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  1. 地震・津波の提供情報
  2. コラム
  3. 谷岡勇市郎氏

(広報誌「地震本部ニュース」平成22年(2010年)5月号)


 北海道の太平洋沖では、太平洋プレートが千島海溝に沿って沈み込むことにより、2003年十勝沖地震のような多くの巨大地震が発生してきました()。さらに北海道の日本海側にはアムールプレートとのプレート境界が存在し、ここでも1993年北海道南西沖地震のような巨大地震が発生してきました。
 地震火山研究観測センターではセンターが展開している地震観測網と他機関(防災科学技術研究所や気象庁等)が展開している地震観測データを解析することにより得られた微小地震の時空間分布や地震メカニズムを、大地震発生場の理解につなげる研究を推進しています。さらに地殻変動連続観測点(伸縮計・傾斜計・3成分歪計等)を展開し、地殻内の歪や傾斜を観測することで、大地震の準備過程から破壊過程、さらには余効変動過程をトータルで理解する研究を推進しています。最近では、歪波形を利用して地震の震源過程を早期に推定する手法の開発にも取り組んでいます。北海道周辺の海溝型巨大地震は海底の下で発生します。破壊域でのプレート境界の応力状態を理解するため、センターでは自己浮上式海底地震計による微小地震観測や構造調査も実施しています。将来の巨大地震の破壊を知るためには、北海道で発生した過去の巨大地震を理解することも重要ですので、津波堆積物調査や津波波形解析による巨大地震の破壊域を推定する研究も推進しています。最後に北海道周辺での巨大地震発生を駆動しているプレート運動を理解するために、極東ロシアとの国際共同研究を積極的に進め、GPS観測等の継続的な観測研究を実施しています。

(広報誌「地震本部ニュース」平成22年(2010年)5月号)

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