平成21年9月10日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2009年8月11日駿河湾の地震活動の評価

○ 8月11日05時07分頃に駿河湾の深さ約25kmでマグニチュード(M)6.5の地震が発生した。この地震により静岡県で最大震度6弱を観測し、被害を伴った。また、御前崎市で0.4mなど、駿河湾から東海地方の太平洋沿岸にかけて津波を観測した(第200回地震調査委員会評価文「2009年8月11日駿河湾の地震活動の評価」参照)

○ 地震活動は本震−余震型で推移しており、徐々に減衰してきている。余震は北西−南東方向に約20kmにわたり分布し、本震は余震分布の南東側に位置している。また、余震は北西側では北東傾斜、南東側では南傾斜に分布している。これまでの最大の余震は13日18時11分頃に発生したM4.5の地震である。

○ 本震の発震機構は、圧力軸が北北東−南南西方向の、横ずれ成分をもつ逆断層型であった。震源の深さ、発震機構及び余震分布からみて、今回の地震はフィリピン海プレート内部で発生した地震である。

○ GPS観測及び水準測量の結果によると、今回の地震に伴い、焼津A観測点(静岡県)が約1cm西に移動するなど駿河湾周辺で小さな地殻変動が観測されている。GPSで観測された地殻変動からは、震源断層は北西側、南東側のいずれも横ずれ成分をもつ逆断層であったと推定され、発震機構や余震分布と調和的である。

○ 今回の地震は、想定東海地震の想定震源域の近くで発生しているが、フィリピン海プレート内で発生した地震であり、想定東海地震とは異なるメカニズムで発生した地震である。なお、気象庁によると、想定東海地震に直ちに結びつくような地殻変動は認められていない。

(下線部は第200回地震調査委員会評価文から追加・修正された部分)