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「地震に関する総合的な調査観測計画~東日本大震災を踏まえて~」の策定について

 地震調査研究推進本部(「地震本部」)は、東日本大震災を踏まえて平成24年9月に改訂された「新たな地震調査研究の推進について−地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策−」(「新総合基本施策」)や、調査観測の進展等を踏まえて、これまで地震本部において策定してきた調査観測計画を全面的に見直し、1つの体系的な計画として新たに策定しましたので、その概要について紹介します。

1.評価の経緯

 地震本部は阪神・淡路大震災を契機に制定された地震防災対策特別措置法に基づき、地震調査研究を政府として一元的に推進することを目的として設置されました。同法には、地震本部の所掌として、我が国の地震調査観測の方針を示す「地震に関する総合的な調査観測計画を策定すること」が定められており、平成9年の「地震に関する基盤的調査観測計画」をはじめ、多くの調査観測計画が策定されました。また、これらに基づき、我が国では、地震や地殻変動等の全国的な観測体制が整備されつつあるほか、活断層調査等の各種調査も実施されてきました。
 しかし、平成23年に発生した東日本大震災では、地震や津波の即時的な把握や予測、低頻度巨大地震の評価、津波の長期的な評価等に課題があることが認識されました。そこで、これらの課題を克服していくために、平成24年に「新総合基本施策」が改訂されました。さらに地震本部では、新総合基本施策の趣旨を踏まえ、地震や津波の事前予測や即時予測をはじめとした減災・防災に結びつく調査観測をさらに推し進めていくために、これまで策定された調査観測計画を全面的に見直し、新たに総合的な調査観測計画を策定することとしました(図1)。

図1

図1 本計画策定までの経緯の概要

 地震本部では、平成25年3月より調査観測計画部会において具体的な議論を開始しました。長期評価部会、強震動評価部会、津波評価部会や、関係機関、有識者からのヒアリングを実施するなどしながら検討を進めました。計画案については、一般の方からの意見募集(パブリックコメント)の結果も踏まえて取りまとめられ、第47回政策委員会での議論を経て、第36回本部会議(平成26年8月27日開催)で決定されました。

計画の概要

 この計画には大きく3つの事柄が書かれています(図2)。

図2

図2 本計画の概要

 まず、長期間にわたって全国一律での調査観測を行うか、それを目指すものとして「基盤的調査観測等」を11項目挙げています。以前より全国的に実施されている地震観測や地殻変動観測等に加え、東日本大震災を踏まえて、とくに以下の調査観測を進めることとしています。
○ケーブル式海底地震・津波計の整備や運用を進め、地震や津波の観測を長期的に安定して行うこととしています。これにより、海域の地震による地震動や津波をいち早く捉え、地震や津波の即時予測に活かすことが出来るほか、海域で発生する地震活動を詳細に把握するなどして、その成果は海溝型巨大地震の研究にも活用されます。
○日本の沿岸部全域において、浅海域及び沿岸陸域の地形調査を行い、従来よりも密な地形データを整備します。これらは津波のシミュレーション等に取り入れられ、津波予測や津波即時予測に役立てられます。
○まれな頻度で発生する超巨大地震を評価するために、近代的な観測が開始されるより前の日記等の史料から地震について調べたり、過去に大きな津波が襲った痕跡である津波堆積物から近代以前の津波を明らかにしたりする、古地震・古津波調査を進めます。とくに史料に基づく調査では、歴史学の研究者とも連携を図ります。
 また、南海トラフで発生する地震等、発生の可能性や地震による社会的影響を鑑み、「基盤的調査観測等」に加えて実施する調査観測を「重点的調査観測」としました。たとえば、基盤的調査観測等で述べられた観測網よりもさらに密な観測網による地震観測等のほか、深部掘削によるプレート境界面の地球物理学的調査及び地質調査、活断層周辺を対象とした重力探査等、様々な調査観測項目が挙げられています。
 さらに、これらの調査観測は、防災・減災に十分活用される必要があります。そのため、調査観測で得られたデータについては原則として公開し、研究者、防災関係機関、国民に広く活かされるようにすること、また、そのための仕組みを整えるよう努めることとしています。さらに、調査観測の段階から工学や社会科学等と連携して、学際的プロジェクト研究等を実施するほか、国民ともコミュニケーションを図りながら、戦略的に調査観測を行うこととしています。

おわりに

 地震本部は、今回改訂した「地震に関する総合的な調査観測計画」に基づき、防災・減災に確実に貢献するよう、今後とも関係機関一丸となって、地震の調査観測に取り組んで参ります。なお、今回改訂された全文については、以下のURLをご参照ください。
/reports/policy_report/

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