平成11年2月10日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

1999年1月の地震活動について


1 主な地震活動

○ 1月24日に種子島近海でマグニチュード(M)6.2の地震が発生した。1月28日に長野県中部でM4.7の地震が発生し被害を伴った。

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

○ 1月9日に択捉島付近の深さ約120kmでM5.6の地震が発生した。

(2) 東北地方

○ 特に目立った活動はなかった。

(3) 関東・中部地方

○ 1月2日に茨城県沖の深さ約50kmでM5.0の地震が発生した。

○ 1月11日に福井県嶺北地方の深さ約10kmでM4.3の地震が発生した。

○ 1月12日に父島近海の深さ約470kmでM6.0の地震が発生した。

○ 1月28日に長野県中部の深さ約10kmでM4.7の地震が発生し、被害を伴った。この地震の発震機構は、北西−南東方向に圧縮軸をもつものであった。震源域は北北西−南南東走向の糸魚川−静岡構造線断層帯中部(松本盆地東縁断層)の東方約7kmに位置し、同断層帯に関連した活動である可能性がある。

○ 東海地方のGPS観測の結果には特段の変化は見られない。掛川−御前崎(浜岡)の水準測量の結果には特段の変化は見られない。

(4) 近畿・中国・四国地方

○ 特に目立った活動はなかった。

(5) 九州・沖縄地方

○ 1月24日に種子島近海の深さ約50kmでM6.2の地震が発生した。この地震の発震機構は東西方向に張力軸をもつ正断層型であった。この地震の震源の近傍では、1996年10月18日にM6.2の地震が発生している。1996年の地震は震源の深さが約40km、発震機構は東西方向に圧縮軸をもつ逆断層型であった。震源の深さ及び発震機構が異なることから、今回の地震は沈み込むフィリピン海プレートの内部で、1996年の地震はプレート境界付近で発生したと考えられる。

3 補足

○ 2月9日に十勝支庁南部の深さ約60kmでM4.7の地震が発生した。

○ 2月1日に福島県沖の深さ約50kmでM5.1の地震が発生した。

○ 三重県中部(奈良県境付近)の深さ10km程度の浅い場所で、1月24日頃からM2未満の微小地震が発生し始めた。2月1日からはM2クラスの微小地震も発生し始め、3日頃からはその数も多くなったが、8日頃から次第に数も少なく、Mも小さくなっている。これまでの最大は5日のM3.1である。

○ 2月7日に山口県東部の深さ約10kmでM4.0の地震が発生した。