平成12年10月6日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

鳥取県西部の地震活動の評価


○ 10月6日13時30分頃に鳥取県西部の深さ約10kmでマグニチュード(M)7.3(暫定)の地震が発生し、最大震度6強を観測した。

この地震の後に多数の地震が発生しているが、時間とともに少なくなってきている。また、それらの震源は、18時00分現在、北北西−南南東方向に長さ約25kmに分布している。これらのことから、これまでの地震活動は本震−余震型と考えられる。発震機構は、東西方向に圧力軸を持つ横ずれ型で、余震の分布から、北北西−南南東走向の震源断層が左横ずれをしたと考えられる。マグニチュードの大きさに比較して余震域の拡がりは狭い。なお、18時30分までの最大の余震は、13時34分頃と13時36分頃のM4.7(暫定)である。また、16時21分頃のM4.2(暫定)の余震で最大震度5弱を観測した。

○ 最近のGPS観測の結果では、この地域は歪の程度は小さいが、ほぼ東西方向の縮み傾向を示す地域であり、今回の地震の発震機構はこれに整合している。

○ 鳥取県西部地域は、M6.0以上の地震の発生は近年では知られていないが、今回の地震活動域付近では、1990年に今回と同様の方向に分布する地震活動があり、このときM5クラスの地震が3回発生している。

○ 本震から24時間以内にM6.0以上の余震が発生する確率は約40%と推定される。

○ なお、今回の地震活動域の近くに北西−南東方向の短い活断層が推定されている。