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  1. 地震・津波の知識
  2. コラム
  3. 1:25,000 活断層図の整備について

調査研究機関の取り組み 1:25,000 活断層図の整備について

1.整備の目的・概要

 国土地理院は、平成7年(1995年)に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)を契機に、活断層に関する情報の整備及び公開のニーズに応えるため、地震発生時に大きな被害が予想される都市域とその周辺について、活断層の位置・形状を詳細に表示した「1:25,000都市圏活断層図」を平成7年度から作成してきました。近年は都市域に限らず、地震調査研究推進本部の長期評価の対象となっている主要活断層帯を主とする全国の活断層を対象として整備を進めており、これまでに188面を公開しています(図1)。
 なお、名称については平成29年10月から「1:25,000活断層図」に変更しました。

図1 活断層図(都市圏活断層図)の公表状況(平成30年(2018 年)6 月現在)
図1 活断層図(都市圏活断層図)の公表状況(平成30年(2018 年)6 月現在)

2.活断層図の調査方法

 国土地理院の活断層図の作成にあたっては、活断層調査の専門家で構成される「全国活断層帯情報整備検討委員会」を設置し調査を実施しています。地形の人工改変が少ない(進んでいない)古い年代の空中写真や旧版地形図による判読及び航空レーザ測量による詳細な標高データの解析により、活断層の位置を認定するとともに、既存の研究成果や知見を持ち寄って議論を行った結果を電子地形図25000(平成24年調査までは1:25,000地形図)上にまとめています(写真1)。また、必要に応じて現地での確認作業を行っています。
 2014年長野県北部の地震や、2016年熊本地震などの地震発生時には、地震により現れた地震断層や、地震後の調査による新たな知見をとりまとめ、活断層図を更新・整備しました(図2)。この際には、地震前後の空中写真や標高データの比較、現地調査に加え、干渉SARによる解析結果も活用することで、写真判読のみでは把握困難な地表の変位を確認することができました。2016年熊本地震後には、大規模な露頭において全体像を把握するためのUAV撮影を行い、地表の状態を記録しました(写真2)。

写真1 全国活断層帯情報整備検討委員会における議論の様子
写真1 全国活断層帯情報整備検討委員会における議論の様子


写真2 露頭でのUAVによる調査
写真2 露頭でのUAVによる調査

3.活断層図から読み取れる情報

 活断層図上では活断層の位置だけでなく、その確からしさ、ずれの方向などについても表現しています。また活断層による地震被害は、活断層からの距離だけではなく地形や地盤の影響を強く受けます。活断層図では活断層を認定する上で重要な指標となる地形や、地震時の被害予測に関係する地形を表示しています。例えば、図2において緑色で表示されている「沖積低地」は、地震波の増幅や液状化が起こる可能性が高いと言われています。また「地すべり」で分類されている箇所は、地震発生時に土砂災害による被害が起こる可能性が高いと考えられています。

図2 1:25,000 活断層図「阿蘇」1) の図の一部
図2 1:25,000 活断層図「阿蘇」1)の図の一部

4.活断層図の閲覧

 1:25,000活断層図は、国土地理院のウェブ地図「地理院地図」(以下、「地理院地図」という。)で公開しています(地理院地図の情報ボタンをクリックして表示される「情報リスト」〉「土地の特徴を示した地図」〉「活断層図」で表示)。地理院地図では、活断層図を閲覧できるだけでなく、空中写真等の国土地理院が整備するさまざまな地理空間情報と重ねて表示できるほか、3D表示にして見ることも可能です。他にも、断層帯毎の解説書、利用の手引き、Q&Aなどを国土地理院ホームページから公開し、活断層図を正しく読むための一助となる情報を提供しています。

5.活断層図の利活用

 1:25,000活断層図は、地震調査研究推進本部が進めている「主要活断層帯の長期評価」や「活断層の地域評価」を行う際に、断層の位置・形状を特定するための基礎資料として使われています。また、地方公共団体が作成するハザードマップや防災マップにその活断層情報が取り入れられたり、被害予測のシミュレーションの基礎資料として利用されています。徳島県では条例を制定し、中央構造線活断層帯を震源とする内陸直下型地震による被害の軽減、特に「活断層のずれ」による建物倒壊等の被害を未然に防ぐため、詳細な活断層の位置を調査して「活断層に関する土地利用の適正化」を図る取組 2)を行っています。兵庫県西宮市 3)でも活断層上の建築に関する条例を制定し、その際の活断層の位置の確認のために活断層図が利用されています。また、2016年熊本地震発生後に公開した「阿蘇」「熊本 改訂版」は、作成後迅速に関係自治体や関係機関、一般市民へ共有され、公共施設及びインフラの移転・建設計画に活用されました。
 以上のように、活断層情報の利活用が進められているところですが、内陸直下型地震に対する被害軽減のためにも、1:25,000 活断層図のさらなる利活用が望まれます。


1) 鈴木康弘・石村大輔・熊木洋太・熊原康博・千田 昇・中田 高・中埜貴元(2017):1:25,000活断層図「阿蘇」,国土地理院
2) 徳島県『特定活断層調査区域の指定について』
 https://anshin.pref.tokushima.jp/docs/2013082700025/ (2018年6月6日現在)
3) 西宮市『中高層建築物の届出について』
 https://www.nishi.or.jp/jigyoshajoho/kaihatsujigyo/kaihatsujigyo/tetsuzuki/chukoso.html (2018年6月6日現在)

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