平成10年7月8日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

1998年6月の地震活動について


1 主な地震活動

特に目立った活動はなかった。

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

特に目立った活動はなかった。

(2) 東北地方

○ 6月1日に三陸沖でマグニチュード(M)5.2の地震が発生した。この地震は5月31日に発生したM6.3の地震の余震で、余震域の西端で発生した。発震機構は本震と同じで西北西−東南東方向に圧縮軸をもつ低角逆断層型であった。

(3) 関東・中部地方

○ 6月1日に三重県の深さ約410kmでM6.0の地震が発生した。この地震は沈み込んだ太平洋プレート内の深いところで発生したもので、発震機構は圧縮軸の方向がプレートの沈み込み方向を向いた型であった。この地震で関東地方〜東北地方太平洋側で有感となり、震源直上では揺れが感じられず、太平洋プレートに沿った地域において揺れが顕著に感じられるという深発地震に特徴的な震度分布を示した。

○ 6月14日に千葉県東方沖の深さ約50kmでM5.6の地震が発生した。発震機構は西北西―東南東方向に張力軸をもつ正断層型であった。この地震は沈み込む太平洋プレート内部の地震である。

○ 6月23日に三重・奈良県境付近の深さ約45kmでM4.2の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に張力軸をもつ正断層型であった。この地震は沈み込むフィリピン海プレート内の地震である。約5時間後には、M4.0の余震が発生している。

○ 6月24日に茨城県南西部の深さ約70kmでM4.6の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧縮軸を持つ逆断層型であった。この地震は沈み込む太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近の地震である。

○ 東海地方のGPS観測の結果には特段の変化は見られない。

(4) 近畿・中国・四国地方

○ 6月10日に和歌山県北部の深さ約60kmでM4.2の地震が発生した。発震機構は北北東−南南西方向に張力軸を持つ正断層型であった。この地震は沈み込むフィリピン海プレート内の地震である。

(5) 九州・沖縄地方

○ 6月22日に奄美大島近海の深さ約50kmでM5.1の地震が発生した。

○ 5月4日に発生した石垣島南方沖のM7.6の地震の余震は減少している。


3 補足

○ 7月1日に長野県北部の深さ約10kmでM4.7の地震が発生し、被害を伴った。この地震の発震機構は、西北西−東南東方向に圧縮軸をもつ逆断層型であった。この付近では、1986年12月30日にM5.9、1918年11月11日にM6.1およびM6.5の地震(大町地震)が発生している。