郵政省における地震調査研究について

平成12年1月13日


  郵政省の地震調査研究への取組みとしては、光や電波を用いた精密計測技術とその研究開発能力を有する通信総合研究所において「首都圏広域変動観測」を実施している。(平成12年度政府原案 152百万円)

 通信総合研究所は、我が国で超長基線電波干渉計(VLBI)のパイオニアとして技術開発を行い、昭和59年度から平成3年度までの国際VLBI実験で太平洋プレート運動の検出に貢献し、平成2年度には、国際地球回転事業(IERS)評議会からVLBI技術開発センターに指名されている。また、衛星レーザ測距(SLR)についてもその測地計測技術を世界的なレベルに押し上げた。通信総合研究所は、これらの技術をいかして開発した首都圏広域変動観測システムを用い、平成6年度から順次試験観測を開始し、平成9年度には首都圏の4ヵ所(小金井、鹿島、三浦及び館山)の観測局を結び、数mmの 精度で地殻変動の観測が可能となった。さらに構成するシステムの相補的な特長を生かし、宇宙測地技術を総合して計測精度の向上を図る研究を行っている。

 得られたデータは気象庁へ提供するほか、地震予知連絡会への報告、インターネットホームページを通じた公開により情報発信に努めている。また、開発した最新のVLBI技術は国土地理院に提供を行っている。

 VLBI及びSLRシステムは測地観測において最も信頼度の高いシステムであり、アンテナをはじめとする構成システムには最高水準の性能が要求される。今後とも、観測技術の高度化を目的として研究を推進するとともに、その成果を他の業務観測機関に提供していくことが重要であると認識している。



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