平成10年1月14日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

1997年12月の地震活動について


1 主な地震活動

特に目立った活動はなかった。

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

○1994年の北海道東方沖地震(M8.1)の余震域で、12月22日にM5.0の余震があった。

○12月23日に十勝支庁中部の深さ約110kmでM5.1の地震があった。この地震は沈み込む太平洋プレート内の地震である。

(2) 東北地方

○11月23日の秋田県沖の地震(M5.6)とほぼ同じところで、12月2日にM4.8の地震があった。これらの地震は、1983年の日本海中部地震(M7.7)の余震域南端部で発生した。11月23日からの活動は12月下旬にはほぼ収まった。

○12月7日に福島県沖でM5.3の地震があった。この地震は沈み込む太平洋プレート内の地震であり、二重地震面の下面に位置している。

○1994年の三陸はるか沖地震(M7.5)の余震域で12月23日にM5.1の余震があった。

(3) 関東・中部地方

○12月6日と12月7日に千葉県北西部の深さ約50kmで、それぞれM4.6とM4.2の地震があった。いずれも、フィリピン海プレート内の地震である。

○12月19日に石川県西方沖(石川・福井県境の沿岸)の深さ約10kmでM4.4の地震があった。発震機構は逆断層型であり、この地域に多く見られる北西−南東圧縮を示している。活動は、ほぼ数時間で収まった。この地震は、1948年の福井地震(M7.1)の北、1952年の大聖寺沖地震(M6.5)の南で発生した。

○東海地方のGPS観測の結果には特段の変化は見られない。

(4) 近畿・中国・四国地方

特に目立った活動はなかった

(5) 九州・沖縄地方

○1997年3月26日(M6.5)及び5月13日(M6.3)の鹿児島県北西部の地震による余震活動は、減衰している。5月の活動で南北方向に延びた余震域の南側延長部では、5月の活動以降散発的に微小な地震活動が見られていたが、12月中旬以降、活動がやや活発化してきている。

3 補足

○1月3日に根室半島南東沖でM4.8の地震があった。

○1月8日に奄美大島近海でM4.1及びM4.3の地震があった。これらの地震は、1995年10月の奄美大島近海の地震(M6.6及びM6.5)の余震域内に位置している。

○1月10日に鹿児島県北西部でM4.1の地震があった。この地震は、1997年12月中旬以降活動が続いている地域内で発生した。

○1月14日に千葉県北西部の深さ約80kmでM4.9の地震があった。この地震は沈み込む太平洋プレート内の地震である。