平成22年1月12日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2009年12月の伊豆半島東方沖の地震活動の評価

○ 12月17日頃から伊豆半島東方沖で地震活動が始まり、20日頃まで活発な活動が続き、それ以降は次第に低下し、現在では活動以前の状態に戻ってきている。これらの震源は主として、汐吹崎付近を中心とした東西約4kmの範囲にあり、概ね深さ3〜8kmに分布している。今回の活動における最大の地震は18日08時45分頃に発生したマグニチュード(M)5.1の地震(最大震度5弱)であった。最大地震をはじめ、多くの地震の発震機構は概ね北西−南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型であり、従来からこの付近にみられるものと同様である。

○ GPS観測の結果によると、今回の活動に伴い、小室山観測点が南南西方向に約4cm移動するなど伊豆半島東部沿岸を中心に地殻変動が観測されており、推定される変動源の位置は汐吹崎付近の活動域と概ね一致している。また、周辺の歪計、傾斜計、地下水位等でも変化が観測されており、これらの観測結果は主として変動源での地殻の膨張を示すものと考えられる。なお、今回の活動に対応する観測値の変化はほぼ落ち着いた状態となっている。

○ 伊豆半島東方沖では、1978年以降、群発地震活動とそれに関連した地殻変動が繰り返し観測されており、今回は2006年4月〜5月の活動以来の活発な活動である。今回の特徴として、過去の活動と比較して活動の減衰が比較的早いこと、また1993年5〜6月の活動とほぼ同じ領域で発生したこと、が挙げられる。