平成8年1月10日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

1995年12月の地震活動について


1 主な地震活動

択捉島沖でM7クラス、トカラ列島付近、三陸はるか沖などでM5からM6クラスの活発な地震活動があった。

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

12月1日国後島付近でM6.0の深い地震、4日択捉島沖でM7.2の地震があった。松前沖で群発地震活動が続いている。

1995年10月1日に始まった松前沖の群発地震活動は、12月後半には発生回数がやや減少したが、活動は続いている。松前周辺のGPS観測では、10 月上旬から松前が北方に1cm移動する地殻変動が観測された。

12月4日択捉島沖でM7.2の地震があり、以降M6クラスの余震が数日間続いたが、12月12日以降M5.0以上の余震はなく、余震活動は減少傾向である。

(2) 東北地方

12月21日青森県東方沖でM5.0、22日山形県南部でM4.3、30日三陸はるか沖でM6.3の地震があった。

1994年三陸はるか沖地震の海溝側余震域の北端部で12月30日M6.3の余震があった。この地震の後もM5クラスの地震が数回あったが、活発な活動は比較的短期間に終わった。

(3) 関東・中部地方

12月4日御嶽山付近でM4.1、新島近海でM4.3、7日岐阜県中部でM4.6などの地震があったが、全般的に静穏であった。

駿河湾内にM3.0以上の地震はなかった。掛川−御前崎(浜岡)間の水準測量結果によると前回(10月)に比べ、御前崎側が約1.5cm沈降した。

(4) 近畿・中国・四国地方

12月22日和歌山市付近でM4.1の地震があったほか、兵庫県南部地震の余震が続いている。

兵庫県南部地震の余震は依然続いており、地震発生回数に特に変化はない。12月最大の余震は22日と27日のM3.9であった。

(5) 九州・沖縄地方

12月15日からトカラ列島小宝島付近でM5クラスの地震活動があったほか、20日沖縄本島付近でM5.0、30日宮古島近海でM5.7の地震があった。

12月15日19時頃から小宝島付近にM5クラスを含む活動があり、活発な活動が数日間続いた。15日M5.3、17日M5.4を観測しているが、現在は活動はほぼ終息した。M5クラスの震源は小宝島の北西約10km付近に集中している。