平成9年12月10日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

1997年11月の地震活動について


1 主な地震活動

11月15日に根室地方でM6.1のやや深い地震、11月23日に秋田県沖でM5.6の地震があった。

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

○11月6日に釧路支庁の深さ約110kmでM4.9の地震があった。この地震は沈み込む太平洋プレート内の地震であり、震源の深さは二重地震面の下面に位置する。

○11月15日に根室支庁の深さ約150kmでM6.1の地震があった。この地震は沈み込む太平洋プレート内の地震であり、震源の深さは二重地震面の下面に位置する。

(2) 東北地方

○11月15日に福島県沖の深さ約60kmでM4.9の地震があった。

○11月20日に青森県東方沖でM5.0の地震があった。この地震は、1994年の三陸はるか沖地震(M7.5)の余震域の北側のやや離れたところで発生した。

○11月23日に秋田県沖でM5.6の地震があった。この地震は、1983年の日本海中部地震(M7.7)の余震域南端部で発生した。余震域付近でM5クラスの活動があったのは、1990年4月のM4.9以来である。

(3) 関東・中部地方

○11月1日に神奈川県西部でM3.8、4日にほぼ同じところでM4.0の地震があった。活動は11月中旬にはほぼ収まった。

○11月2日及び29日にともに茨城県南部の深さ約50kmでM4.3の地震があった。この地震は、フィリピン海プレートと陸のプレートとの境界付近の地震である。

○東海地方のGPS観測の結果には特段の変化は見られない。

(4) 近畿・中国・四国地方

特に目立った活動はなかった

(5) 九州・沖縄地方

○11月12日に熊本県阿蘇地方でM4.1の地震があった。この付近は、従来からM4クラスの活動が多く見られる地域である。

○11月17日に沖縄本島読谷村付近でM3.9の地震があった。26〜28日にも、ほぼ同じところで、M3.8を最大とするやや集中した活動があった。

○11月27日に沖縄本島南東沖でM5.0の地震があった。

3 補足

○12月2日に秋田県沖でM4.8の地震があった。この地震は、11月23日のM5.6の地震とほぼ同じところで発生した。

○12月7日に福島県沖でM5.3の地震があった。この地震は沈み込む太平洋プレート内の地震であり、二重地震面の下面に位置している。

○12月6日と12月7日に千葉県北西部の深さ約60kmで、それぞれM4.6とM4.2の地震があった。いずれも、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近の地震である。