平成15年3月12日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会


2003年2月の地震活動の評価


1 主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

○ 2月19日に留萌支庁南部の深さ約220kmでマグニチュード(M)6.1の地震が発生した。 補足説明へ

(2) 東北地方

○ 2月16日に福島県沖の深さ約60kmでM5.0の地震が発生した。 補足説明へ

(3) 関東・中部地方

○ 2月11日に福井県嶺北地方の深さ約5kmでM4.0の地震が発生した。

○ 東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。 補足説明へ

(4) 近畿・中国・四国地方

○ 2月6日に京都府南部の深さ約15kmでM4.5の地震が発生した。 補足説明へ

(5) 九州・沖縄地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ




補足

○ 3月3日に福島県沖(2月16日の地震の震央から北東に約70km離れたところ)の深さ約40kmでM5.8の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 3月4日に愛知県東部の深さ約30kmでM4.1の地震が発生した。



2003年2月の地震活動の評価についての補足説明

平成15年3月12日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は42回(1月は41回、2000年末までの30年間の月平均は約46回)観測された。M5.0以上の地震の発生は5回(1月は5回)であった。
また、M6.0以上の地震の発生は、1998〜2002年の間で、年に平均15回(2000年までの30年間の年平均は約16回)発生している。2003年2月にはM6.0以上の発生は1回。
2002年2月以降2003年1月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

−茨城県沖2002年2月12日M5.5(深さ約50km)
−石垣島南方沖2002年3月26日M6.6(深さ約10km)
−台湾付近2002年3月31日M7.0
−青森県東方沖2002年10月14日M5.9(深さ約50km)
−宮城県沖2002年11月3日M6.1(深さ約45km)
−日向灘2002年11月4日M5.7(深さ約35km)

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2 各地方別の地震活動

(1) 北海道地方

北海道地方では、特に補足する事項はない。

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(2) 東北地方

東北地方では、特に補足する事項はない。

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(3) 関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2003年2月に入っても継続している。但し、変化が加速している様子はない。
(なお、本評価結果は、2月24日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成15年2月24日気象庁地震火山部)

「東海地域の地殻内の地震活動は平常レベルです。フィリピン海プレート内はやや地震が多くなっています。
東海地域及びその周辺において、一昨年からの長期的な地殻変動が依然継続しています。その原因となるプレート境界のゆっくり滑りの状況に特段の変化は見られません。
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。」


関東・中部地方では、他に次の地震活動があった。

−2月14日に鹿島灘の深さ約55kmでM4.7の地震が発生した。
−2月12日に三宅島近海の深さ約15kmでM4.7の地震が発生し、三宅島で最大震度4を観測した。2000年夏の活動以後、三宅島で震度4を観測したのは2000年8月23日以来である。この地震の後、地震活動が一時的に活発となったが、2月下旬にはほぼ地震発生前の状態に戻っている。

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(4) 近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。

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(5) 九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では、特に補足する事項はない。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上のもの。又は、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。