(3)陸域の浅い地震

陸側のプレートと海側のプレートが互いに押しあうため、日本列島の地下には一般に東西方向ないし北西−南東方向の強い圧縮の力がかかっています。このため岩石のひずみが大きくなって限界となると、岩石が破壊されて食い違い(地震断層)が生じ、地震が発生します。

陸域では浅いところに地震が起きますが、陸域では地震を発生させるような強度を持つ岩盤は地下15〜20qの浅いところまでにしかなく、それより深いところでは温度が高いため、力が加わったときに流動的に変形してしまい、急激な破壊を起こすことはないと考えられています。

1995年の兵庫県南部地震(M7.2、震源の深さ16q)のようにM7程度の大地震が多いのですが、1891年の濃尾地震(M8.0)のようにM8程度の巨大地震の例もあります。陸域の浅いところで発生するため、比較的規模の小さな地震でも都市部直下などで起きれば局地的に大きな被害を出します。

いったん生じた岩石の破壊面は弱くなっているので、圧縮または伸張の力がかかり続ける間、繰り返し地震を発生させ、食い違いの量がだんだん大きくなります。今後もこのような現象を繰り返すと考えられるものを活断層と呼びます。地表での調査から、日本列島には約2,000本の活断層が確認されており、それぞれ地震を起こす可能性を持っています。しかし、個々の活断層の活動の間隔は千年から数万年という長い間隔です。