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  3. マグニチュードとマントル(島崎邦彦)
マグニチュードとマントル

 マグニチュードは英語では、ふつうに「大きさ」の意味で使われる言葉で、特に地震に関連しているわけではありません。
マントルも同様に「マント(外套)」です。なぜか日本では片仮名で書き、特別の意味を持っています。マグニチュードは地震の規模と訳されるために、誤解される面があります。「地震そのものの大きさ」と言い換えても、わかりにくいだけでしょう。
誤解のもとは、地震という言葉が二つの意味、揺れと、震源(あるいは地震の波が発生する仕組み)とを含んでいるためです。
揺れの大きさは震度で表され、多くの人が震度を理解しています。
そこで、震源の大きさがマグニチュードである説明とすれば、すっきりすることでしょう。もともとマグニチュードの概念は、深発地震の発見などで有名な和達清夫が考えだしました。そしてアメリカの地震学者リヒターによって実用化されました。米国ではマグニチュードより「リヒターさんの物差しで測って幾つ」という言い方の方が多く使われます。
 マントルとは地球の地殻(クラスト=パン皮)の下にある層です。一方、衣装や生物学では、同じ言葉が外套あるいは外套膜と訳されます。また、地球の中心部コアは、核と訳されていて、原子力関係の言葉のようです。
そこで訳語を変え、オリーブと橄欖との混同を正して、かんらん石をオリーブ石と訳せば、地球の構造の説明は次のようになるでしょう。「芯は、主に鉄とニッケルからなり、内芯は固体、外芯は液体である。これを包む外套部は下部と上部とに分かれ、上部の主要構成鉱物であるオリーブ石は下部では高圧によってより緻密な鉱物となる。外套部を覆うのが外皮で、外套部より密度が低い。」このような訳語をここで主張するつもりはありませんが、今使われている学術用語は不思議なものだと思います。
片仮名表記と言えば、最近はクラストコアと呼ばれる音楽のジャンルがあり、ややこしいですね。

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