平成9年7月9日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
1997年6月の地震活動について
6月25日に山口・島根県境付近でM6.1の地震があり、被害を伴った。
○1993年の釧路沖地震(M7.8)の余震域で、6月15日にM4.9(深さ約100km)の地震があった。
特に目立った活動はなかった。
○6月10日から神津島の南西約25kmでM4.4(6月11日)を最大とする地震活動があり、11日中に活動はほぼ収まった。
○東海地方ではM3.0以上の地震はなかった。GPS観測の結果には特段の変化は見られない。
○6月25日に山口・島根県境付近でM6.1の地震があり、島根県益田市で震度5強を観測した。この地震により山口・島根両県で被害があった。この地震は、震源の深さが12kmであり、陸域の浅い地震である。
余震は本震から北東−南西方向に約10kmにわたり分布し、発震機構は圧縮軸が東西方向である。これらのことから、右横ずれの断層運動による地震である。周辺のGPSによれば、この地震による断層運動と調和的な変化が観測された。
地震活動は、本震−余震型で推移している。現在までの最大の余震は本震8分後のM4.1である。余震回数は順調に減少しており、その減衰の速さは日本の陸域の浅い地震の平均的な例とほぼ同じである。
中国地方では、日本海側の海岸線に沿い地震活動が線状に配列しており、今回の地震はこの配列の中で発生した。この線状配列の中には、今回の地震の南西約30kmで1987年にM5.2の被害地震などが発生している。
○ 鹿児島県北西部の3月(M6.3)及び5月(M6.2)の地震による余震活動は順調に減衰している。また、水準測量によればこれらの地震に伴った1cm程度の上下変動が観測された。
○6月上旬に沖縄本島東方沖でM5.4(6月3日)を最大とする地震活動があった。
○6月19日に宮古島北方沖でM4.7の地震があった。
○7月1日に釧路沖の深さ約70kmでM4.9の地震があった。
○7月5日に静岡県中部でM3.9の地震があった。