next up previous contents
Next: 参考文献 Up: 最尤法について Previous: パラメータ決定の実際

定常更新過程の厳密な対数尤度

  B.1において,地震発生の時刻を標本とした。 しかしこの扱いでは,調査された時代の最も古い時期から最初の地震発生時の間, 及び最後の地震発生時から現在まで地震が起こっていないという情報は使われていない。 この情報も尤度に取り込んで取り扱うと,特に既知の地震発生時刻が少ない場合は, かなりの差が出てくる可能性がある。

以下,簡単のために tex2html_wrap_inline8088 を単に tex2html_wrap_inline6124 と表す。 条件付き強度関数 tex2html_wrap_inline8128 から決まる点過程について, 区間 tex2html_wrap_inline5828 上のあらかじめ指定された配置 tex2html_wrap_inline8132n個の点が 生起するときの同時確率密度関数は,

equation3717

で与えられる。したがって対数尤度関数は,

equation3724

となる。

Tを現在の時刻とし,Sを調査された最も古い時期とする。期間 tex2html_wrap_inline8140 で 地震発生時刻のデータ tex2html_wrap_inline8142 が与えられているとする。 時刻 S以前の最後の地震がいつ起きたか全く情報がないとき, 更新過程の定常性を仮定すると,最初の発生点までの時刻における条件付き強度と それ以降の条件付き強度は形が異なり,以下のようになる。

equation3731

これから厳密な対数尤度関数:

  equation3742

が得られる。ただし tex2html_wrap_inline8150 は点区間の長さの期待値である。 式(B.6)の第3項が付録B.1における (近似)対数尤度に対応しているのが分かる。 地震発生のデータ数が十分ならば近似尤度でも有効であるが, 余りデータがないときには他の項が無視できなくなると考えられる。 なお本報告書の4つのモデルに関する式(B.6)の計算は 表2.1の結果を用いる。


前の文書へ戻る

地震調査研究推進本部
Wed Jan 13 17:30:00 JST 1999