平成14年7月10日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会


伊那谷断層帯の評価


・平成14年9月11日 本文中の誤りを訂正しました。(赤字)
・平成17年1月12日 計算に誤りがあったため地震後経過率・地震発生確率・集積確率を修正しました。(橙字)


伊那谷断層帯は、木曽山脈とその東側の伊那盆地の境界に位置する活断層帯である。ここでは、平成7年度に地質調査所(現:産業技術総合研究所)によって行われた調査をはじめ、これまで行われた調査研究成果に基づいて、この断層帯の諸特性を次のように評価した。

1 断層帯の位置及び形態

伊那谷断層帯は、長野県上伊那郡辰野町(たつのまち)から下伊那郡平谷村(ひらやむら)にかけて、概ね北北東−南南西方向に延びている。全体として長さは約78kmで、相対的に山側に位置する境界断層と、盆地側に位置する前縁断層の大きく二つの断層から構成されている。境界断層は、駒ヶ根市から飯田市を経て下伊那郡平谷村に至る長さ約49kmの断層である。前縁断層は、上伊那郡辰野町から飯田市に至る長さ約57kmの断層である。これらは、いずれも西側が東側に対して相対的に隆起する逆断層で、両者は一部で近接して並走している(図1、2及び表1)。

2 断層帯の過去の活動

境界断層の平均的な上下方向のずれの速度は、0.5−1.3m/千年程度で、過去約1万年間に2回活動した可能性がある。最新の活動時期は、約6千5百年前以後、約3百年前以前にあったと推定される。本断層の平均的な活動間隔は3千−1万2千年程度であった可能性がある。

前縁断層の平均的な上下方向のずれの速度は、0.2−1.0m/千年程度であった可能性があり、最新の活動時期は、約2万8千年前以後、約7千5百年前以前にあったと推定される。本断層の平均的な活動間隔は4千−2万年程度であった可能性がある(表1)。

なお、境界断層と前縁断層は、最新の活動時期が異なるため、それぞれが独立して活動したと考えられるが、これらは一部で近接して並走し、ともに低角度の逆断層であることから、過去の活動の中には、全体が一つの断層帯として活動した場合も含まれている可能性がある。

3 断層帯の将来の活動

境界断層が単独で活動すると、マグニチュード7.7程度の地震が発生すると推定される。前縁断層が単独で活動する場合は、マグニチュード7.8程度の地震が発生すると推定される。いずれの場合も、断層の近傍の地表面には撓(たわ)みや段差が生じ、西側が東側に対して相対的に4m程度高まる可能性がある。

境界断層と前縁断層が一つの断層帯として同時に活動すると、マグニチュード8.0程度の地震が発生すると推定される。この場合、断層の近傍の地表面には撓(たわ)みや段差が生じ、全体として西側が東側に対して相対的に6m程度高まる可能性がある(表1)。

境界断層と前縁断層の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率はそれぞれ表2に示すとおりである。また、境界断層と前縁断層が同時に活動する場合の長期確率は、それぞれが単独で活動する場合の長期確率を超えることはないと考えられる。

本評価で得られた地震発生の長期確率にはいずれも幅があるが、その最大値をとると、境界断層及び前縁断層ともに、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の活断層の中では高いグループに属することになる(注1、2)。

4.今後に向けて

伊那谷断層帯について、より一層信頼度の高い評価を得るためには、最新の活動時期、平均活動間隔、活動区間をさらに精度良く明らかにする必要がある。また、木曽山脈の西側に位置する木曽山脈西縁断層帯の活動との関連性について検討する必要がある。

表1 伊那谷断層帯の特性

項  目 特  性   信頼度  
(注3)
根  拠
(注4)
1.断層帯の位置・形態
  (1) 伊那谷断
層帯を構
成する断層
境界断層
 木曽山脈山麓断層群、
 三州街道断層
前縁断層
 伊那断層、小黒川断層、田切断層群、
川路・竜丘(かわじ・たつおか)断層(北端部)
  文献2、4、5、6による。

  (2) 断層帯の位置・
   形状等

地表における断層帯の位置・形状
  断層帯の位置
   境界断層(北端)北緯35°44′
              東経137°54′
         (南端)北緯35°21′
              東経137°40′
 前縁断層(北端)北緯35°59′
           東経137°59′
       (南端)北緯35°29′
           東経137°50′
   全体(北端)北緯35°59′
           東経137°59′
      (南端)北緯35°21′
           東経137°40′
 長さ
  境界断層     約49km
  前縁断層     約57km
    全体     約78km

 地下における断層面の位置・形状
  長さ及び上端の位置 地表での長さ・位置と
            同じ
  上端の深さ     0km
 一般走向
  境界断層     N30°E
  前縁断層     N10°E
  全   体     N20°E
 傾斜 前縁断層    西傾斜20−40°
           (地下150−300m以浅)

 幅  前縁断層    25−60km程度
































文献2、4、6による。
数値は図2から計測。
形状は図2を参照。

















上端の深さが0kmで
あることから推定。

一般走向は、断層帯の
北端と南端を直線で
結んだ方向(図2参
照)。
傾斜は、文献7に示さ
れた反射法弾性波探
査結果による。
断層面の幅は、断層面
の下端が地震発生層
の下限と推定して算
出。
  (3) 断層のずれの向
   きと種類
 西側隆起の逆断層


文献2、4、6、7に示さ
れた変位地形、反射法弾性
波探査、トレンチ調査の結
果から推定。
2.断層帯の過去の活動
  (1) 平均的な断層の
ずれの速度
境界断層:0.5−1.3m/千年程度(上下成分)

前縁断層:0.2−1.0m/千年程度(上下成分


文献1、4、6による。
  (2) 過去の活動時期 境界断層
 活動1(最新活動):
  約6千5百年前以後、約3百年前以前
 活動2(一つ前の活動):
  約1万2千年前以後、約1万年前以前
 それ以前の活動は不明

前縁断層
 活動1(最新活動):
  約2万8千年前以後、約7千5百年前以前
 それ以前の活動は不明

歴史記録から、少なくとも最近約300年間は活
動していないと考えられる。
  









文献7記載の資料から
推定。










文献8による。

  (3) 1回のずれの量
   と平均活動間隔
1回のずれの量
 境界断層:4m程度(上下成分)
 前縁断層:4m程度(上下成分)

平均活動間隔
 境界断層:3千年−1万2千年程度
 前縁断層:4千年−2万年程度







断層の長さから推定。



説明文2−2断層帯の過去
の活動を参照。
  (4) 過去の活動区間 活動区間  境界断層と前緑断層の2区間 断層の位置関係・形状
などから推定。
3.断層帯の将来の活動
  (1) 将来の活動区間
   及び活動時の地
   震の規模
活動区間  境界断層と前緑断層の2区間。
      または、断層帯全体が1区間とし
      て活動。

地震の規模 境界断層単独の場合:
       マグニチュード7.7程度
      前縁断層単独の場合:
       マグニチュード7.8程度
      断層帯全体が同時に活動する場合
       マグニチュード8.0程度

ずれの量 境界断層単独の場合:4m程度
     前縁断層単独の場合:4m程度
     断層帯全体が同時に活動する場合:
     全体で6m程度














断層の位置関係・形
状などから推定。


断層の長さから推定。






断層の長さから推定。

表2 伊那谷断層帯の将来の地震発生確率等

項  目   将来の地震発生確率等  
(注5)
備  考
境界断層が単独で活動する場合
 地震後経過率(注6)

今後30年以内の地震発生確率
今後50年以内の地震発生確率
今後100年以内の地震発生確率
今後300年以内の地震発生確率

集積確率(注7)

前縁断層が単独で活動する場合
 地震後経過率(注6)

今後30年以内の地震発生確率
今後50年以内の地震発生確率
今後100年以内の地震発生確率
今後300年以内の地震発生確率

集積確率(注7)


0.03 − 2.2

ほぼ0% − 7%
ほぼ0% − 10%
ほぼ0% − 20%
ほぼ0% − 50%

ほぼ0% − 90%より大


0. − 2より大

ほぼ0% − 6%
ほぼ0% − 10%
ほぼ0% − 20%
0.002% − 50%

0.002% − 90%より大



発生確率及び集積
確率は文献3による。







発生確率及び集積
確率は文献3による。

注1: 我が国の陸域及び沿岸域の主要な98の活断層帯のうち、2001年4月時点で調査結果が公表されているものについて、その資料を用いて今後30年間に地震が発生する確率を試算すると概ね以下のようになると推定される。
98断層帯のうち約半数の断層帯:30年確率の最大値が0.1%未満
98断層帯のうち約1/4の断層帯:30年確率の最大値が0.1%以上−3%未満
98断層帯のうち約1/4の断層帯:30年確率の最大値が3%以上
(いずれも2001年4月時点での推定。確率の試算値に幅がある場合はその最大値を採用。)
この統計資料を踏まえ、地震調査委員会の活断層評価では、次のような相対的な評価を盛り込むこととしている。
今後30年間の地震発生確率(最大値)が3%以上の場合:
「本断層帯は、今後30年の間に発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになる」
今後30年間の地震発生確率(最大値)が0.1%以上−3%未満の場合:
「本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属することになる」
注2:

1995年兵庫県南部地震、1858年飛越地震及び1847年善光寺地震の地震発生直前における30年確率と集積確率 (うち、1995年兵庫県南部地震と1858年飛越地震については「長期的な地震発生確率の評価手法について」(地震調査研究推進本部地震調査委員会,2001)による暫定値)は以下のとおりである。


地震名 活動した活断層 地震発生直前の
30年確率 (%)
地震発生直前の
集積確率 (%)
断層の平均活動
間隔 (千年)
1995年兵庫県南部地震
(M7.3)
野島断層
(兵庫県)
0.4%−8% 2%−80% 約1.8−約3.0
1858年飛越地震
(M7.0−7.1)
跡津川断層
(岐阜県・富山県)
ほぼ0%−10% ほぼ0%−
90%より大
約1.9−約3.3
1847年善光寺地震
(M7.4)
長野盆地西縁断層
(長野県)
ほぼ0%−20% ほぼ0%−
90%より大
約0.8−約2.5

「長期的な地震発生確率の評価手法について」に示されているように、地震発生確率は前回の地震後、十分長い時間が経過しても100%とはならない。その最大値は平均活動間隔に依存し、平均活動間隔が長いほど最大値は小さくなる。平均活動間隔が5千年の場合は30年確率の最大値は5%前後、1万年の場合は3%前後である。
注3: 信頼度は、特性欄に記載されたデ−タの相対的な信頼性を表すもので、記号の意味は次のとおり。 ◎:高い、○中程度、△:低い
注4: 文献については、本文末尾に示す以下の文献。
文献1:阿部・池田(1987)
文献2:池田ほか(2002)
文献3:地震調査研究推進本部地震調査委員会(2001)
文献4:活断層研究会(1991)
文献5:松田(1990)
文献6:松島(1995)
文献7:奥村ほか(1996)
文献8:宇佐美(1996)
注5: 評価時点はすべて2002年1月1日現在。「ほぼ0%」は10−3%未満の確率値を示す。なお、計算に当たって用いた平均活動間隔の信頼度は低い(△)ことに留意されたい。
注6:

最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間を、平均活動間隔で割った値。最新の地震発生時期から評価時点までの経過時間が、平均活動間隔に達すると1.0となる。今回の評価の数字のうち0.03は300年を12000年で割った値であり、以下それぞれ2.2は6500年を3000年で割った値、0.3は7500年を28000年で割った値、2より大は28000年を4000年で割った値である。

注7: 前回の地震発生から評価時点までに地震が発生しているはずの確率。


(説明)

1 伊那谷断層帯に関するこれまでの主な調査研究

伊那谷断層帯に関する主な調査研究として以下のものがある。

松島(1968)は、伊那谷断層帯のうち飯田市付近に位置する断層群について記載し、これらの断層の活動時期は第四紀後期更新世以後であることを指摘した。また、松島(1981)は、同じ地域の断層群の第四紀後期における平均変位速度を求め、これらの活動度がA級に達すること、及び断層活動が3−4万年前から活発になり、とくに2万年前前後の活動が顕著であることを指摘した。

活断層研究会(1980,1991)は、この断層帯が木曽山脈と伊那盆地との境界に沿って延びる活断層であり、上下成分とともに横ずれ成分を伴う断層であるとして記載した。

Ikeda and Yonekura(1986)及び阿部・池田(1987)は、この断層帯の北部において、変位地形の解析から実変位速度を求め、上下成分よりも水平短縮成分が卓越していることを指摘した。

松島(1995)は、この断層帯の位置・形状、地形面の年代、変位量、平均変位速度などについて詳しい記載を行い、断層の発達史を取りまとめた。 

その後、奥村ほか(1996)は、トレンチ調査と反射法弾性波探査を行い、断層の活動時期や地下浅部における断層面の形状を示した。また、池田ほか(2002)は、この断層帯を構成する断層の位置とその活動性等を断層図に示した。


2 伊那谷断層帯の評価結果

2−1 断層帯の位置・形態

(1)伊那谷断層帯を構成する断層

伊那谷断層帯は、木曽山脈とその東側の伊那盆地との境界付近に位置し、長野県上伊那郡辰野町(たつのまち)から駒ヶ根市、飯田市を経て下伊那郡平谷村(ひらやむら)まで、概ね北北東−南南西方向に延びる断層帯である(図2;活断層研究会,1991;松島,1995;池田ほか,2002)。

ここでは、断層の位置は松島(1995)に示された断層のうち、地形を変位させている活断層とされているものを示した。また、断層の名称は活断層研究会(1991)によった。

本断層帯は、大きく境界断層と前縁断層の二つの断層から構成されている。これらは、駒ヶ根市から飯田市にかけての区間で、1−3km程度の隔たりをもって近接し、並走していることから、松田(1990)の基準にしたがえば、一つの起震断層を構成しているとみなすことができる。なお、池田(1988)は、木曽山脈の山麓直下を走り、木曽山脈の古期岩類と伊那谷の堆積層を境する断層を境界断層と呼び、これより東の盆地側に位置する断層を前縁断層と呼んでいる。本評価では、この地域の活断層について、第四紀後期においても活動的であった断層の分布形状に着目して全体を2つに分け、そのうち相対的に山側に位置する断層を境界断層、盆地側に位置する断層を前縁断層と便宜的に呼ぶことにした。

境界断層は、木曽山脈山麓断層群と三州街道断層からなり、木曽山脈と伊那盆地の境界に沿って、概ね北北東−南南西方向に連なっている。木曽山脈山麓断層群は、駒ヶ根市から飯田市まで、概ね北北西−南南東方向に延びている。その南側に位置する三州街道断層は、飯田市から下伊那郡平谷村まで、北東−南西方向に直線状に延びている。

前縁断層は、伊那断層、小黒川断層、田切断層群、及び川路・竜丘(かわじ・たつおか)断層(北端部)からなる。北端の伊那断層は、辰野町から伊那市にかけて北北東−南南西方向に延び、その東側を同じ方向に延びる小黒川断層と並走する。伊那断層の南端部は北西−南東方向に屈曲し、小黒川断層と会合する。その南の田切断層群は、伊那市から飯田市にかけて北北東−南南西方向に延びるが、上述のように、駒ヶ根市以南では境界断層(木曽山脈山麓断層群)と近接して並走している。田切断層群の南側に位置する川路・竜丘断層は、その南部で段丘礫層とされる礫層に花崗岩が衝上する断層露頭の報告(有井,1959)があるが、この礫層の年代は示されておらず、また活断層であることの地形学的根拠も具体的に示されていない。したがって、ここでは変位地形が確実に認められる断層北端部の3km程度の区間を活断層と判断し、前縁断層に含めることにした。

(2)断層面の位置・形状

地下における断層面の位置及び形状は、地表における断層帯の位置及び形状と地下の地質構造等から推定した。

断層面の長さ及び一般走向は、境界断層、前縁断層、及び断層帯全体のそれぞれについて、その北端と南端を直線で結んで計測すると、境界断層では長さは約49km、一般走向はN30°E、前縁断層では長さは約57km、一般走向はN10°Eとなり、断層帯全体では長さは約78km、一般走向はN20°Eとなる。

断層面上端の深さは、断層による変位が地表に達していることや、断層露頭が認められることから0kmとした。

境界断層のうち、木曽山脈山麓断層群では、いくつかの露頭において、西傾斜約60°の断層面が観察されている(活断層研究会,1991;松島,1995)。前縁断層では、伊那断層で実施された反射法弾性波探査結果から、断層面の傾斜は深さ200−300m以浅では西傾斜約30−40°とされている(図3;奥村ほか,1996)。しかし、この断層の地表付近の傾斜は、変動地形の解析に基づく水平短縮量の検討から、数度以下の極低角度であるとする考えもある(阿部・池田,1987 ;池田ほか,2002)。また、田切断層群で実施された反射法弾性波探査結果から、断層面は深さ150m以浅では西傾斜約20°と考えられるが、さらに深部ではより低角度になるとされている(図4;奥村ほか,1996)。なお、田切断層群の露頭では、西傾斜30−40°の断層面が観察されている。これらのことから、前縁断層の断層面の傾斜は、反射法弾性波探査結果に基づくと、深さ150−300m以浅では西傾斜20−40°と考えられる。 

断層面の深部形状については十分な資料がない。ただし、重力探査結果や変動地形の解析結果から、境界断層及び前縁断層ともに、その傾斜角は地下深部では極低角度になるとする考えがある(池田,1988;池田ほか,1987;池田ほか,2002)。地震発生層の下限の深さは、地震観測結果から約15−20kmと推定される。前縁断層の断層面の幅は、断層面の傾斜を20−40°とすると23−58kmと計算されることから、25−60km程度とした。

(3)断層の変位の向き(ずれの向き)(注8)

伊那谷断層帯は、変位地形(活断層研究会,1991;松島,1995;池田ほか,2002)、及び反射法弾性波探査やトレンチ調査の結果(奥村ほか,1996)から見て、西側が東側に乗り上げる逆断層と考えられる。

2−2 断層帯の過去の活動

(1)平均変位速度(平均的なずれの速度)(注8)

伊那谷断層帯のうち、境界断層の平均上下変位速度は、第四紀更新世後期の地形面の変位量と、火山灰の対比によって推定した地形面の形成年代から求められている(阿部・池田,1987;活断層研究会,1991;松島,1995)。これらの平均上下変位速度のうち、代表的な値として、木曽山脈山麓断層群の北部で0.5−0.6m/千年、同断層群の南部で0.8−1.3m/千年の値が得られている。また、三州街道断層の中央部付近において、約1.5万年前に形成された可能性のある段丘面が上下に20m変位している(活断層研究会,1991)ことから、ここでの平均上下変位速度は1.3m/千年の可能性がある。

前縁断層では、伊那断層で0.1−0.5m/千年、小黒川断層で0.1−0.5m/千年の値が得られている。これらの断層は並走しているため、この付近における平均上下変位速度は、両者を加え合わせた0.2−1.0m/千年と考えられる。田切断層群の中・北部では0.5−0.8m/千年、同断層群の南部では0.3m/千年の値が得られている(阿部・池田,1987;活断層研究会、1991;松島,1995)。

以上のことから、境界断層の平均上下変位速度は、0.5−1.3m/千年程度、また、前縁断層のそれは、0.2−1.0m/千年程度の可能性があると判断した。

なお、河川や尾根の屈曲から右ずれ成分を伴うとする考え(活断層研究会,1991;松島,1995)があるが、それらの屈曲は必ずしも系統的とは言えない。また、伊那谷断層帯の北部では、伊那断層、横山断層、与地断層及び小黒川断層において、見かけ上横ずれ変位を示す地形が認められ、これらの断層の変位は上下成分よりも水平短縮成分がはるかに大きいとする考えもある(阿部・池田,1987)。

(2)活動時期

a)地形・地質的に認められた過去の活動

境界断層では、木曽山脈山麓断層群の上伊那郡飯島町北村において、また、前縁断層では、小黒川断層の伊那市山寺と田切断層の上伊那郡中川村横前の2地点においてトレンチ調査が実施されている(奥村ほか,1996)。

北村地点では、与田切川の扇状地性の段丘面を変位させる比高約80mの断層崖基部においてトレンチ調査が行われ(図5;奥村ほか,1996)、約3万5千年前の段丘堆積物(下位より砂礫層、砂・シルト層)と、約1万年前以後の埋没土壌、斜面堆積物及び黒色土壌を切る断層が認められた。トレンチ壁面の西側(山地側)に分布するF1断層は、約1万2千年前の埋没土壌と斜面堆積物の一部とを切っているが、上位の約1万年前の黒色土壌には変位が及んでいない。またF1断層より東側(盆地側)に位置するF2及びF3断層のうち、少なくとも後者は約6千5百年前の黒色土壌を切っている。

これらのことから、北村地点では、断層の最新活動時期は約6千5百年前以後と推定され、一つ前の活動時期は約1万2千年前以後、約1万年前以前であった可能性がある。

山寺地点では、扇状地性の段丘面を変位させる比高約10mの撓曲崖基部においてトレンチ調査が行われ(図6;奥村ほか,1996)、段丘堆積物である砂礫層を覆う、約6万−7万年前に降下したとされる御岳−辰野軽石層(町田・新井,1992)を切る断層が認められた。この断層は、約1万−2万5千年前の河谷堆積物に不整合で覆われている。しかし、河谷堆積物とその上位の約1万年前の砂礫層、及び表土も、撓曲崖と調和的に西側が高く東側が低い分布を示すことから、河谷堆積物の堆積以後に撓曲変形がなかったとは断定できない。したがって、本トレンチの調査結果から最新活動時期を特定することは困難であると判断した。

横前地点では、扇状地性の段丘面を変位させる比高約20mの断層崖基部においてトレンチ調査が行なわれた(図7;奥村ほか,1996)。ここでは、約6万年前の砂礫層から約2万8千年前に降下した火山灰の二次堆積物を含む砂礫層までが撓曲により変形している。また、約7千5百年前に降下した火山灰を挟む表土には変形が見られないことから、約2万8千年前以後、約7千5百年前以前に断層活動があったと推定され、これが最新活動時期を示していると推定されるが、それ以前の活動時期の詳細については資料が得られていない。 

これらの3地点における断層活動の時空間分布を図8に示す。

以上のことから、境界断層における最新活動時期は約6千5百年前以後と推定され、一つ前の活動時期は約1万2千年前以後、約1万年前以前であった可能性がある。前縁断層における最新活動時期は約2万8千年前以後、約7千5百年前以前であったと推定されるが、それ以前の活動時期の詳細については資料が得られていない。また、前縁断層では山寺地点の調査結果から約2万5千年前以前に断層活動があったと考えられるが、これについても活動時期の詳細については資料が得られていない。

なお、松島(1995)は、遺跡との関係から、比較的新しい沖積面にも断層変位が認められることを報告している。すなわち、木曽山脈山麓断層群の南部の飯田市柏原付近では、沖積面が2.5m上下に変位しており、沖積面上には約2千5百年前の縄文時代の遺跡があるとしている。また、前縁断層の南部の飯田市座光寺付近では、沖積面が2−3m上下に変位しており、撓曲崖では縄文時代早期の遺物が、また撓曲崖下を埋める土石流堆積物の上面では縄文時代後期の遺物が出土したとしている。しかし、いずれの地点においても、断層活動と遺跡との時代関係は明確にされていない。

b)先史時代・歴史時代の活動

1718年の信濃・三河の地震(M7.0)では、飯田において寺の門が倒れたとの記録がある(宇佐美,1996)。この地震では、伊那谷断層帯の南東方の遠山川の流域で山崩れがあり、川がせき止められたことが知られている。宇佐美(1996)は、この地震の震央を伊那谷断層帯の南東方としているが、伊那谷断層帯の活動との関係は明らかでない。なお、少なくともこの地震より後に、伊那谷断層帯付近で大きな被害地震は起こっていないことから、最近約300年間はこの断層帯は活動していないと考えられる。

(3)1回の変位量(ずれの量)(注8)

北村地点のトレンチ調査結果、約6千5百年前以後の最新活動に伴う上下変位量はおよそ1mであった。しかし、このトレンチが断層崖の基部に掘削されたことから、境界断層での1回の変位量はこれよりも有意に大きいと考えられる。

境界断層の長さは約49kmであることから、次の松田(1975)の経験式に基づくと、1回の変位量は約3.9m(上下成分)となる。

Log L = 0.6 M − 2.9  (1)

Log D = 0.6 M − 4.0  (2)

ただし、Lは1回の地震で活動する断層の長さ(km)、Dは断層の変位量(m)、Mは地震のマグニチュード。

前縁断層では、長さが約57kmであることから、同様に松田(1975)の経験式に基づくと、1回の変位量は約4.5m(上下成分)となる。

以上のことから、境界断層、前縁断層の活動1回の上下変位量は、いずれも4m程度であった可能性があると判断した。

なお、伊那谷断層帯の北部では、変位量の上下成分よりも水平短縮成分がはるかに大きいとする考えがある(阿部・池田,1987)。


(4)活動間隔(注9)

伊那谷断層帯のうち、境界断層では、最新活動時期が約6千5百年前以後であり、その一つ前の活動時期が約1万2千年前以後、約1万年前以前であった可能性がある。これら二つの活動時期から、活動間隔は3500−12000年と求められる。境界断層について、1回の変位量(上下成分4m程度)と平均変位速度(上下成分0.5−1.3m/千年程度)から活動間隔を求めると3000−8000年となる。したがって、境界断層の平均活動間隔は3千−1万2千年程度であった可能性があると判断した。

前縁断層では、最新活動時期しか得られていないため、1回の変位量(上下成分4m程度)と平均変位速度(上下成分0.2−1.0m/千年程度)から活動間隔を求めると4000−20000年となる。このことから、前縁断層の平均活動間隔は4千−2万年程度であった可能性があると判断した。

(5)活動区間

伊那谷断層帯を構成する境界断層及び前縁断層は、最新活動時期が異なるため、それぞれが独立して活動したと考えられるが、これらは一部で近接して並走し、ともに低角度の逆断層であることから、過去の活動の中には、全体が一つの断層帯として活動した場合も含まれている可能性がある。

(6)測地観測結果

伊那谷断層帯の周辺では、最近約100年間及び約10 年間は概ね北西−南東方向の縮みが観測されている。最近約3年間のGPS観測結果からは、概ね東西方向の縮みが観測されている。

(7)地震観測結果

伊那谷断層帯の周辺の地震活動は全体的にやや低調である。なお、地震発生層の下限の深さは約15−20kmと推定される。

2−3 断層帯の将来の活動

(1)活動区間と活動時の地震の規模

伊那谷断層帯では、境界断層(長さ49km)が単独で活動すると、上記の経験式(1)により発生する地震の規模はマグニチュード7.7となる。これに基づくと、この断層から発生する地震の規模はマグニチュード7.7程度と推定される。前縁断層(長さ57km)が単独で活動する場合は、経験式(1)により地震の規模はマグニチュード7.8となり、これに基づくと、この断層から発生する地震の規模はマグニチュード7.8程度と推定される。1回の変位量については、このように計算されたマグニチュードを用いて、上記の経験式(2)に基づけば、境界断層、前縁断層いずれも4m程度となる可能性がある。

境界断層と前縁断層が一つの断層帯として同時に活動すると、断層の長さが78kmであることから、経験式(1)を適用すれば、地震の規模はマグニチュード8.0と計算される。また、このマグニチュードを用いて、経験式(2)を適用すれば、1回の変位量は約6.2m(上下成分)と計算される。したがって、全体が一つの断層帯として同時に活動した場合は、発生する地震の規模はマグニチュード8.0程度と推定され、1回の変位量は全体として6m程度となる可能性がある。

(2)地震発生の可能性

伊那谷断層帯では、境界断層が単独で活動する場合、平均活動間隔を3千年−1万2千年、最新の活動時期を約6千5百年前以後、約3百年前以前とすると、最新活動後、評価時点(2002年)までの経過時間は約3百−6千5百年で、平均活動間隔の0.03−2.2倍の時間が経過していることになる。また、地震調査研究推進本部地震調委員会(2001)に示された手法(BPT分布モデル、α=0.24)によると、今後30年以内、50年以内、100年以内、300年以内の地震発生確率は、それぞれほぼ0%−7%、ほぼ0%−10%、ほぼ0%−20%、ほぼ0%−50%となる。また、現在までの集積確率は、ほぼ0%−90%より大となる。

一方、前縁断層が単独で活動する場合は、平均活動間隔を4千年−2万年、最新の活動時期を約2万8千年前以後、約7千5百年前以前とすると、最新活動後、評価時点(2002年)までの経過時間は約2万8千年−7千5百年で、平均活動間隔の0.−2倍より大きい時間が経過していることになる。また、上記と同様の手法によって求めた今後30年以内、50年以内、100年以内、300年以内の地震発生確率は、それぞれほぼ0%−6%、ほぼ0%−10%、ほぼ0%−20%、0.002%−50%となり、現在までの集積確率は、0.002%−90%より大となる(表3)。

なお、境界断層と前縁断層が同時に活動する場合の地震発生確率は、それぞれが単独で活動する場合の確率を超えることはないと考えられる。

本評価で得られた将来の地震発生確率は、信頼度の低い平均活動間隔を用いた計算であることに十分留意する必要があるが、その最大値をとると、境界断層及び前縁断層ともに、今後30年の間に地震を発生させる可能性が、我が国の活断層の中では高いグループに属することになる。表3に、これらの確率値の参考指標(地震調査研究推進本部地震調査委員会長期評価部会,1999)を示す。

2−4 今後に向けて

伊那谷断層帯を構成する境界断層、前縁断層のいずれにおいても、過去の活動について十分なデータが得られていない。本断層帯に関して、より一層信頼度の高い評価を得るためには、これらの断層における最新の活動時期、平均活動間隔、活動区間についてさらに精度良く明らかにする必要がある。また、木曽山脈の西側に位置する木曽山脈西縁断層帯は、伊那谷断層帯とともにその活動が木曽山脈の隆起に関与してきたとされることから、この断層帯の活動との関連性について検討する必要がある。

注8: 「変位」を、1頁の本文及び5、6頁の表1では、一般にわかりやすいように「ずれ」という言葉で表現している。ここでは専門用語である「変位」が、本文や表1の「ずれ」に対応するものであることを示すため、両者を併記した。以下、文章の中では「変位」を用いる。なお、活断層の専門用語では、「変位」は切断を伴う「ずれの成分」と、切断を伴わない「撓(たわ)みの成分」よりなる。
注9:

最新活動時には境界断層と前縁断層が別々に活動したと推定されるが、これらは、より古い活動においては、同時に活動したこともあった可能性があり、その時の変位量は、これらが別々に活動した場合の変位量よりも大きかった可能性がある。ここで求めたそれぞれの平均活動間隔は、それぞれが単独で活動した場合の変位量と長期的な平均変位速度を用いて計算したものに基づいており、断層帯全体が同時に活動する場合を想定して求めた平均活動間隔は、これよりも長くなる可能性がある。

注10: 10,000年BPよりも新しい炭素同位体年代については、Niklaus(1991)に基づいて暦年補正した値を用いた。また、10,000年BPよりも古い炭素同位体年代については、Kitagawa and van der Plicht(1998)のデータに基づいて暦年補正した値を用いた。

文 献

阿部 一・池田安隆(1987):伊那盆地北部における活断層のネットスリップ速度.地理学評論,60(Ser.A),10,667−681.

有井琢磨(1959):伊那谷南西部の断層.東京学芸大学研究報告,10,21−34.

池田安隆(1988):伊那谷断層帯の地下構造.日本地理学会予稿集,33,10−11.

Ikeda,Y.and Yonekura,N.(1986):Determination of Late Quaternary rate of net slip on two major fault zone in central Japan.Bull. Dep. Geogr. Univ. Tokyo,18,49−63.

池田安隆・木下和彦・阿部 一・来栖晋二(1987):伊那谷断層帯の地下構造.日本地震学会講演予稿集,2,44.

池田安隆・今泉俊文・東郷正美・平川一臣・宮内崇裕・佐藤比呂志(2002):「第四紀逆断層アトラス」.東京大学出版会,254p.

地震調査研究推進本部地震調査委員会(2001):「長期的な地震発生確率の評価手法について」.46p.

地震調査研究推進本部地震調査委員会長期評価部会(1999):「(改訂試案)長期的な地震発生確率の評価手法について」.74p.

Kitagawa, H. and van der Plicht, J.(1998):Atmospheric radiocarbon calibration to 45,000yrB.P.:Late Glacial fluctuations and cosmogenic isotope production. Science, 279, 1187−1190.

活断層研究会(1980):「日本の活断層−分布図と資料−」.東京大学出版会,363p.

活断層研究会(1991):「新編日本の活断層−布図と資料−」.東京大学出版会,437p.

町田 洋・新井房夫(1992):「火山灰アトラス−日本列島とその周辺−」.東京大学出版会,276p.

松田時彦(1975):活断層から発生する地震の規模と周期について.地震,第2輯,28,269−283.

松田時彦(1990):最大地震規模による日本列島の地震分帯図. 地震研究所彙報,65,289−319.

松島信幸(1968):伊那谷における段丘の形成と地盤の動き.地質学雑誌,74,122.

松島信幸(1981):伊那谷断層系の活動時期について.月刊地球,3,244−249.

松島信幸(1995):「伊那谷の造地形史−伊那谷の活断層と第四紀地質−」.飯田市美術博物館調査報告書,3,145p.

Niklaus, T. R.(1991):CalibETH version 1.5, ETH Zurich, 2disketts and manual, 151p.

奥村晃史・井村隆介・杉山雄一・松島信幸・寺平 宏・池田安隆・佐藤比呂志・東郷正美(1996):伊那谷断層帯の活動履歴及び活動性調査.地質調査所研究資料,No.259,63−71.

宇佐美龍夫(1996):「新編日本被害地震総覧[増補改訂版416−1995]」.東京大学出版会,493p.

表3 伊那谷断層帯の将来の地震発生確率及び参考指標

境界断層
項  目 将来の地震発生確率等 備   考
地震後経過率

今後30年以内の発生確率
今後50年以内の発生確率
今後100年以内の発生確率
今後300年以内の発生確率

集積確率
0.03 − 2.2

ほぼ0% − 7%
ほぼ0% − 10%
ほぼ0% − 20%
ほぼ0% − 50%

ほぼ0% − 90%より大


発生確率及び集積確率は地
震調査研究推進本部地震調
査委員会(2001)参照。
指標(1) 経過年数
      比
指標(2)
指標(3)
指標(4)
指標(5)
−8千1百年 − 4千4百年
0.04 − 3
ほぼ0 − 8
ほぼ0% − 90%より大
ほぼ0 − 0.9
0.00008 − 0.0003

地震調査研究推進本部地
震調査委員会長期評価部
会 (1999) 参照。

前縁断層
項  目 将来の地震発生確率等 備   考
地震後経過率

今後30年以内の発生確率
今後50年以内の発生確率
今後100年以内の発生確率
今後300年以内の発生確率

集積確率
0. − 2より大

ほぼ0% − 6%
ほぼ0% − 10%
ほぼ0% − 20%
0.002% − 50%

0.002% − 90%より大


発生確率及び集積確率は地
震調査研究推進本部地震調
査委員会(2001)参照。
指標(1) 経過年数
      比
指標(2)
指標(3)
指標(4)
指標(5)
−6年 − 2万5千年
0.5 − 10
0.0009 − 9
0.002% − 90%より大
0.0001 − 1
0.00005 − 0.0003

地震調査研究推進本部地
震調査委員会長期評価部
会 (1999) 参照。

注10: 評価時点はすべて2002年1月1日現在。「ほぼ0%」は10−3%未満の確率値を、「ほぼ0」は10−5未満の数値を示す。なお、計算に当たって用いた平均活動間隔の信頼度は低い(△)ことに留意されたい。
指標(1)経過年数 :当該活断層があることによって大地震発生の危険率(1年あたりに発生する回数)は、最新活動(地震発生)時期からの時間の経過とともに大きくなる(ここではBPT分布モデルを適用した場合を考える)。一方、最新活動の時期が把握されていない場合には、大地震発生の危険率は、時間によらず一定と考えざるを得ない(ポアソン過程を適用した場合にあたる)。この指標は、BPT分布モデルによる危険率がポアソン過程を適用した場合の危険率を越えた後の経過年数である。マイナスの値は、前者が後者に達していないことを示す。境界断層の場合、後者の危険率は3千分の1(0.0003)回−1万2千分の1(0.00008)回であり、時間によらず一定である。前者は評価時点で10万分の1回以下(ほぼ0回)−4百分の1(0.003回)であり、時間とともに増加する。前者の値が現在ほぼ0であれば後者の回数に達するには今後8千1百年を要し、0.003回であれば後者の回数に達してから既に4千4百年経過していることになる。
指標(1)比 :最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間をAとし、BPT分布モデルによる危険率がポアソン過程とした場合のそれを越えるまでの時間をBとする。前者を後者で割った値(A/B)。
指標(2) :BPT分布モデルによる場合と、ポアソン過程とした場合の、評価時点での危険率の比。
指標(3) :評価時点での集積確率(前回の地震発生から評価時点までに地震が発生しているはずの確率)。
指標(4) :評価時点以後30年以内の地震発生確率をBPT分布モデルでとりうる最大の確率の値で割った値。
指標(5) :ポアソン過程を適用した場合の危険率(1年あたりの地震発生回数)。