平成7年10月19日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会


奄美大島近海の地震について


10月18日19時37分頃、奄美大島の東南東約120kmの沖合でM6.5の地震が発生した。

喜界島では震度5を観測し、崖崩れ等の被害があった。また、この地震に伴い津波が発生した。19日には09時32分にM6.2、11時41分にM6.7の地震がほぼ同じ海域で発生した。11時41分の地震に伴い津波が発生した。

18日19時37分の地震以降、震源域では多数の地震が発生しているが、19日昼以降18時現在までのところ地震回数は低下傾向にある。喜界島で観測された有感地震は173回であった(19日18時現在)。

奄美諸島周辺は、従来から東方の南西諸島海溝付近から諸島の西方にかけての海域で地震活動が活発な地域である。南西諸島海溝ではフィリピン海プレートが大陸側のプレートにもぐり込んでおり、プレート境界やその付近のプレート内では大きな地震が発生しやすいと考えられる。18日19時37分と19日11時41分の地震は、地震波や津波などからみて、おおざっぱに見れば同じような規模と思われ、それが時間的にも位置的にも近接して発生した。

この地域の過去の例を考えると、今後活発な地震活動が続く可能性もあるが、あるいはこのまま活動が次第に低下するかもしれず、見通しについては現状では判断が困難である。