震調査委員会の考え方:

 

地震調査研究推進本部の任務は、地震防災対策特別措置法により、

(1)「地震に関する観測、測量、調査及び研究を行う関係行政機関、大学等の調査結果等を収集し、整理し、及び分析し、並びにこれらに基づき総合的な評価を行うこと」

(2)「評価に基づき、広報を行うこと」

などが定められています。

地震調査研究の成果を集め、これらを総合的に評価し、広報していくという趣旨のこれらの規定を踏まえ、地震調査委員会は、科学的に評価できる事項については積極的に評価すべきであると考えています。従って、地震に関する総合的評価を実施するに際し、余震確率評価手法を活かすとともに、地震調査委員会自らも適宜検討し、技術の向上や研究の発展に応じて、その結果を総合的評価の中に取り入れていく方向で実施していくこととしています。

また、地震調査委員会が行う地震に関する総合的評価は、その時点で得られている観測事実等に基づき、可能な限り具体的な評価を実施し、様々な方々が利用できることを心がけています。今回の余震確率評価についても、様々な分野(救出活動、列車等の運行、警戒の継続等)で利用できると考えています。しかし、注意すべき点は、「大きな余震の確率が低い」ことは、大きな余震が全く起こらないことを意味するものではなく、一旦大きな余震が発生した場合には、生命に係わる重大な事態が予想されることを意味する点です。地震調査委員会としても、その評価の内容が関係者や国民に正確に伝わり、各自の判断や行動に当たってその評価を有効に活用できるよう、余震確率評価に関する分かりやすい解説等に努めていきたいと考えています。

なお、個人や団体がとるべき行動は、その権限のある首長が決定している場合はそれに従い、それ以外の場合は、それぞれが判断するものと考えています。

 

 


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2.検討範囲に係る意見 (意見5〜7)

 

意見5

氏名、立場: 松本 久  ③地震及び関連分野の研究者

該当個所:1(2)余震確率評価手法の検討範囲

意見  : 誘発余震(広義の余震)について

 誘発余震(広義の余震)という概念は、地震関係者には理解できるから、それを除外するということは了解できる。(除外しないと面倒なのだろうということも)

 しかし、被害を受けるかもしれないと恐れている市民にとっては、狭義も広義も同じことではないだろうか。

 誘発余震が起こった後で、「実はそれは評価の対象外であった」と釈明するのは苦しいのではないだろうか。

 誘発余震をどう扱うか、ということは事前に方針を決めておかなければならないと思う。

 

意見6

氏名、立場: 望月 一範 ①−1 国や地方自治体の防災関係者

該当個所: 4.今後に向けて

意見  :

 地震調査研究推進本部地震調査委員会で試案として取りまとめた余震の確率評価手法については、現段階での研究成果としての評価はしているが、災害を軽減するための防災機関や個々の住民の具体的な取組に結びつけていくためには、なお、以下に示すように改善すべき点があると考える。

 災害を軽減する観点から防災機関や住民の具体的な取組に結びつけていくためには、「大きな余震の発生時期」、「大きな余震が起きる場所」及び「大きな余震により発生する特定の場所の揺れ」が特に重要であるが、今回の試案では、これらの課題は検討の範囲外とされ、具体の成果として示されていない。この点については、今後の調査研究の推進により、これらの評価手法についても具体的な成果が得られるよう、期待する。

 

意見7

氏名、立場:棚田 俊收   ③地震及び関連分野の研究者

該当個所:  4.今後に向けて

意見  :

余震の確率評価を防災に役立てるために、「大きな余震の発生時期と場所」および「特定の場所での揺れ」に関する研究を推進していただきたい。

 

 

 

2.検討範囲に係る意見5〜7に対する地震調査委員会の考え方:

 

ご指摘の通り、誘発地震については、現在科学的な評価は困難で、今回の余震確率評価手法には、取り込んでいません。余震確率評価を行った場合には、適宜、余震域の広がりを明示するとともに、そこからやや離れたところでも、大きな余震が起こった例がある旨の解説が必要であると考えています。また、「大きな余震の発生時期」、「大きな余震が起きる場所」及び「大きな余震により発生する特定の場所の揺れ」についての情報は一般の期待感が高いと十分認識していますが、現在の科学技術レベルでは、根拠を持って評価する状況にはないと判断しました。

しかしながら、経験的に知られているような事実、例えば、陸域の浅いところで発生するマグニチュード(M)5.0の地震では、その直上付近で震度5弱になる可能性があるというような解説を、今後地震調査委員会事務局が作成する予定の余震確率評価手法に関する解説資料に加えるとともに、実際に余震に関する確率評価結果を公表するに際しても解説を付加することなどにより、十分な理解を求めたいと考えます。

地震による被害軽減の観点からは、地表面の揺れの評価が重要であることは、地震調査委員会としても十分認識しています。今後、地震調査委員会としては、地震に伴う地表面の揺れの評価手法等に関する最新の研究成果も取り入れつつ、地表面の揺れの評価に対する取組みを強化していきたいと考えます。

 

 


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3.地震発生後、早い段階でのパラメータ決定に関する要望意見 (意見8〜10) 

 

意見8

氏名、立場:神奈川県環境部地震対策課長 野本 紀 

①−1 国や地方自治体の防災関係者

該当個所:3.(2)当面とるべき余震確率評価手法

       (3)余震確率評価の理解を促進するための留意点

意見  :本震発生後、初期(概ね数時間後まで)における、過去の統計事例の紹介について、過去の統計事例について地域の特徴を加味して整理したものを公表していただきたい。

主旨  :最も応急対応(救出、救護等)が必要な本震発生後、初期(概ね数時間後まで)において試案の中では、まだ、余震の発生確率が予測されず、過去の事例の統計のみになるとされている。そこで、地域の地震の特徴を反映するような整理を事前に行っていただき、その整理結果について、事前に十分、公表、啓発をしていただきたい。また、本震、余震の発生についての基本的な知識については、日頃から国民、防災関係機関等に十分理解していただけるよう啓発、研修、教育の徹底をお願いする。

 

意見9

氏名、立場:望月 一範  ①−1 国や地方自治体の防災関係者

該当個所:  3.(2)当面とるべき余震確率評価手法

意見  :

 地震調査研究推進本部地震調査委員会で試案として取りまとめた余震の確率評価手法については、現段階での研究成果としての評価はしているが、災害を軽減するための防災機関や個々の住民の具体的な取組に結びつけていくためには、なお、以下に示すように改善すべき点があると考える。

 余震評価の具体的な確率の数値が公表されるのは、早くとも概ね1日後とされているが、応急対策や住民の避難行動等においてはそれ以前の段階が最も余震に関する情報を必要とするため、より早期に数値の公表を行うための手法が求められる。

 

意見10

氏名、立場:棚田 俊收  ③地震及び関連分野の研究者

該当個所:3.(2)当面とるべき余震確率評価手法

意見  :

余震確率の情報はいつまで発表されるのか。

最大余震が発生しない場合、本震後から約1ヶ月程度、余震確率の情報が毎日発表されると考えてよいのか。

 

 

 

3.地震発生後、早い段階でのパラメータ決定に関する要望意見8〜10に対する地震調査委員会の考え方:

 

 地震調査委員会では、本震直後の余震確率の発表に過去の平均値をそのまま当てはめることができないかについても検討しました。しかしながら、報告書にあるとおり、過去の大きな地震に伴う余震活動の活発さは非常にばらついているため、得られる確率の値の信頼度が十分ではありません。例えば今後3日間のM6の余震確率を過去の平均値を用いて10%として本震直後に発表し、その1日後に実際の余震活動の活発さを観測値に基づいて推定し、余震確率を再計算したら30%になってしまうことも考えられます。このため、この報告書では、実際の余震活動の活発さを観測値に基づいて推定した後、余震確率を評価する姿勢をとっています。個々の余震活動のパラメータを求める時間をなるべく短縮するような技術の開発も視野に入れ、その適用について検討したいと考えます。

また、地震が発生する地域、プレート境界、内陸の地殻内地震、深い地震等の様々なタイプの地震の平均像を得ることにより、余震に関する防災計画の策定時にこの情報を考慮することは、重要であると考えられます。地震調査委員会自らも適宜検討し、研究成果の利用方法について検討を進めていきます。

なお、報告書の例(表6)は、あくまでも一例です。この例で重要なことは、二次余震を伴わないような単純な本震−余震型の活動においては、1日分のデータを用いた解析により、その活動のパラメータが短期間の評価に利用できる程度の精度で得られ、3日分のデータの解析により、やや長期間の評価に利用できる精度で得られるという点です。また、これ以降は、同じパラメータを用いて将来のことが評価できます。地震活動がさらに複雑化していくような場合には、必要に応じ地震調査委員会で検討し、総合的な評価を実施することを考えています。

 

 


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4.評価の具体的な表現に関する意見 (意見11〜15) 

 

意見11

氏名、立場:神奈川県環境部地震対策課長 野本 紀 

            ①−1 国や地方自治体の防災関係者

該当個所: 内陸の地震における評価の具体的な表現例(表6)

意見  :発表文案について、地域の影響を考慮した表現をお願いする。

主旨  :発表文案については、地域社会活動への影響も考慮し、単に確率を表示するだけでなくその確率の意味することもわかりやすく解説した表現になるよう希望する。

 

意見12

該当個所:2ページ下から6行目から下から1行目

氏名、立場: 岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

意見   :

原文 「さらには、情報の・・・工夫が必要であり、そのために確率評価の条件を必要に応じて固定する、平静(地震が起きていない)時の確率と比較する、過去の事例数を併記する等の工夫が必要である。また、ふだんから、確率評価が・・・必要である。」

 

修正意見

 「確率評価の条件を固定した」からといって、情報の受け手である一般の人がどれだけ正しく理解し混乱を避けるのに役立つか疑問である。この部分を削除して次のようにしてはどうか? 

「さらには、情報の・・・工夫が必要であり、地震が起きていない平静時の確率と比較したり、過去の事例数を併記する等の工夫が必要である。また、ふだんから、確率評価が・・・必要である。」

 

意見13

氏名、立場: 入江 さやか     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:表6

意見  :評価の具体的な表現例(表6)について

ここが今回の試案で最も悩まれたところではないかと思います。結論から言えば、このような発表文では一般に理解されないでしょう。いつのまにかM6が震度6に化けたりするのは容易に想像がつきます。

情報の正確さを期すため、背景を多く伝えたいのはもっともですが、説明は極力省き、次のような要素をまず伝え、その後余裕があれば詳しいデータや説明を付加すべきです。活字、電波メディアどちらにしても、冗長なメッセージは伝えるのに苦労しますし、通常は前の部分を残し、後ろから切り捨ててゆきます。表6のような形だと肝心のところが伝わりません。

—余震が多数発生していること

—余震確率(向こう3日間)

—最大級(例えばM6)の余震が発生した場合の最大震度

—この情報を伝える目的

例えば、発震後3日目の場合はこのような発表文が考えられます。

「1月1日に***市付近で発生した地震の余震が多数発生しております。 過去日本の内陸で起きた地震には大きな余震を伴う例が多くあります。今後3日間、1月4日から7日までにM5.0以上の余震が起きる確率は30%、M6.0以上の余震が起きる確率は10%以下です。なお、M6以上の地震が発生した場合、地域によっては震度6の激しい揺れとなる可能性があります。この情報は、余震による二次災害防止のためにお伝えしています。地震後の復旧活動などに当たっておられる皆さん、被災地にとどまっておられる皆さんは、今後の余震情報に十分ご注意ください」

この後余裕があれば、これまでの余震の状況、余震域、過去の事例、1週間分の確率、今後の見通し」などを加えるべきだ思います。

試案の表6では、過去の事例が発表文の真ん中にはさまってしまい、肝心の余震確率にいくまでに焦点がボケてしまいます。この情報は何のために伝えているのか、どの部分が一番役に立つのか、情報を出す側が再確認する必要があるのではないでしょうか。

「%表示」をどう理解・判断したらいいのかわからないという意見もしばしば耳にします。例えば、雪山で遭難が発生した際の救出活動の続行or打ち切りは気象条件の何を以って判断するのか、新幹線の運行の可否の基準はどのようになっているのか、どのような形で提供される情報が最も使いやすいのか、他分野の専門家にも意見を求めてみてはどうでしょうか。

 

意見14

氏名、立場: 小澤 邦雄       ④ 一般住民、その他

該当個所:

意見  : 発生危険期間

 「陸域の浅い地震における評価の具体的な表現例」を中心に、個人的責任範囲で意見を述べる。「3日以内」では予想される震度と発生確率のいずれもが非常に高くないと使えない。個人的感覚では数時間位の範囲に絞り込む必要があると考える。

 

意見15

氏名、立場: 松岡 喜保     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:4.今後に向けて

意見  :

  • 大きな地震の発生時期 確実な直前予測は現状では難しい。
  • 大きな余震がおきる場所 余震域付近というレベルは特定できるが、より詳細に言及することは、現状では困難である。
  • 大きな余震により発生する特定の場所の揺れ 定性的に「余震域のある場所では、震度いくつ以上になる可能性がある。」旨の解説を行うことは必要である。

この程度のことは、解説に付け加えて欲しい。

 

 

 

4.評価の具体的な表現に関する意見11〜15に対する地震調査委員会の考え方:

 

 地震調査委員会は、科学的に評価できる事項については積極的に評価すべきであると考えており、このような観点から、評価に確率の数字をそのまま用いることを考えています。これにより、例えば危険な作業を実施するか、延期するかなど、とるべき行動を決定する際にこの数字が参考となると考えるからです。また、評価によりとりまとめられる項目は余震確率だけでなく、余震の日別予測回数等もあります。これは1週間先や1月先に有感地震が現在と比べてどの程度減るのかなど、生活環境を理解する上で活用できると考えています。

 「確率評価の条件を固定する」のは、必要によって評価対象期間を固定し、当日の確率の数字を1日前と比較することにより、確率の数字を理解する手助けになると考えるからです。また、対象の余震のマグニチュードも固定しておかなければ上記と同様の理由で、一連の確率の数字が理解しにくいと考えます。しかしながら、報告書p2及び表6では、例のひとつとして示しているだけであり、必ずこのように条件を固定する方法を採用すると決めたものではありません。なお、報告書にある手法で、数時間毎に評価期間を区切ることは可能です。数時間毎に確率が大きく変動するのは、主に地震発生当日から1日後までです。地震発生数時間後に余震確率が出せるという技術的に理想的な状況を想定すると、ご意見のように数時間毎の確率も有用な情報となると考えられますので、ケースバイケースで検討することとします。

また、分かりやすい解説にも努めていきたいと考えています。

表6のような評価の他に、各種図表(例えば、ある期間毎の確率及び余震発生予測数の推移等)も併せて情報の理解を促進すると考えています。なお、地震調査研究推進本部が自ら広報する場合には、ご意見を参考とし、伝えるべき部分を強調するよう心掛けたいと考えます。広報の具体的な表現ぶりに係わる部分は、評価内容を広く伝えていただくメディアとも連携し、正確・迅速な広報を目指したいと考えます。また、確率の数字を解説する際には、前ぶれもなく突然発生する地震(本震)により大きな揺れに遭遇する確率や、その他の身近な例を引用して比較することが理解を促進することを考慮します。

 

 

 



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5.評価に応じた行動指針に関する意見 (意見16〜21) 

 

意見16

氏名、立場:神奈川県環境部地震対策課長 野本 紀 

①−1 国や地方自治体の防災関係者

該当個所:3.(3)余震確率評価の理解を促進するための留意点

意見  :余震規模と発生確率に合わせた防災の行動規範がどうあるべきか十分調査していただきたい。

主旨  :余震確率評価は、防災技術の前進であり、望むべきものではあるが、防災行政担当者にとってなじみのない情報であり、余震確率によって、どんな行動をとったらいいのか、行動指針的なものがないと無闇に怖がったり、大胆になったりすることも考えられるので、行動規範について地震調査委員会の検討事項ではないと考えられるが、中央防災会議等での研究・検討をお願いしたい。

 

意見17

氏名、立場: 望月 一範 ①−1 国や地方自治体の防災関係者

該当個所:

意見  : 

 地震調査研究推進本部地震調査委員会で試案として取りまとめた余震の確率評価手法については、現段階での研究成果としての評価はしているが、災害を軽減するための防災機関や個々の住民の具体的な取組に結びつけていくためには、なお、以下に示すように改善すべき点があると考える。

 評価結果の公表に当たっては、情報の受け手が具体的な行動をとる参考とするため、単に確率評価による定量的数値を示すだけでなく、その意味合いについて定性的な表現や過去の地震の例などを付記したり、マグニチュードと震度の違いについての解説を付することなど、情報のもつ意味について的確な解説を付すことが不可欠である。さらには、低い数値が出た場合に安心情報としてのみ捉えられることにより誤りを招くことのないようにするためにも、情報の内容についてさらに検討を進めることが不可欠である。

 このため、試案による手法では、余震の発生確率の定量的な評価を防災機関や住民がとるべき具体的な対策に関する定量的な基準として活用することは困難であり、当面は避難や救助活動などについて注意を喚起するなど、感覚的・参考的な利用のみにとどまるのではないかと思われる。

 今後、余震の確率評価手法が、防災機関及び住民の防災対策や防災行動に一層実効的に活用可能なものとなるよう、調査研究の推進を期待するとともに、防災機関等との連携・調整を図りながら、情報の受け手のニーズに的確に対応するための手法の改善・向上に努めていただくことを要望する。

 

意見18

氏名、立場: 東京ガス株式会社防災・供給センター ①−2 企業や学校等の防災関係者

該当個所:  4.今後に向けて

意見  :

  ”%”ではなく、大雨、津波のように、”警報”、

  ”注意報”のような情報のほうがわかりやすい。

 

意見19

氏名、立場: 東京ガス株式会社防災・供給センター ①−2 企業や学校等の防災関係者

該当個所:

意見  :

  それぞれの発表が出た際に、

  ・どういうことが起きるのか、

  ・一般的に何をすべきなのか、

  といった対応の仕方のガイドラインを示して欲しい。

  例えば”津波警報”に対して、”高いところへ避難してください”

  というような情報が必要。

 

意見20

氏名、立場:  小澤 邦雄       ④ 一般住民、その他

該当個所:

意見  :

 「陸域の浅い地震における評価の具体的な表現例」を中心に、個人的責任範囲で意見を述べる。人は降水確率が30%で雨支度を始め、50%で実際に雨に遭遇するだろうことを確信するというが、余震発生確率についてこの様な共通認識ができるまで、震度とその発生確率に対応した防災行動についての指針が必要であると考える。

 

意見21

氏名、立場: 松岡 喜保     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:(3)当面とるべき余震確率評価手法及び表6

意見  :

段階1)地震発生時、及び2)概ね数時間後 に加えて余震の確率評価について(解説)図2の主な地震の表、図6を付記するなど、一見して分かり、安心を与える情報にして欲しい。

段階3)及び段階4)については、具体的に表現されていてよいが、被災家屋の危険度判定等も加味して二次災害の防止事項も付け加えて欲しい。

 

 

 

5.評価に応じた行動指針に関する意見16〜21に対する地震調査委員会の考え方:

 

 市民の安全に責任を持つ防災機関あるいは個人個人が、警戒が必要な状況なのかそうでないのかを理解するのに、「警戒」、「注意」といった確率表現でない表現を望んでいることは十分理解できます。しかしながら、仮に確率が低い場合においても一旦余震が発生した場合には、生命に係わる重大な事態が予想されますので、「警戒」、「注意」といった表現が適切か否か慎重な検討を要すると考えます。従って、「警戒」、「注意」などのような表現を確率表現に替えて公表するか、あるいは、これらの表現を確率表現に加えて公表するかについては、今後、経験を積みながら、防災関係機関も含めて検討を行うべき課題であると考えます。また、国の各部署及び地方防災機関等におかれても、確率の数字の利用方法について検討をお願いします。

 また、意見11〜15に対する考え方にあるとおり、確率の数字はそのまま伝え、実際に発表されたものをどう使えるのかについて、防災機関や個人個人が体験しながら学ぶことも重要であると考えます。

 

 


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6.震度情報への変換等の意見 (意見22〜26) 

 

意見22

氏名、立場: 松本 久  ③地震及び関連分野の研究者

該当個所:

意見  :

 この情報はもっぱら地震をMで表現した形で発表されることになるわけであるが、最近は地震の情報といえばそれは震度情報であるかのごとき状況である。

 このため人々は従来以上に−Mではなく−震度によって地震を把握するように習慣づけられているのではないかと懸念される。

 この情報の実施に際しては、Mの知識普及の強化を同時に実行してゆかなければ、過去の余震情報で発生したと同じ混乱を引き起こす可能性が高いと思われる。

 普及の対象は、官公庁の防災担当者はもとより、その上に立った首長クラスの責任者、報道関係者、学校教員、そして一般市民の各層に対してである。

 手段としては、テレビ・ラジオ・新聞を通じて(政府公報予算として支出できないか)、また学校教育や地域における学習活動等あらゆる方法を考えるべきである。

 また現在の震度主体の情報の中では影の薄くなっている”M”をもっと重視した形に改めるように関係機関(気象庁、NHKなど)に働きかけることも(当小委員会または何らかの関連する委員会等があればそこから)検討していただきたい。

 

意見23

氏名、立場: 松島 健  ③地震及び関連分野の研究者

該当個所:

意見  :

 余震確率予測が業務として実施されるようになるのはたいへん画期的なことであり,地震研究の成果をすこしでも社会に役立てることができるという意味でも,研究者の端くれの私としてたいへん喜ばしいことである.

しかし,一般市民や防災機関が必要とするのは,余震の規模ではなく,余震によって発生するその地域の地震動の大きさ,すなわち震度の予測である.

 地震予測を天気予報にたとえるとすると,余震規模は高気圧や低気圧の大きさや移動速度であり,震度は各地の天気である.

 市民が最も必要としているのは各地の天気であり,高気圧や低気圧の情報ではない.

 つまり,市民が必要なのはマグニチュード4の余震がおこる確率ではなく,その余震によってある地区で震度4の地震動が発生する確率である.

 また,兵庫県南部地震の際にもよく言われたことであるが,一般市民には「マグニチュード」と「震度」を区別できていないことが多い.「マグニチュード6クラスの余震が発生する可能性がある」との報道に震度6の地震(動)が発生するとパニックを起こした人も多いと聞く.このとき,たとえば「神戸地区・淡路島北部では震度4,大阪地区では震度3の余震が発生する可能性がある」ときめ細かく報道していれば,そのようは混乱はなかったであろう.

 最近の強震動研究の発展により,その地区の地盤構造がわかれば想定する地震を与えて大体の震度を予測することができる.

 震度予測を地図上に平面的に色分けすることも,GIS情報と余震確率予測を組み合わせれば,さほど難しいことではないであろう.

 単純な予測結果だけではなく,さらに情報を加え,分かりやすく,市民の立場に立った情報の発表を望みたい.

 

意見24

氏名、立場 東京ガス株式会社防災・供給センター ①−2 企業や学校等の防災関係者

該当個所:  4.今後に向けて

意見  :

 マグニチュードのような一般市民にわかりにくい数値ではなく、震度などの被害との相関が分かる情報が望ましい。

 

意見25

氏名、立場: 小澤 邦雄       ④ 一般住民、その他

該当個所:

意見  :  マグニチュードと震度について

 「陸域の浅い地震における評価の具体的な表現例」を中心に、個人的責任範囲で意見を述べる。避難勧告をするか否かの判断は、想定される震度により行われるのではないか。だとするとMで公表をしても、防災情報としては震度に換算しなければ使えない。震度への換算は、M情報を受けた防災機関がするのか、住民自らがするのか、いずれにせよMのままでは直ちに使えないので、震度公表にまで踏み込む必要がある。(住民がMを理解しているかとか、どうすれば震度と混同しないで伝達されるかなどの問題以前の事項であろう。)

 

意見26

氏名、立場: 鈴木 康幸       ①−1 国や地方自治体の防災関係者

該当個所:

意見  :

 「余震の確率評価について(解説)」の中で、「私たちは、これら地震の性質を念頭に置きながらも、上で述べたような余震に共通した性質を理解し、より科学的な根拠に基づいて行動することが求められています。」と書かれていますが、私もそのとおりだと思います。その意味からは、試案で提案されている余震確率を発表する場合、防災機関や住民が科学的根拠に基づいて取るべき行動が何であるかを判断できるように情報の発表を行うべきであり、当然のことながらその前提として防災機関や住民が発表される情報の内容を正しく理解できるように余震確率を発表しないと、逆に混乱を招くおそれがあることに留意すべきであると思います。

例えば、総理府が平成7年9月に行った「地震に関する世論調査」の中で、「地震が発生すると、震度のほかにマグニチュードが発表されるが、マグニチュードがどのようなものか知っているか聞いた結果」が紹介されています。それによると、回答総数7,232人中、「マグニチュードは、震度と名称が違うだけで、全く同じものである」と答えた人が5.4%、「マグニチュードは、震度と多少の違いはあるが、ほぼ同じものである」と答えた人が25.3%、「マグニチュードは、震度と全く異なるものである」と答えた人が37.4%、「その他」が0.2%、「わからない」が31.7%であったとされています。つまり、マグニチュードと震度とはほぼ同じものであるとか、マグニチュードがどのようなものかわからないという人が6割もいる状況の中で、M○以上の余震が発生する確率が○%と発表することは、マグニチュードの値が震度の値と誤解されて伝わってしまう危険性を持っており(過去の余震情報発表に際しても、同様の事例があったと聞いています。)、折角発表した余震情報を勘違いして理解されると適切な防災対応が行われなくなることに留意しなければなりません。さらに、余震情報は被災住民の 関心が高く人伝えに伝わっていく情報なので、「伝言ゲーム」的に情報が変化して伝わってしまう危険性を考えれば、仮に解説を加える場合、どのような解説を加えることにより被災住民全員に正しく情報を理解してもらう予定なのでしょうか。

次に、地震が発生した場合、一般的に多くの方々は震度の値には高い関心を持ちますが、マグニチュードの大きさに対する関心はあまり高くないと思います。この理由は、震度の値がわかれば経験的に被害の程度がある程度想像できるのに対して、マグニチュードの大きさだけわかっても被害の程度が想像できないため、マグニチュードにはあまり注意を払わないことが大きな理由の一つだと思います(同じ大きさのマグニチュードの地震でも、震源と被災地との距離や震源深さ等によって被害の程度は大きく異なります。)。このことは、気象庁が震度階級関連解説表を作成し、震度の値と被害程度の一般的な目安を示しているのに対して、マグニチュードの大きさと被害程度の相関を示していないことからも理解できると思います。

 したがって、マグニチュードを用いて余震確率を発表しても、どの程度の被害が生ずるのかが具体的にイメージできないため、防災機関や住民が余震に備えて何を行うべきか判断することができません。

 試案の中で、「余震に関して住民が大きな関心がある事項には、大きな余震の発生時期、大きな余震が起きる場所、大きな余震による特定の場所の揺れ等が含まれると考えられる。これらについても若干の検討を行ったが、現状では社会に公表できるほどには評価の手法が確立されていないと考えられるので、今回報告するには至っていない。」と記述されています。現在の地震学において技術的に確立している事項に基づいて試案が作成されていることは理解できますので、現時点では、市町村毎の余震による震度の値までは求めませんが「震度速報」で発表される地区単位程度での想定震度の値を発表するとか、発表したマグニチュードの余震が発生した場合に想定される被害の程度を具体的に発表しないと防災機関も住民も対応のしようがないと思います。

 余震情報は防災機関も住民も求めている情報ですので、一般論で言えば情報量が多い方が良いとは思いますが、余震の確率評価手法を用いて余震情報を発表するに当たっては、前述のように課題が多いと思いますので、情報を受ける防災機関や住民の方々の意見を十分に聞いていただき、混乱の生じないように情報を出していただきたいと思います。

 

 

 

6.震度情報への変換等の意見22〜26に対する地震調査委員会の考え方:

 

震度は、被害状況の把握という点で防災上重要な情報になっています。

ご意見の主旨は、十分な精度とまでは言えなくとも震度の評価ができないかということであると理解できます。

地震のマグニチュードが大きい場合、余震域はかなりの広がりを持ちます。例えば1995年の兵庫県南部地震(M7.2)では、余震域の長さが約50kmにもなります。余震確率評価はこのような余震域及びその周辺を対象とします。しかし、報告書にあるとおり、大きな余震が起きる場所を予測することができないので、現状では特定の場所での揺れを予測することは困難です。

また、震源における破壊の規模や伝播方向などを予測することが困難なこと、足元の地盤の軟弱さの情報について十分な知見が得られていない地域が多いこと、マグニチュードと震央からの距離を与えて震度に換算する方法には検討すべき課題が多いこと等から、震度についての精度の高い予測が困難であると考えられます。しかしながら、基盤的調査観測等の進展や、強震動分野の研究の進展等を踏まえつつ、今後、地震調査委員会として、より精度の高い評価の実現を中・長期的な課題としてとらえ、努力していきたいと考えます。なお、現在のところ、震度への換算は困難ですが、M5.0の陸域の浅い地震であれば、震央付近では概ね震度5弱程度になるという程度の経験的な関係は知られています。

解説に当たっては、震度とマグニチュードの違いに気を付けるとともに「4.今後に向けて」にあるとおり、M5.0の陸域の浅い地震の場合、直上付近ではところによっては震度5弱程度になる可能性がある旨の解説を行うことが必要と認識しています。

また、マグニチュードが持っている情報、例えばM7の本震に対してM6の余震のエネルギーは1/30程度であることなど等も重要であると考えられますので、併せて解説を行うように努めたいと考えます。

 

 

 



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7.研修等の要望意見 (意見27〜30) 

 

意見27

氏名、立場:棚田 俊收  ③地震及び関連分野の研究者

該当個所:  内陸地震における具体的な表現例

意見  :

余震確率の情報を住民や防災関係者は理解できるだろうか。

今回の「余震確率情報の試案」では、地震学的な説明及び成果が中心になっており、情報内容をどのように具体的に広報していくのかがよく理解できなかった。

余震の確率情報が発表されるような地震は、年1回発生するか否かであろう。「(3)余震確率評価の理解を促進するための留意点」でも記載されているが、できる限り、この情報に接する機会を設けていただきたい。

 

意見28

氏名、立場: 入江 さやか     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:

意見  :

 28ページにあるように(事務局注:現30p)、この情報を企業・一般がどう受け取るか、反応するかの調査が必要です。阪神大震災を経験したとはいえ、震度やマグニチュードといった基本的な知識はまだ浸透していません。このプロジェクトを「紙上の空論」に終わらせないためには、地域防災担当者を交えた勉強会、模擬訓練も是非継続的に行うべきでしょう。

 

意見29

氏名、立場: 山岸 登    ①−1 国や地方自治体の防災関係者 

該当個所:3.(3) 余震確率評価の理解を促進するための留意点

意見  :

従来余震に関しては、その数や減衰の仕方、規模の大きさなどによる知見は持っていたけれども、ただ観測結果を漫然と見聞きしてきた状態であった。地震という自然現象は例えば天気概況のような高い精度の確率予測は今のところ到底無理な注文であろうといわれはじめ、前途に暗雲がただよう状況の時、地震調査研究推進本部が余震の発生確率を評価の段階にまで高めたことは、地震予知に一条の光明をもたらしたといえなくもない。

ただ行政機関では早ければ1年、おそくとも3年で転勤となることが多いので、このような情報を有効に活用するため特に防災担当者に対する研修や教育を繰り返し行って戴くことを切望します。

 

意見30

氏名、立場: 松岡 喜保     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:3.(3) 留意点

意見  :

余震確率情報及びその有効に活用するノウハウを身につけるよう、自主防を通じて住民一人一人に徹底するよう配慮をお願いいたします。

自主防の避難地対応の組織すらできていない現状をふまえて、確率情報が確実に伝達されるよう重ねて懇願いたします。

確率情報が国民にどのように受け止められたかご調査なさるのも一法かと存じます。

(通達が確実に伝わることが肝要、行政と自主防との連携〜伝えたではなく、伝わった。)

 

(事務局注:意見の内、固有の団体の名称は削除させていただきました。)

 

 

 

7.研修等の要望意見27〜30に対する地震調査委員会の考え方:

 

地震調査研究推進本部では、地震調査委員会の評価結果に基づき、各都道府県等の担当者に定期的に説明会を行っています。また、評価結果等は地震調査研究推進本部のホームページで公表するなど各種広報に努めています。余震確率評価についても、これらの機会や各種セミナー、研修会等を利用し、情報の理解の促進を図っていくこととしています。なお、この情報を各ユーザーがどのように受け取り、反応するのか等の調査も必要であると考えています。

 また、本報告書とともに、地震調査委員会事務局では、余震確率評価の理解を促進するため、解説資料の作成を予定しています。

 

 


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8.余震確率評価の平均的パラメータに関する意見 (意見31〜32) 

 

意見31

該当個所:

氏名、立場:楠城 一嘉 ③地震及び関連分野の研究者

意見   :

 余震の頻度は時間とともにべき乗 (改良大森公式) で減衰することが知られている。そのべき指数 (p) が各々の余震で違う値を取ることが知られている。

 私はそのp値と余震域内に存在する活断層分布のフラクタル次元 (D) との相関を、日本で起きた15の余震のついて調べた。その結果、負の相関 (回帰式, D=-2.10p+4.65) が得られた(Nanjo et al., 1998 in press)。この結果はDが大きくなるにつれて、pが小さくなることを表している。この関係は平田 (1986) の理論的考察から示唆されていた。

 地震のデータとして、SEIS-PC (Ishikawa, 1986) と京都大学防災研究所の地震データが使われた。活断層のデータとして、新編日本の活断層 (活断層研究会編, 1991) が使われた。Dを得るために、ボックスカウンティング法が採用された。

 その回帰式と活断層のフラクタル次元の空間分布 (島崎,長濱, 1995) から、p値の空間分布が指摘される。前もってわかっているp値の空間分布は本震直後から余震活動を推定することができるので、有用である。

Ishikawa, 1986, Geol. Data Processing 11, 65-74.

Nanjo, K. et al., 1998 in press, Tectonophysics 287, 173-186.

平田, 1986, 地震2 39, 478-481.

活断層研究会編, 1991, 新編日本の活断層、東京大学出版会.

島崎,長濱,1995, 科学 65, 241-256.

 

 

意見32

氏名、立場 山岸 登   ①−1 国や地方自治体の防災関係者 

該当個所:p4 対象とする最初の地震を基準として…

意見  :

断層運動が地震で、且つ日本列島にかかる広域的な力に変化がなければ、おのおのの断層は繰り返しの期間はまちまちであっても、同じような動きをすると考えられる。すなわち個々の断層にはそれぞれ特有の性質が認められると期待される。

しかし、例えば内陸地殻内の地震153例中、同一の断層による地震は数がきわめて少ないと思われるので、断層による分類は複雑多岐になる恐れが十分ある。

このため1例として、ズレの方向による断層の種類から見た地震規模を基準とし、当該断層または周辺断層から発生した過去の地震とその余震域のおよその範囲を先ず報じておく。(表6に関連)

なお、内陸マントル上部の地震については、その発生場所が太平洋側に片寄っているので、本州を2〜3地区、北海道を1地区に大別し、それぞれの地区内での地震規模の分類を基準とし、また、海域の地震については海溝やトラフ別にした地震規模の分類を基準として、試案のような余震確率評価の手法を行ったら如何でしょうか。

このような前準備を行うことによって、大きな余震の発生時期、発生場所、揺れの大きさなどの評価はできなくても、ただ地震規模別分類だけによる評価に比べ、地域性が加味されると考えられます。

 

 

 

8.余震確率評価の平均的パラメータに関する意見31〜32に対する地震調査委員会の考え方:

 

報告書で指摘しているように、地震が発生する地域、地震発生のタイプ、本震のマグニチュードなどとそれぞれの場合における余震活動の様相を網羅的に研究することは必要であると認識しています。ご提案のような研究やその研究成果と本報告書にある手法等を組み合わせ、各地域の余震活動を評価するためのパラメータとして有効なものかどうかについて、必要に応じ引き続き検討をする必要があると考えています。

 

 


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9.個別意見 (意見33〜43) 

 

意見33

氏名、立場: 松本 久  ③地震及び関連分野の研究者

該当個所:2.(1)本震−余震の見極め

意見  :対象とする地震の範囲について

 試案では対象とする地震の規模を、地殻内M5.5以上、マントル上部M6.0以上、海域M6.5以上、また深さについては80km以浅としている。

 しかしながら、余震の確率評価情報が実施されるようになった後は、基準以下の地震であっても−特に被害が発生したような場合には−同じ形での情報の発表が求められるようになるのは当然の流れである(報道関係からの要求が強いと思われる)。

 現実に、試案の基準よりもMで0.5小さい地震でも小被害が発生するし、深さ80km以上でも1993年釧路沖地震のような例もある。

 そのような対象外の地震にどう対処するのか、については以下のような各段の考え方があると思う。

a)報告書の基準で通す。

b)対象とする地震の範囲は今後次第に広げてゆく、ということで当初は試案の線で実施する。

c)基準以下の地震に対しても予め調査を実施しておき、要望があれば”参考情報”のような形で提供する。

d)Mの下限を試案よりも各0.5下げ、また深さもさらに深い地震も対象にして調査を行い、その結果を用いて情報の発表を実施する。

 以上のいずれかであると考えられるが、このことは予め決めておくべきであると考える。

 

 

意見33に対する地震調査委員会の考え方:

 

ご指摘の点は、本震−余震の見極めの項目に対象とする地震のマグニチュード以下の場合の記述がなく、「3.(1)余震確率評価の対象とする地震」が最大震度5弱以上の地震を対象と考えるとしていることから、このことに漏れがないのかという指摘だと考えます。

実際に内陸の M5.0程度の地震で震度5弱を観測したことはありますが、その場合、余震によって被害が拡大することは希であると考えられます。

震度5弱を観測し、その地震のマグニチュードが小さい、例えばM5.0程度の場合、その余震による被害の拡大はほとんどないと考えられますが、余震確率評価の作業自体は速やかに進め、その後の状況を見て必要であれば、余震確率評価を発表することになります。(回答はaです。)

 

 

 

意見34

氏名、立場: 東京ガス株式会社防災・供給センター ①−2 企業や学校等の防災関係者

該当個所:

意見  : エリアの特定が重要である。

 

 

意見34に対する地震調査委員会の考え方:

 

 ご意見の主旨は、余震確率評価の対象地域を特定すべきという点であると考えられます。対象地域は、「余震域及びその周辺」であり、ここから離れて起こるいわゆる誘発地震や広義の余震は対象としていません。また、「余震域及びその周辺」のどこで大きな余震が起こるのかについては、現在の科学技術レベルでは特定できません。余震域については評価の中に盛り込み、明確にするよう努めていきます。

 

 

 

意見35

氏名、立場: 岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:2p 14〜19行

意見  :

原文「次節以降で述べる・・・余震については、確率的な表現を用いて評価することが可能である。この評価は・・・可能性がある。しかしながら、余震確率は評価の一手段であり、・・・」

修正意見

 たとえ本震−余震型の活動においても、求まる確率にはかなりの誤差が伴っている。また、この部分は将来の余震の確率を論じており、「評価」より「予測」などとするのが適当です。字句を以下のようにしてはどうか?

「次節以降で述べる・・・余震については、ある程度確率的な表現を用いて評価・予測することが可能である。この予測は・・・可能性がある。しかしながら、余震確率は評価・予測の一手段であり、・・・」

 

 

意見35に対する地震調査委員会の考え方:

 

地震調査研究推進本部地震調査委員会の任務は、地震防災対策特別措置法により、

「地震に関する観測、測量、調査及び研究を行う関係行政機関、大学等の調査結果等を収集し、整理し、及び分析し、並びにこれらに基づき総合的な評価を行うこと」

と定められています。このため地震調査委員会が実施した総合的な判断は、「評価」という言葉に統一しています。また、ここでいう「予測」は評価の一部であると考えます。

 

 

意見36

氏名、立場: 岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:

意見  :

この報告書の内容は、データに基づく説明等、たいへん貴重であると思いますが、原文が討議用に書かれたものをそのまま使用している部分もあるようで、解説用になっていない部分もあります。多少読み易くしていただきたい。

 

意見36に対する地震調査委員会の考え方:

 

ご指摘の点を考慮し、報告書を一部修正いたしました。

 

 

 

 

意見37

氏名、立場: 岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:2.(2)統計モデルによる確率評価手法(14〜17ページ)

意見  :

原文 (3)、(4)、(7)及び(14)式などにおいて、余震の積算個数などを求める際に積分範囲をMから無限大まで取っている。

修正意見

 余震は本震より小さいので、余震の分布を議論する際はGR式を積分する区間を本震Moまでにすべきだと考えます。大粒の余震を取り扱うので、この問題は軽視できない。

後から大きな地震(本震など)が起きるかも知れないというのであれば、その分布は余震のものと明らかに異なる。その際は既に本震が起きていると考えられる場合とこれから本震が起きる場合に分けて確率を求めて議論する必要がある。

 

意見37に対する地震調査委員会の考え方:

 

 ご指摘のとおりですが、積分の上限を無限大にしたことの影響は、非常に小さく、本報告書で目標とした精度1桁の範囲では確率の数字等に影響しないので、議論を簡略化しました。

 

 

 

 

意見38

氏名、立場: 岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:対象部分 3)GR式とMO式の組み合わせによる余震活動の確率評価手法

       (17〜18ページ)

意見  :

ここでの議論は、すべての余震が独立にGR式とMO式に従うことを前提としていますが、評価・予測しようとする大粒の余震はGR式の極値に近く、全体的な分布と統計的に同じものから抽出されたものと見なせるという保障はありません。例えば、最大余震がMO式の分布に従っていれば、本震から最大余震までの時間間隔は、Kに依存せず、かつcとpは余り変動しないものですから、各余震群から最大余震を選んで本震からの経過時間を集計すると、MO式に従うはずです。どうなっていますか?

 

 

意見38に対する地震調査委員会の考え方:

 

 最大余震の発生時刻に関して、表5−2からも推察されるように、本震発生直後に急激に減少して、改良大森公式に概ねのっていると理解されます。しかしながら、丹後地震などでは本震からかなり時間が経ってから最大余震が発生しており、これは単なる統計的ゆらぎでは説明しにくいものもあります。実際の余震活動の評価については、このようなモデルからのずれということにも十分配慮して総合的な評価を行いたいと考えます。

 

 

 

 

意見39

氏名、立場:  岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:対象部分 21ページ、上から2行目から6行目

原文 「同じ時間にGR式で・・・ (20)式 ・・・代用する必要がある。」

意見  :

 (20)式を求めるために、(5)式にM=Mmを代入したとき、余震回数の期待値N(Mm)=1となることを仮定しています。しかし、Mmが統計変数であり、この様な関係はなんら保障されていません。換言すると、(5)式のA,bは母集団のパラメータで、標本を議論するときは定数ですが、Mmはいくつかの標本の最大値であり、試行(サンプル群の選出)ごとに異なります。とりあえず、文章を次のように訂正する。

「・・・代用する必要がある。なお、この式を求める際には、(5)式にM=Mmを代入したとき、N(Mm)=1となることを仮定している。」

 

 

 

意見39に対する地震調査委員会の考え方:

 

 ご指摘の点を考慮して次のように変更しました。

(20)式の前の文章

「一方、同じ時間にGR式で予測される余震数をNth(0, T)として、これらが等しいことから、」

「一方、同じ時間にGR式で予測される余震数をNth(0, T)として、これらが等しいとおけば、」

に修正。

 

 

 

 

意見40

氏名、立場:  岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:対象部分 22ページ、上から14〜17行目

意見  :

原文 「試算パラメータθ:方法③の余震活動の活発さを表すパラメータD値を用い、松浦(1993)の全国値を当てはめ、D=1.2(θ1)として、M6.0の本震に対するM5.0以上の余震が1回以上発生する確率を、・・・試算。」

 

意見 D=1.2ということは、M6.0の本震に対するM4.9以上の余震がないことを意味しています。ここではDそのものではなく、Dの期待値(平均)が1.2であるということであり、平均を示すためにDの上に横棒をつける。

 

意見40に対する地震調査委員会の考え方:

 ここでのDは確率変数ではなく、特定の値を与えて試算したことを示すためにD^としました。(平均という意味ではないので−は避けました。)

 

 

意見41

氏名、立場:  岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:対象部分 23ページ、1〜4行目

意見  :

原文 「これらの試算結果と過去事例・・・比較を行った(表5−1)。・・・・大きい数値になることがわかる。」

 

意見 試算パラメータψにおいて、αを固定したために、Kが一定(余震回数の期待値がすべての余震群で共通一定)となってしまい、Kが大きなばらつきを持つことと矛盾しています。この仮定の無理は、岡田(1979)に記されているように、余震の個数分布を調べると表面化してきます。

 

岡田正実(1979 本震と最大余震とのマグニチュード差D1の分布則,地震2,32, 463-476.

 

 

意見41に対する地震調査委員会の考え方:

 

 α等ここで用いたパラメータは、本来確率変数であり、これを平均値などで置き換えれば、本震の規模以外に原因をもつKのばらつきは表現できません。

しかしここでは、そうした余震群の個性を議論の対象にはせず、日本全国の過去事例の平均的振る舞いとの比較を行い、余震確率モデルがある程度(有効数字1桁くらいには)過去事例を説明できることを示しています。

 

 

 

 

意見42

氏名、立場:  岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:対象部分 24ページ、(28)式

意見  :

  • 式の求め方が分からない。

 

 

意見42に対する地震調査委員会の考え方:

 

 式の算出等明らかにするため、報告書試案を修正しました。

 

 

 

 

意見43

氏名、立場:  岡田 正実     ③地震及び関連分野の研究者 

該当個所:対象部分 27ページ、当面取るべき余震確率評価手法

意見  :

参考意見

「最大余震の規模の確率分布」や「M5.0以上の余震の個数分布」などは、形式的なものになりますが、負の二項分布モデル[岡田(1979)]を使えば地震直後から計算することは可能です。「試案」との本質的な違いは、余震が有限であり、余震回数の分布則(負の二項分布)を過去のデータからあらかじめ求めることが可能であるとの立場です。余震は本震より小さいことも前提にしている。2次余震を伴う場合も含めて調べてあり、本震−余震型に限っていない。なお、本震−余震型に限り、MO式を使用する際は、Kかガンマ分布に従うと仮定することにより、試案と同様に「今後3日以内に発生する最大地震の規模の確率分布」等も計算できます。余震の総回数に置き換えるので、cとpは一定または既知量とする。

 

 

意見43に対する地震調査委員会の考え方:

 

ご提案のような研究も含め、報告書で指摘しているように、地震が発生する地域、地震発生のタイプ、本震のマグニチュードなどとそれぞれの場合における余震活動の様相を網羅的に研究することは必要であると認識しています。

また、ご提案の研究は平均的な余震像を求めるための研究のひとつとして位置づけられるものと考えますので、報告書の中で以下のように引用します。

  1. 余震確率モデルの実際の適用 1)過去の活動における平均的なパラメータ

の項目末に

「なお、ここで述べた方法以外に、余震回数が負の二項分布モデルに従う(岡田1979)ことを利用して地域の特性などを調べる方法もある。これらの手法との比較検討も今後進める必要がある。」

を追加。

 

 


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