2.意見にもとづいて長期評価部会が検討した事項

 
(1)試案の位置づけ
  長期的な地震発生確率の評価手法の開発が、どういう位置づけなのか分からないという趣旨の意見をいただきました。3節で地震調査委員会における長期評価の考え方をあらためて述べます。これは試案の「はじめに」で述べられている内容を補強したものです。
 
 
(2)データセットの日付計算の誤りと精度
  西暦0年がないことを考慮していないために、計算に誤りを生じているという趣旨の指摘を受け、全データの日付に関する計算を検算すべく作業しました。この過程において、データのうちプレート間地震では地震発生年月日の 0.1年未満の端数が計算結果に及ぼす影響はほどんど無視できることがわかりました。陸域の活断層で発生する地震については年未満の端数について、同様でした。
 1582年の改暦以前については、ユリウス暦で表記することが国際的には普通であるため、このような時期に起きた地震の発生日を断りなくグレゴリオ暦で表記することは好ましくないという趣旨の意見を頂きました。長期評価部会では、現行のグレゴリオ暦に換算した暦を用いて表記し、その旨を注記することにしました。
 なお、計算上用いた「現在」の日付に不統一がありましたので、「現在=1999.0年」に統一して再計算しました。
 
 
(3)図、用語
  意見の趣旨に添って、必要なパラメータがわかっていれば確率を容易に計算できる図を付録B.1に追加しました。

 その他の図表・用語も、使いやすいか、分かりやすいものになっているか、という観点で見直しました。改訂試案では、試案の段階での不適切あるいはわかりにくい表現をしているものをいくつか修正しましたが、試案全体の論旨は変わっていません。






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