平成16年10月24日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会


2004年10月23日新潟県中越地震の評価


○ 10月23日17時56分頃に新潟県中越地方の深さ約10kmでマグニチュード(M)6.8(暫定)の地震が発生し、最大震度6強を観測した。また、同日18時12分頃にM6.0(暫定)、18時34分頃にM6.5(暫定)の地震が発生し、いずれも最大震度6強を観測した。地震の発生状況から、これまでの活動はM6.8の地震を本震とする本震−余震型であると考えられる。これらの震源は、北北東−南南西方向に長さ約30kmに分布している。本震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、推定される断層の方向と余震分布の方向は、ほぼ一致している。本震発生直後1時間以内にM6.0以上の余震が3回発生するなど、余震活動は活発であったが、その後は減衰傾向にある。なお、この活動に先行して、同日06時07分頃に新潟県中越地方でM2.5(暫定)の地震が発生し、新潟県小千谷市で震度1を観測した。

○ GPS観測の結果によると、今回の地震に伴い、震源の南東側の新潟大和観測点(新潟県南魚沼郡大和町)では北西方向に約10cm、北西側の柏崎1観測点(同県柏崎市)では南東方向に約6cm移動するなど新潟県を中心に変動が観測されている。これらの観測結果は本震の発震機構と調和的である。

○ 今回の活動域周辺には、余震分布と平行に分布する活断層が複数存在する。今回の活動とこれらの活断層との対応は不明であるが、本震の西側約10kmの長岡平野西縁断層帯は西に傾斜する逆断層と評価しており、今回の震源が同断層帯の東方に分布していることから、同断層帯が活動したものではないと考えられる。

○ 10月24日16時から3日以内にM6.0(ところによって震度6弱〜6強)以上の余震の発生する確率は約10%、M5.5(ところによって震度5強程度)以上の余震が発生する確率は約20%、M5.0(ところによって震度5弱程度)以上が発生する確率は約40%と推定される。


*:今回の地震に対し、気象庁は「平成16年(2004年)新潟県中越地震」と命名した。