3月14日 三陸沖の地震



2012年3月14日18時08分に三陸沖でM6.9の地震(最大震度4)が発生した。この地震は陸のプレートの下に沈み込む前の太平洋プレート内部で発生した。発震機構(CMT解)は南北方向に張力軸を持つ正断層型である。
気象庁はこの地震の発生に伴い、同日18時12分に青森県太平洋沿岸と岩手県に対して津波注意報を発表した。また、18時35分には北海道太平洋沿岸東部と北海道太平洋沿岸中部に対しても津波注意報を発表した(19時40分にすべて解除)。この地震により、青森県の八戸港で21cmなど、北海道から東北地方北部にかけての太平洋沿岸で津波が観測された。
この地震の発生後、震央付近(領域a)では、同日19時49分にM6.0の地震(最大震度3)が発生するなど活発な余震活動が発生したが、2012年3月末現在、余震活動は次第に低下している。
1997年10月以降の活動を見ると、領域aでは今回の地震までM5.0を超える地震は発生していなかった。

1923年8月以降の活動を見ると、三陸沖の海溝付近及びその東側(領域b)では、これまでにもM6.0を超える地震が発生している。
1933年3月3日にはM8.1の地震(昭和三陸地震)が発生し、死者・行方不明者3,064人の被害を生じた。この地震では地震動による被害は少なかったものの、津波により北海道から三陸の沿岸で大きな被害が出た。観測された津波の最大の高さは、岩手県綾里湾の28.7m(波の高さ)である。(津波の高さ及び被害は「最新版 日本被害地震総覧」による。)


気象庁
平成24年4月10日第237回地震調査委員会資料 『2012年3月の地震活動の評価』