6−1 余震の情報を上手に利用しよう

余震の情報を聞いて、その発生確率をどう受け止めればよいのでしょうか?

降水確率では、10%では「まず雨は降らないから傘は持たない」と考え、30%になると「降られそうだから傘を持とうか」と考えることが多いでしょう。

余震では「マグニチュード(M)6.0以上の余震が今後3日間に起きる確率は10%」と発表された場合、10%では数字が小さいから「まず起きないだろう。安心だ」と軽視し、30%になったら「危険だから警戒しよう」と考えるとしたら、誤りです。3日間で10%というのは、一見小さい確率のようですが、表2を見ると、M6.0以上の地震が3日以内に半径50km以内に起きる確率はふだんは0.01%ですから、ふだんの何百倍あるいは何千倍もの確率であることが分かります。また、数字は小さく10%でも、ひとたび起きれば、思わぬ被害が出る恐れがあり、場合によっては死傷者が出るかもしれません。「傘を持たずに外出して雨に降られて濡れてしまった」とは比較にならないことを思い起こす必要があります。

では余震の確率をどのように利用したらいいのでしょうか?

例えば、自宅が被害を受けて避難所に避難していて、自宅に生活用品などを取りに行きたいとき、余震発生の確率が高いときは危険ですから、よほど緊急でなければ、確率が低くなるまで待つべきでしょう。

表2 日本国内のふだんの地震発生確率