地震調査委員会の活動概要


 地震調査委員会では、定期的及び臨時に会合を開催し、地震活動の現状評価を行っています。また、長期的な観点からの地震発生の可能性の評価等を行うために長期評価部会を、強震動予測手法の検討及びその結果を用いた強震動の評価を行うために強震動評価部会を、地震調査委員会の下にそれぞれ設置しています。さらに、部会の審議に資するために、長期評価部会の下に3つの活断層分科会(北日本・中日本・西日本)及び長期確率評価手法検討分科会を、強震動評価部会の下に強震動予測手法検討分科会を、それぞれ設置しています。

1.地震調査委員会( 定例会議及び臨時会議)
 毎月開催される定例会議では、全国の地震活動について関係各機関の調査結果等を収集・整理・分析して地震活動の現状を総合的に評価し、取りまとめています。地震調査研究推進本部は、その結果を報道機関へ説明して公表するとともに、毎月、地震調査研究推進本部定例説明会を開催し、都道府県等の防災機関、公共機関等に説明を行っております。また、被害地震が発生した場合や顕著な地殻活動が発生した場合等には、臨時会議を開催することとしており、これまでに2000年6月末から始まった三宅島から新島・神津島にかけての地震活動、2000年10月の鳥取県西部地震等について現在(平成12年11月末)までに16回の臨時会議を行い、地震活動の現状や推移について評価を行ってきております。
2.長期評価部会
 
 長期評価部会においては、「地殻変動、活断層、過去の地震等の資料に基づく地震活動の特徴の把握」に関すること及び「長期的な観点からの地震発生可能性の評価手法の検討と評価の実施」に関することを審議しています。
 地震活動の特徴の把握では、国民一般へ地震に関する知識を普及・啓発することを目的として、これまでに得られている地震に関する知見をもとに各地域毎の地震活動の特徴について検討し、地震調査委員会は、本部会が平成9年8月に取りまとめた「日本の地震活動−被害地震から見た地域別の特徴−」を報告書として公表しました。また、平成11年3月にはその後の評価結果等を取り込んだ追補版をとりまとめ公表しました。
 また、長期的な観点からの地震発生可能性の評価に関しては、定量的な評価の可能性を含めて本部会で検討しております。その一環として本部会では、活断層について従来設置していた活断層分科会について、平成12年3月より評価作業の加速化のため、北日本活断層分科会・中日本活断層分科会・西日本活断層分科会の3つに増強した上で、わが国の活断層の評価を順次進めており、東京湾北縁断層など、これまで8断層帯について6つの評価を取りまとめました。また、海域で発生する大地震についても評価作業を進めており、これまでに宮城県沖地震の長期評価について取りまとめました。そして、本部会の審議結果を元に、地震調査委員会は、同委員会の評価結果として次の報告書を公表しております。
 また、長期確率評価手法検討分科会では、海域や活断層で発生する大地震について、活動間隔、平均ずれ速度、最新活動時期、活動区間等のパラメータを用いて、長期的に見たその発生可能性を確率という数字で評価する手法を検討し、平成10年5月に試案として公開し、意見募集を行い、再検討しました。そして、部会は修正を加え、平成11年1月に改訂試案として検討結果を公表しました。
3.強震動評価部会
 強震動評価部会は、平成11年10月に設置され、強震動予測手法の検討、地盤構造データの総合評価、及び強震動の予測の実施に関することについて審議を行っております。また、本部会の下に強震動予測手法の構成要素及び総合特性の審議の促進・効率化のために強震動予測手法検討分科会を設置しています。