平成13年12月12日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

森本・富樫断層帯の評価


 森本・富樫断層帯は、金沢平野の南東縁に発達する活断層帯である。ここでは、平成8−10年度に石川県によって行われた調査をはじめ、これまでこの断層帯に関して行われた調査研究成果に基づいて、この断層帯の諸特性を次のように評価した。

1 断層帯の位置及び形態

森本・富樫断層帯は、石川県河北郡津幡町(つばたまち)から金沢市を経て石川郡鶴来町(つるぎまち)に至る、長さ約26kmの断層帯で、断層帯の東側が西側に乗り上げる逆断層である(図1、2及び表1)。

2 断層帯の過去の活動 

森本・富樫断層帯では、過去数十万年間−数万年間においては、平均的な上下方向のずれの速度が概ね1m/千年程度であった可能性がある。この断層帯の,最新の活動は、約2千年前以後、約2百年前以前にあったと考えられる。本断層帯の1回の活動によるずれの量は概ね2m程度(上下成分)であった可能性がある。平均的な活動間隔について直接的なデータは得られていないが、約2千年程度であった可能性がある(表1)。

3 断層帯の将来の活動 

森本・富樫断層帯では、断層帯全体が一つの区間として活動すると推定され、マグニチュード7.2程度の地震が発生すると推定される(表1)。過去の活動が十分に明らかではないため信頼度は低いが、本断層帯の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は表2に示すとおりである。本評価で得られた地震発生の長期確率には幅があるが、その最大値をとると、本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになる(注1、2)。

4 今後に向けて

森本・富樫断層帯では、主断層の活動並びに最新活動時期や平均活動間隔を評価できる信頼度の高いデータは得られていないため、これらの過去の活動履歴を明らかにする必要がある。

表1 森本・富樫断層帯の特性

表2 将来の地震発生確率等

注1: 我が国の陸域及び沿岸域の主要な98の活断層帯のうち、2001年4月時点で調査結果が公表されているものについて、その資料を用いて今後30年間に地震が発生する確率を試算すると概ね以下のようになると推定される。
 98断層帯のうち約半数の断層帯:30年確率の最大値が0.1%未満
 98断層帯のうち約1/4の断層帯:30年確率の最大値が0.1%以上−3%未満
 98断層帯のうち約1/4の断層帯:30年確率の最大値が3%以上
(いずれも2001年4月時点での推定。確率の試算値に幅がある場合はその最大値を採用。)
この統計資料を踏まえ、地震調査委員会の活断層評価では、次のような相対的な評価を盛り込むこととしている。
今後30年間の地震発生確率(最大値)が3%以上の場合:
「本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになる」
今後30年間の地震発生確率(最大値)が0.1%以上−3%未満の場合:
「本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属することになる」
注2: 1995年兵庫県南部地震、1858年飛越地震及び1847年善光寺地震の地震発生直前における30年確率及び集積確率(このうち、1995年兵庫県南部地震、1858年飛越地震については「長期的な地震発生確率の評価手法について」(地震調査研究推進本部地震調査委員会,2001)による暫定値)は以下のとおりである。


「長期的な地震発生確率の評価手法について」に示されているように、地震発生確率は前回の地震後、十分長い時間が経過しても100%とはならない。その最大値は平均活動間隔に依存し、平均活動間隔が長いほど最大値は小さくなる。平均活動間隔が2千年の場合は30年確率の最大値は10%程度である。
注3: 信頼度は、特性欄に記載されたデータの相対的な信頼性を表すもので、記号の意味は次のとおり。 ◎:高い、○:中程度、△:低い
注4: 文献については、本文末尾に示す以下の文献。
 文献1:石川県(1997)
 文献2:石川県(1998)
 文献3:石川県(1999)
 文献4:活断層研究会(1991)
 文献5:地震調査研究推進本部地震調査委員会(2001)
 文献6:中川ほか(1996)
 文献7:佐藤・高山(1988)
 文献8:寒川(1986)
 文献9:東郷ほか(1998a)
 文献10:東郷ほか(1998b)
 文献11:宇佐美(1996)
注5: 評価時点はすべて2001年1月1日現在。「ほぼ0%」は10−3%未満の確率値を示す。なお、計算に当たって用いた平均活動間隔の信頼度は低い(△)ことに留意されたい。
注6: 最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間を、平均活動間隔で割った値。最新の地震発生時期から評価時点までの経過時間が、平均活動間隔に達すると1.0となる。今回の評価の数字で、0.1は201年(西暦2000年−西暦1799年)を2000年で割った値であり、1.0は2000年を2000年で割った値。
注7: 前回の地震発生から評価時点までに地震が発生しているはずの確率。

    

(説明)

1.森本・富樫断層帯に関するこれまでの主な調査研究

森本・富樫断層帯について、望月(1930a,b)は、金沢平野とその南東側の丘陵とを境する直線上線状の急崖を認め、それに沿って地層が急傾斜していることを示した。その後の地質調査によって、急傾斜する地層は、第四紀・前期更新世の大桑累層、前期更新世末−中期更新世の卯辰山層などであることが明らかにされてきた(今井,1959;坂本,1966;別所ほか,1997;楡井,1969,佐藤・高山,1988)。中川ほか(1996)は、金沢平野の地下地質をとりまとめ、この断層帯による卯辰山層の上下変位量が最大600m以上に及ぶことを示した。

この断層帯の第四紀後期の活動について、三崎(1980)及び活断層研究会(1980)は、森本断層及びその南方延長部で中−低位段丘面を変位させていることを見いだし、その活動度をB級とした。その後、東郷ほか(1998a,b)は、この断層帯の位置を詳しく記載するとともに、断層の平均変位速度が1m/千年以上であること、及び沖積面にも低断層崖や撓曲崖が分布することを明らかにした。

石川県(1997,1998,1999)は、浅層反射法弾性波探査とボーリング調査等によって、この断層帯の地下地質構造を明らかにし、さらにトレンチ調査等によって第四紀完新世における活動の解明を試みた。断層帯を構成する副断層のトレンチ調査では、完新世における複数回の活動が推定された(石川県,1997,1998,1999)。

また、この断層帯付近では1799年の金沢の地震によって大きな被害を受けたことが知られている。その被害分布に基づき、寒川(1986),は、この地震が森本断層の活動によるものであることを指摘した。

2.森本・富樫断層帯の評価結果

2−1.断層帯の位置・形態

(1)森本・富樫断層帯を構成する断層

森本・富樫断層帯は、金沢平野とその東部の砺波丘陵(宝達丘陵南部)との境界に沿い、石川県河北郡津幡町(つばたまち)から金沢市を経て石川郡鶴来町(つるぎまち)に至る断層帯である(図2)。この断層帯の位置・形状については、活断層研究会(1991)が「新編日本の活断層」に示したが、それらは東郷ほか(1998a)の「都市圏活断層図」、及び東郷ほか(1998b)によりさらに詳しく示された。

この断層帯は、森本断層、野町断層及び富樫断層により構成され、松田(1990)の基準にしたがえば、一つの起震断層を構成しているとみなされる。断層帯全体の長さは約26kmである。 森本断層は、石川県津幡町付近から金沢市北部にかけて分布する長さ11kmの断層、野町断層は金沢市市街地付近に分布する長さ9kmの断層、富樫断層は金沢市南部から鶴来町付近にかけて分布する長さ7kmの断層である。これら三つの断層は、雁行しながら概ね北北東−南南西方向に連続して分布し、いずれも断層線の東側に幅500m程度以上の第四紀中−後期の地層及び段丘面の撓曲構造をともなっている。また、断層に沿っては、第四紀完新世の地形面が断層や撓曲によって変位している(東郷ほか,1998a,b)。

なお、野町断層の東側に付随する断層として、北東−南西走向で長さ2.5kmの長坂撓曲と、東北東−西南西走向で長さ2.5kmの野田山撓曲がある。

(2)断層面の位置,・形状

地下の断層面の位置及び形状は、地表における断層帯の位置及び形状と地下の地質構造等から推定した。

断層面の位置及び一般走向は、北北東−南南西走向の一つの断層面で近似する。

断層面上端の深さは、断層による変位が地表に達していることから0kmとする。断層面の傾斜と深部形状については十分な資料がない。ただし、断層面下端の深さは、地震発生層の下限である15km程度と推定される。

(3)断層の変位の向き(ずれの向き)(注8)

 森本・富樫断層帯は、中川ほか(1996)、石川県(1997,1998,1999)及び東郷ほか(1998a,b)に示される地質構造、変位地形や反射法弾性波探査結果(図3)からみて、断層帯の東側が西側に対して相対的に隆起している。また断層線の東側で隆起側に膨らみを伴う撓曲構造があることから、東側が西側に乗り上げる逆断層と考えられる。

2−2.断層帯の過去の活動

(1)平均変位速度(平均的なずれの速度)(注8)

森本・富樫断層帯によって、約80万年前以後(佐藤・高山,1988)の第四紀前期更新世の末−中期更新世に堆積した卯辰山層が大きく変位している。卯辰山層基底面は、断層帯東側の宝達丘陵では標高約100m以上に分布し、また西側の金沢平野では深さ400−500mに分布している(中川ほか,1996)。したがって、卯辰山層が堆積を始めた約80万年前以後の上下変位量は500−600m以上であり、断層帯の平均変位速度は、0.6−0.75m/千年(上下成分)以上と考えられる

第四紀の中期末−後期の平均変位速度については、変位基準となる地形面の年代が正確に知られていないことから、信頼度の高い値は得られていない。しかし、野町撓曲(野町断層)では、約20万年前に形成された可能性のある高位段丘面が約100m以上、約2万年前に形成された可能性がある低位段丘面が約20m以上、それぞれ上下に変位している(東郷ほか,1998b)。

さらに、約7千年前以後の縄文海進時に形成された可能性がある沖積面には、断層近くの幅数十mの範囲に限っても2−3mの上下変位が認められている(東郷ほか,1998b)。撓曲帯の幅が数百mにも及ぶことから、断層帯全体では、この沖積面の変位量はさらに大きい可能性がある。

以上のことから、森本・富樫断層帯の第四紀中−後期における平均変位速度は、およそ1m/千年程度である可能性があると判断する。

(2)活動時期

a)地形・地質的に認められた過去の活動

金沢市梅田付近では、森本断層東側の撓曲帯(東郷ほか,1998a)においてボーリング調査が実施されている(石川県,1997,1998)。ここでは、それらのデータから、東西約500m区間において約8千年前以後(石川県,1998)に離水した沖積面が緩く西傾斜を示すと推定される。断層線から約250m東側の撓曲帯中の副断層群においては、遺跡発掘調査によって断層変位地形と推定される遺構面の段差が発見され、石川県(1997,1998,1999)がトレンチ調査を実施している(梅田北地点及び梅田南地点;図4−図7)。

梅田北地点において石川県(1997,1998)が実施したトレンチ調査では、西上がりの逆断層が認められた(図5)。この断層は、変位のセンスが東上がりの断層帯全体とは逆であり、主断層に対する共役性の副断層と考えられる。この副断層では、遺跡面(図4)を構成する弥生時代後期後半(約2千年前)と考えられる地層が、西傾斜約35−40°の断層によって約1m西上がりに変位していることが確認された。また、トレンチ掘削地点付近では、この副断層の延長部を横切る,弥生時代後期後半の遺構(水路跡;SD−109)は、断層を境に西側が約50cm高くなっているが、同時代のそれより上位の遺構(水路跡;SD−112)には変位が認められない(石川県,1997,1998;図4)。また、断層を横切る古墳時代前期の水路跡は変位していない(石川県,1997,1998)。なお、このトレンチでは、約5千年前の堆積物の上下変位も西上がりに約1mであり、約2千年前の地層の変位量と同じであった。

したがって、この副断層では約5千年前以後に1回の活動しか生じておらず、最新の活動は約2千年前にあったと考えられる。

梅田南地点では、石川県(1999)が別の副断層においてトレンチ調査を実施している。この地点では、遺跡発掘調査によってより、弥生時代以前の遺構面に、東北東−西南西方向に延びる幅約10m、比高約1mの丘陵側隆起、平野側沈降の撓曲崖状の地形が見られた(石川県,1999)。掘削されたトレンチでは、東傾斜20−30°の逆断層が確認され、断層を水平に覆う約7千年前のs層堆積より前に断層変位があったことが推定された(図6、7)。

b)先史時代・歴史時代の活動

1799年の金沢の地震(M6.0±1/4;宇佐美,1996)では、森本断層付近から野町撓曲付近、及びそれらの北西側の海岸付近で被害が大きかったことが知られている(寒川,1986)。また石川県(1997)は、古文書の記述から、野町断層北部の現在の金沢市小坂町付近で、地震に伴って撓曲変位が生じた可能性を指摘している。宇佐美(1996)は、震度5の地域は半径12kmの範囲であったとして、この地震の規模をM6.0±1/4と求めている。この地震の規模と、後述の経験式(1)から推定される地震断層の長さ(10km程度)から判断すると、1799年の地震では森本・富樫断層帯の一部が活動した可能性は否定できない。ただし、このようなマグニチュード6.0程度の地震については、活断層調査による評価は一般的に困難である。

このほか、遺跡発掘調査等によって、森本断層付近の堅田遺跡では鎌倉時代の遺構面を切る噴砂跡が、また、金沢市西方の日本海沿岸の倉部遺跡では弥生時代後期後半の噴砂跡が発見されている(石川県,1997,1998)。

森本・富樫断層帯では、副断層の活動履歴から、約2千年前に活動があったと考えられるが、この活動がこの断層帯の最新活動であったかどうか明らかではない。しかし、少なくともこの断層帯の最新活動は、約2千年前以後にあったと考えることができる。また、少なくとも1799年の金沢の地震より後に、この断層帯付近で大きな地震は起こっていない。

以上のことから、森本・富樫断層帯の最新の活動時期は、約2千年前以後、約2百年前以前であったと考えられる。

(3)1回の変位量(ずれの量)(注8)

梅田北地点においては、約2千年前に起こった活動に伴う逆向き副断層の上下変位量が、約1mであったと考えられる。幅広い撓曲帯を伴う森本・富樫断層帯全体の1回の変位量は明らかではないが、少なくとも副断層の変位量である上下成分約1mよりも大きいものと推定される。

この断層帯の長さは約26kmであることから、松田(1975)の次の経験式に基づくと、1回の変位量は上下成分2m程度であった可能性がある。

Log L = 0.6 M − 2.9  (1)

Log D = 0.6 M − 4.0  (2)

ただし、Lは1回の地震で活動する断層の長さ(km)、Dは断層の変位量(m)、Mは地震のマグニチュード。

(4)活動間隔

森本・富樫断層帯の活動間隔を直接示すデータはない。しかし、断層帯の長さから推定される1回の変位量(上下成分2m程度)と、第四紀中−後期の平均変位速度(上下成分1m/千年程度)から計算した値に基づくと、活動間隔はおよそ2千年程度であった可能性がある。

(5)活動区間及び地震の規模

森本・富樫断層帯を構成する森本・野町・富樫の各断層はいずれも互いに連続して分布していることから、松田(1990)の定義にしたがって一つの起震断層とみなし、それらは一つの活動区間として同時に活動したと仮定する。また、この断層帯の長さは26kmであることから、経験式(1)に基づくと、地震の規模はマグニチュード7.2程度であった可能性がある

(6)測地観測結果

森本・富樫断層帯の周辺では、最近約100年間及び約10年間は北西−南東方向の縮みが観測されている。最近約3年間のGPS観測結果からも、北西−南東方向の縮みが認められている。

(7)地震観測結果

森本・富樫断層帯付近は、最近の20年間の観測期間においては地震活動が比較的低調である。断層帯周辺地域で発生した地震を参考にすると、本断層帯付近における地震発生層の下限は15km程度と推定される。

2−3.断層帯の将来の活動

(1)活動区間と活動時の地震の規模

森本・富樫断層帯は、断層帯全体(長さ26km)が一つの活動区間として活動すると推定できることから、上述の経験式(1)によると、そこから発生する地震の規模はマグニチュード7.2と計算される。

したがって、森本・富樫断層帯で発生する地震の規模はマグニチュード7.2程度の可能性がある。

(2)地震発生の可能性

 森本・富樫断層帯の平均活動間隔はおよそ2千年程度の可能性があり、最新の活動時期は約2千年前以後、約2百年前以前であったと推定される。この断層帯では、最新活動後、評価時点(2001年)までの経過時間は約2百年−約2千年で、平均活動間隔の1−10割の時間が経過していることになる。また、平均活動間隔は信頼度が低く、最新活動時期も幅の広い範囲でしか得られていないことに十分留意する必要があるが、地震調査研究推進本部地震調査委員会(2001)に示された手法(BPT分布モデル、α=0.24)によると、今後30年以内、50年以内、100年以内、300年以内の地震発生確率は、それぞれ、ほぼ0%−5%、ほぼ0%−9%、ほぼ0%−20%、及びほぼ0%−50%となる。また、現在までの集積確率は、ほぼ0%−50%となる(表3)。本評価で得られた将来の地震発生確率には幅があるが、その最大値をとると、本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになる。表3にこれらの確率値の参考指標(地震調査研究推進本部地震調査委員会長期評価部会,1999)を示す。

2−4.今後に向けて

森本・富樫断層帯では、完新世に複数回の断層活動があった可能性があるが、最新の活動時期を含む活動時期や1回の変位量などは、十分に解明されていない。また、断層帯の平均的な活動間隔についても信頼度の高いデータは得られていない。このため、これらの過去の活動履歴を明らかにすることが必要である。



注8: 「変位」を、1頁の本文及び4頁の表1では、一般にわかりやすいように「ずれ」という言葉で表現している。ここでは専門用語である「変位」が本文や表1の「ずれ」に対応するものであることを示すため、両者を併記した。以下、文章の中では「変位」を用いる。なお、活断層の専門用語では、「変位」は切断を伴う「ずれの成分」と切断を伴わない「撓(たわ)みの成分」よりなる。
注9:

10,000年BPよりも新しい炭素同位体年代については、Niklaus(1991)に基づいて暦年補正した値を用いた。西暦紀元以後の年代については暦年補正値のうち1σの推定幅の上限値もしくは下限値、また紀元より前の年代についてはcalibrated ageの年代値を用いた。



文 献

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表3 地震発生確率及び参考指標

注10: 評価時点はすべて2001年1月1日現在。「ほぼ0%」は10−3%未満の確率値を、「ほぼ0」は10−5未満の数値を示す。なお、計算に用いた平均活動間隔の信頼度は低い(△)ことに留意されたい。


指標(1)経過年数 :当該活断層があることによって大地震発生の危険率(1年間当たりに発生する回数)は最新活動(地震発生)時期からの時間の経過とともに大きくなる(ここではBPT分布モデルを適用した場合を考える。)。一方、最新活動の時期が把握されていない場合には、大地震発生の危険率は、時間によらず一定と考えざるを得ない(ポアソン過程を適用した場合にあたる。)。この指標は、BPT分布モデルによる危険率が、ポアソン過程を適用した場合の危険率の値を超えた後の経過年数である。マイナスの値は、前者が後者に達していないことを示す。後者の危険率は2千分の1(0.0005)回であり、時間によらず一定である。前者は評価時点でほぼ0−5百分の1(0.002)回であり、時間とともに増加する。ほぼ0であれば前者が、後者の回数に達するには今後1千2百年を要するが、5百分の1 であれば前者が後者の回数に達してから6百年が経過していることになる。
指標(1)比 :最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間をAとし、BPT分布モデルによる危険率がポアソン過程とした場合のそれを超えるまでの時間をBとする。前者を後者で割った値(A/B)。
指標(2) :BPT分布モデルによる場合と、ポアソン過程とした場合の評価時点での危険率の比。
指標(3) :評価時点での集積確率(前回の地震発生から評価時点までに地震が発生しているはずの確率)。
指標(4) :評価時点以後30年以内の地震発生確率をBPT分布モデルでとりうる最大の確率の値で割った値。
指標(5) :ポアソン過程を適用した場合の危険率(1年間あたりの地震発生回数)。