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アセノスフェア

プレートすなわちリソスフェアの下位にあって、相対的に流動性に富んだ軟らかい層を指し、岩流圏とも呼ばれます。上部マントルには、地震波の速度が深さと共に減少するいわゆる低速度層が存在しますが、アセノスフェアはこの層とほぼ同一のものと考えられています。低速度層は、大陸下よりも海底下でより顕著に存在することが地震波の観測から知られています。この層は海底下では深さ70~250kmくらいに存在しますが、大陸下ではほとんど認められません。しかし、日本などの島弧下では低速度層は異常に発達しており、地殻直下(深さ約30km)にまで及んでいます。このようなアセノスフェアの発達状況の違いは、上部マントルの温度構造に関係すると考えられており、高温のためにマントルが部分溶解しているか、それに近い軟弱な状態にあると考えられています。アセノスフェアは、リソスフェアよりかなり軟らかいためリソスフェア(プレート)が運動するのを容易にしていると考えられています。

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