3−3 余震の性質

余震の起き方には、次のような性質があります。

[1]余震の数は本震直後に多く、時間とともに次第に少なくなっていきます。10日目に約10分の1に減り、100日目には約100分の1になります。減衰の仕方は、本震直後は急激ですが、徐々に緩やかになります。本震から10日後には直後の10分の1ですが、その後10日経過しても、その2分の1にしかなりません。

余震がいつまでも続くといった印象を持つのはこのためです。また、本震のMが大きいと余震が収まるまでの期間が、平均的には、長くなります。

[2]余震の規模と余震の数の関係は、規模が大きいものは数が少なく、規模が小さいものは数が多くなります。Mが1つ大きくなるごとに、起きる割合が約10分の1になります。

[3]余震の中で一番大きなものを最大余震といいます。最大余震のMは、平均してみると本震のMより1程度小さくなります。しかし、本震のMとあまり変わらない大きなMの余震が起きることもあります。また、本震のMよりかなり小さくなることもあります。

[4]最大余震は多くの場合、内陸では本震から約3日以内に、海域ではこれより長く約10日以内に発生しています。最近の例では、1995年の兵庫県南部地震では2時間後、1994年の三陸はるか沖地震では9.5日後でした。

[5]大きな余震は余震域の端とその周辺で起きやすい傾向があります。

[6]大きな余震による揺れは、場所によっては本震の揺れと同じ程度になることがあります(6.2の表3を参照)。最近の例では、1996年3月26日の鹿児島県北西部の地震(M6.5)では、4月3日に最大余震(M5.6)が発生、同県川内市でともに震度5強の揺れとなりました。