平成14年10月31日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

糸魚川−静岡構造線断層帯(北部、中部)の地震を想定した強震動評価について


地震調査研究推進本部は、「地震調査研究の推進について−地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策−」(平成11年)において、「全国を概観した地震動予測地図」の作成を当面推進すべき地震調査研究の主要な課題とし、このため、強震動予測手法の高度化を推進することを項目の一つとして挙げた。

これを受け、地震調査委員会強震動評価部会は、「全国を概観した地震動予測地図」の作成を念頭におきつつ、強震動の評価手法として「詳細法」(ハイブリッドシミュレーションの手法を用いた精密な強震動評価方法)について検討するとともに、それを用ぃた強震動の評価を行うこととしている。本部会はその一環として、活断層で発生する地震に適用する強震動予測手法について検討を進め、その成果は「糸魚川−静岡構造線断層帯(北部、中部)を起震断層と想定した強震動評価手法について(中間報告)」(平成13年5月25日)として公表した。その後、この手法を基にさらに検討を進め、最終的な糸魚川−静岡構造線断層帯(北部、中部)の地震を想定した強震動評価を取りまとめたので報告する。

なお、今回行った「詳細法」による評価は、工学的基盤までの地震動評価は現在までに得られている最新の知見を用いて行ったものである。浅層地盤の影響評価については利用できるデータが限られているため簡便な手法を用いた。地震動の計算に用いる地下構造や微視的震源パラメータの精度良い推定には限界があることから、評価結果である地震動の数値は誤差を含んでいる。個別地域の防災対策の検討を行うにあたっては、この点に留意するとともに、地域の詳細な浅層地盤データに基づいてその影響を別途考慮する必要がある。


本文 (pdf 262KB)

説明 (pdf 289KB)


鳥取県西部地震の観測記録を利用した強震動評価手法の検証について(添付資料)



「ハイブリッドシミュレーションの手法」とは、「ハイブリッド合成法」とも呼ばれ、地震災害発生に係わりの深い周波数をすべてカバーした地震波形を予想する方法である(地震調査委員会強震動評価部会,2001「糸魚川−静岡構造線断層帯(北部、中部)を起震断層と想定した強震動評価手法(中間報告)」参照)。