平成8年6月12日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

1996年5月の地震活動について


1 主な地震活動

日向灘でM5.1、宮城県沖でM5.0などの地震があったほか、新島・神津島 付近で最大M4クラスの地震活動があった。

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

5月8日に1994年の北海道東方沖地震の震源域中央部でM6.0の余震が あった。

(2) 東北地方

宮城県沖でM5.0の地震があったほか、秋田県沖でM4.3の地震があった。

○5月23日に宮城県北部沿岸の沖合約60kmでM5.0、深さ約40kmの地震 があった。宮城県沿岸から沖合にかけては、過去M5.0以上の地震が年2〜3 回程度発生している。

○5月19日に秋田県沖でM4.3の地震があった。秋田・山形県の沖合では、 近年地震活動が低下している領域があり、この地震はこの領域の東端で発生した 。近年続いている地震活動の低下が、中期的な前兆なのか、あるいは定常的な地 震活動の揺らぎかは判断ができない。

(3) 関東・中部地方

新島・神津島付近、伊豆大島南東、静岡県中部などでM4クラスの地震があったほか、1964年の新潟地震の震源域でM4クラスの地震があった。

○新島・神津島周辺では4月中の最大M3.8の活動に引き続き、5月2日に神津島北部でM4.2及びM4.1を含む地震活動があった。5日には新島北部でM3.8を最大とする地震活動があったが、いずれも短期間で収まった。新島・神津島周辺から南方にかけての海域は、1991年半ばから活動の活発化を繰り返しており、昨年10月にも神津島から南方約10kmにかけて活発な 群発地震活動があった。4月から今期間にかけての地震活動は神津島北部周辺と 新島北部周辺で発生している。

○東海地方では、5月27日に静岡県中部でM4.2の地震があった。静岡県中 部の内陸部は周辺に比べて地震活動度のやや高い場所であり、M4クラスの地震 は最近ではほぼ2年に1回の割合で発生している。石花海付近では先月に引き続 き、M2クラスの散発的な地震活動があった。掛川−御前崎(浜岡)間のGPS観測及び水準測量によれば基線長、上下変動とも特段の変化は見られない。

(4) 近畿・中国・四国地方

1995年の兵庫県南部地震の震源域で、5月11日にM4.0の余震があった。

(5) 九州・沖縄地方

5月2日に日向灘でM5.1の地震があった。フィリピン海プレートと陸のプレートとの境界の地震と考えられる。

3 (補足) 6月(1〜11日)の主な地震活動

6月2日に沖永良部島付近でM5.6の地震があった。

6月5日に岩手県中部でM4.4の地震があった。

6月9日から西表島北西沖合でM5.5を最大とする地震活動があった。