(1)地震の発震機構
地震の震源から発せられたP波(縦波)の最初の動きの方向が、震源から見て「押し」(上下動の上向き)であるか「引き」(上下動の下向き)であるかを調べます。いま震源を中心とする球面を考え、そこに押し引きを書き込みますと、ほとんどの場合は、押し引きの領域は震源を含む直交する二つの平面(球面上では二つの大円)で分けられます。押しの領域では震源に対して伸長力が、引きの領域では圧縮力が働いていたことを意味します。二つの平面のうち一つが断層面に相当します。 通常、今考えた球面を水平面上に投影し、発震機構解(メカニズム解)として表示します。発震機構解は地震の断層のタイプと、そこに働いた力の状態を表しています。以下に、横ずれ断層、正断層、逆断層の例を示しました。
図2−8 横ずれ断層、正断層、逆断層の例