【横手盆地東縁断層帯活断層調査】
１）調査地域及び断層位置
断層の概要：
当該断層帯は横手盆地の東縁に位置し、北は田沢湖町高野付近から南は稲川町稲庭付近までの南北方向に約７０ｋｍにわたって延びる断層帯である。
この断層帯は幾つかの断層よりなり、北から駒ヶ岳西麓断層群・白岩六郷断層群（千屋断層）・金沢断層（杉沢断層含む）・大森山断層と４つに大きく区分される。
実施年度：
平成９年度～１０年度
実施概要：
横手盆地東縁断層帯について履歴調査（地形地質調査、ピット調査、ボーリング調査、トレンチ調査等）や深部構造調査を実施し当該断層帯の地震規模及び活動周期、最新活動時期を探る。
２）調査内容状況
地形地質調査：
断層帯一帯にわたり、概査５４ｋ㎡、精査２ｋ㎡の現地踏査を行った。
ボーリング調査 ：
地質の判定並びにトレンチ位置の選定のため、１３箇所、延べ２０３ｍのボーリング調査を実施した。
トレンチ調査：
断層による変位等を確認するため、トレンチを２箇所掘削した。
深部構造調査：
岩手・秋田間に２３．８５ｋｍの測線を設定し、反射法地震探査により千屋断層の深部構造を調査した。
３）調査結果
千屋断層：
深部構造調査の結果、震度７ｋｍ付近から浅部にかけて約４０°東に傾斜した構造が明かになった。なお、当断層は１８９６年の陸羽地震の際活動しているが、今までの調査の結果、再来期間は約３，５００年と考えられており、近い将来活動する可能性は極めて低い。
金沢断層：
１万年前以降の新しい段丘面を変位させており、大森山断層とは連続していない長さ約９ｋｍの活断層であることが確認された。また、断層の延長から推定される地震の規模はＭ６程度で今後、断層が活動する際の地表の変位形態としては、広い幅で地盤がわずかに傾く（撓曲）が考えられ、地表に断層崖が生ずる可能性は低いとみられる。さらに、陸羽地震の際、金沢断層に明瞭な地震断層が生じなかったため、活動の記録は残っていないが、前述のような活動の特性から、千屋断層と連動して活動した可能性も考えられ、この場合近い将来に活動する可能性は低い。
大森山断層：
金沢断層に比較してさらに活動度が低く、少なくても１万年以上活動して
いないことから、近い将来活動する確率は小さいと考えられる。
４）解析、評価等
調査結果からみて、横手盆地東縁断層帯において近い将来、Ｍ７級の直下型地震が発生する可能性は極めて小さいと結論される。ただしこの解析及び評価は秋田県の見解である。
○ただし、この解析及び評価は、秋田県の見解です。
５）問い合わせ先
秋田県生活環境部消防防災課
ＴＥＬ ０１８－８６０－１５６４
ＦＡＸ ０１８－８２４－１１９０