遠地実体波解析 − 9月26日十勝沖地震(Mj8.0)
発生時刻:03/09/26 04:50(JT)
震央:41.78°N 144.079°E
深さ:42km
M:8.0
●データ処理:IRIS−DMCから収集した広帯域地震計記録(P波上下動20とSH波4)を用いて解析しました。
●結果:破壊開始点として気象庁の震源を仮定して解析を行いました。その結果を図に示します。主な震源パラメータは次のとおりです。
走向、傾斜、すべり角 = (230, 20, 109)
地震モーメント Mo = 1.0 x10**21 Nm (Mw = 8.0)
破壊継続時間(主破壊) T = 40 s
深さ H = 25 km
断層面積 S = 90 km x 70 km
食い違い Dmax = 5.8 m Dmean = 2.6 m
応力降下 Δσ = 5.0 MPa
●解釈その他:北東−南西走向、北西傾斜面の低角逆断層です。千島海溝から沈み込む太平洋プレート上面で起こったプレート間地震と考えられます。
ちょうどここでは1952年にMj=8.2の地震が起こっています。下図は今回の地震のアスペリティと1952年のアスペリティをコンターで示したものです。1952年の地震についてはデータが少ない上、記録が振り切れてしまっているため地震の全体像は波形解析からはわかりませんでしたが、どうも今回は1952年のアスペリティ(の1つという可能性もある)と同じところが動いたようです。