平成9年1月10日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
1996年12月の地震活動について
12月3日に日向灘でM6.6の地震、12月21日に茨城県南部でM5.4の地震があり、ともに被害を伴った。
12月22日に北海道西方沖の深さ約250kmでM6.6の地震があった。発震機構は、南北張力の正断層型で、太平洋プレート内部の地震と考えられる。
○12月4日に福島県の深さ約150kmでM5.6の地震があった。
○12月21日に茨城県南部の深さ約50kmでM5.4の地震があり、若干の被害を伴った。この付近では、定常的に地震活動が見られ、M5クラス以上の地震は数年に1回の割合で発生している。発震機構は北西−南東圧縮の低角逆断層型であり、フィリピン海プレートと陸のプレートとの境界の地震と考えられる。
○東海地方では、12月29〜31日に駿河湾の石花海付近(深さ15〜20km)でM3.7を最大とする地震活動があった。震源が求まった地震は十数個で、1996年3月〜5月の活動と比べて短期間に集中して発生した。東海地方のGPS観測によれば特段の変化は見られない。
○12月6日から周防灘で地震活動があった。地震活動の最大はM4.1(12月16日)で、これ以降は散発的な活動が続いている。この付近は地
震活動度は低い地域であるが、この震源域の北約10kmでは、1991にM6.0の地震があった。
○12月3日に日向灘でM6.6の地震があり、被害を伴った。この地震により小規模な津波が観測された。この地震は10月19日の日向灘の地震(M6.6)に隣接している。発震機構は10月の地震と同じ北西−南東圧縮の低角逆断層型であり、このことと震源の位置から、プレート境界地震と考えられる。 GPS観測によれば、日向灘沿岸の観測点が南東に2〜3cm程度動く変化が見られた。この地震により、10月の震源域で活動が一時活発化した。また、12月12日にM4.9の余震があったものの、余震活動は順調に低下している。
○ 12月24日に宮古島の東方沖約100kmでM5.0、12月27日に沖縄本島の南方沖約150kmでM5.4の地震があった。