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  1. 地震・津波の知識
  2. コラム
  3. 地震調査研究成果の普及展開方策に関する調査について

地震調査研究成果の普及展開方策に関する調査について

 政府の地震調査研究の成果について、一般国民や地方自治体の担当者がどのような認識を持っているか、また、どのようなニーズがあるかを把握するため、地震調査研究推進本部(地震本部)では、平成26年2月から3月にかけて、アンケート調査及びヒアリング調査を行いました。地震本部では、平成25年に地震調査委員会の下に津波評価部会を立ち上げ、津波の長期的な評価を行っていることから、津波についての意識にも重点を置いて調査しました。

1.一般国民へのインターネット調査

 全国の16歳以上の方を対象に、2,000人のサンプル調査を行いました。
 地震や津波による災害や防災対策に、現在どの程度関心を持っているかを尋ねたところ、「大いに関心がある」と「まあ関心がある」で合わせて84.1%となるなど、比較的関心は高かったものの、平成24年度の同様の調査結果(91.1%)と比べると関心の低下が見られました。
 地震本部の成果としては、「確率論的地震動予測地図」をわかりやすいと答えた人の割合は7割弱に及び、一定の評価を得ています。しかし、確率での表現が理解を難しくしているという点も浮き彫りになったほか、30年という期間が長すぎると考える人が多いことも明らかになりました。同様に、活断層及び海溝型地震の長期評価結果についても、6割を超える人がわかりやすいと回答しているものの、確率での表現は課題となっています。
 また、自宅等の過去の津波被害の認知は23.9%にとどまりましたが、75.9%の人がこのことを「知りたい」と答えています。特に、「どこまで浸水したか」(72.4%)、「津波の高さ」(69.9%)といった情報が求められています。また、将来的に襲来する可能性のある津波の情報については、89.1%の人が知りたいと答えています。

図1

図1 地震や津波による災害や災害対策に、現在どの程度関心を持っているか
   (一般国民アンケート結果)

図2

図2 地震本部の成果のわかりやすさについて(一般国民アンケート結果)

2.地方自治体へのアンケート調査

 全国の地方自治体の防災対策部局を対象とし、319の自治体に調査票を発送し、188自治体から回答を得ました。
 地震本部の地震調査研究成果は、「住民向けの広報・啓発」、「地域防災リーダー向けの研修会等」、「地域防災計画の策定」などでの利用が目立ちます。さらに、研修会や広報・啓発、BCP(事業継続計画)策定支援で今後の利活用を検討したいという回答も多くありました。ただ、地震動予測地図や長期評価結果といった地震本部の成果は、8割以上の自治体で周知・共有されていないことが明らかになりました。
 津波の情報に対するニーズは高く、事前の予測段階でも、大きな地震の発生直後でも、ほとんどの自治体で、各地点での津波の到達時刻や、最大の沿岸波高といった情報が求められていることがわかりました。また、地震発生直後でも市区町村レベルに細分化された情報を求める回答が7割を超えました。

図3

図3 地震発生の恐れがある
   地震発生直後に必要な情報(自治体アンケート結果)

3.自治体へのヒアリング調査

 東北地方太平洋沖地震の津波被災地や、南海トラフで巨大地震が発生した際に津波被害が予想される自治体を含む、23の自治体にヒアリングを行いました。
 国や研究機関が発表する情報は、防災意識の啓発などに役立てられています。一方で、地震や津波の予測結果については自治体のデータ使用者でそれを十分理解する必要があることなども指摘されました。
 政府としての地震調査研究については市町村レベルでは取り組めないものであり、そのような調査研究へのニーズは高いと言えます。一方で、説明可能性や訴求力の面で使用しづらい情報もあると指摘されました。今後も、訴求力のある情報を、誤解を招くことなく提供することが求められています。また、その利活用方法をすべて自治体に委ねるのではなく、その発信・伝達方法の方向性まで示すことへの要望もありました。
 津波の評価については、住民の方への説明が難しい確率表示よりも、地震を特定した予測(シナリオ型)に肯定的な考えが目立ちました。また、地震発生直後の情報では、何よりも情報の速さが求められており、そのためには空振りもやむを得ないという意見が多く出されました。さらに、南海トラフ沿岸の自治体では、これまで「東南海地震」、「南海地震」などの固有の地震で被害想定や住民啓発を行っているため、多様な地震を想定した評価を効果的に活用していくには、より丁寧な説明が求められるようです。

4.まとめ 

 国民や自治体は総じて、自分の住む地域がどのような被害を受ける可能性があるかについて関心が高いと言えます。地震本部の成果や考え方については一定の理解が得られているものの、その利活用法は課題となっています。特に、確率を理解することの難しさ、30年という期間の長さが、効果的な利活用を難しくしている面があります。また、南海トラフ沿岸自治体では、これまで固有の地震に対して対策を立ててきた面があり、シナリオの多様性を説明しながら対策を進めていく難しさもあるようです。今後も地震本部は、自治体や国民にわかりやすい形で情報を提供していく必要があります。
そのほか、防災教育も含め、情報の伝達方法についてさらに研究を進めていくことが望まれています。 また、インターネットの有効な活用法など、情報の提供方法を改善し、地震本部の成果に対する認知度を高めていく努力も求められています。

 これらのアンケート調査結果は、各委員会、部会等で行う様々な検討にも活用し、地震本部の成果の普及展開方策の改善を行っていきます。
 本調査にご協力いただいた国民の皆さま、自治体の皆さまにお礼申し上げます。

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