平成15年7月26日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会


2003年7月26日宮城県北部の地震の評価


○ 7月26日0時13分頃に宮城県北部の深さ約10kmでマグニチュード(M)5.5(暫定)の地震が発生し、宮城県で最大震度6弱を観測した。また、同日7時13分頃にはM6.2(暫定)の地震が発生し、宮城県で最大震度6強を観測した。それぞれの地震により負傷者が出るなど被害を伴った。

これらの地震の後に多数の余震が発生しており、それらの震源は、ほぼ南北方向長さ約15kmに分布している。地震の発生の状況から、これまでの地震活動は7時13分の地震を本震とする前震−本震−余震型と考えられる。本震の発震機構は、東西方向に圧力軸をもつ逆断層型で、地殻内の浅い地震と考えられる。

なお、26日17時までの最大の余震は、16時56分頃のM5.4(緊急)の地震である。

○ 周辺のGPS観測の結果には、今回の活動に伴い若干の変化が見られる。なお、今回の地震活動の前にノイズレベルを超えるような変化は認められなかった。

○ 今回の地震は地殻内の地震であり、プレート境界で発生した1978年宮城県沖地震や沈み込む太平洋プレート内で発生した本年5月26日の宮城県沖の地震とは性質の異なる地震である。今回の地震活動が地震調査委員会が想定している宮城県沖地震に与える直接的な影響はほとんどないと考えられる。

○ 本年5月26日の宮城県沖の地震の震源域から内陸側の広い範囲では、5月26日の地震以降、浅い地震活動がやや活発になっていた。

○ 7月26日17時から3日以内にM4.5以上およびM5.0以上の余震が発生する確率は、それぞれ約50%、約20%と推定される。M4.5程度の余震が発生した場合、大きいところでは震度5弱程度、M5.0程度の場合には震度5強程度の揺れになると推定される。