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パラメータ決定の実際

  3.1等で式(2.1)〜(2.4)の分布について, 最尤法を用いてパラメータを決定するのであるが, 以下では,これら4つの確率分布のうちWeibull分布に対して, パラメータ決定の実際について説明する。

いま標本数 n個の発生間隔のdata set tex2html_wrap_inline8114 があるとするとき, 式(2.3)から,尤度関数 Lの対数は,以下のとおりとなる。 ただし,式中の tex2html_wrap_inline8118 は,括弧内の変数の相加平均を表す。

eqnarray3671

この tex2html_wrap_inline8120 を最大にする条件から与えられる以下の2式を連立させて, tex2html_wrap_inline6172 の最尤値が求められる。

subeqnarray3695

上記の連立方程式は解析的には解けないので,数値的に解くことになる。 他の3つの分布のパラメータについても,上と同様の手順で最尤値が求められる。 本報告書では連立方程式の解を数値的に求めるに当たりNewton-Raphson法を用いたが, パラメータの数がある程度大きくなって対数尤度関数の形状が悪くなり, 初期値によってはNewton-Raphson法では収束しにくい場合でも, 初期値に余り左右されず安定して最大値を求められる Davidon-Fletcher-Powell法やDavidon法などの準Newton法が一般的にはよく用いられる。 なお,対数正規分布に関しては,2つのパラメータは解析的にかつ独立に決定される。



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地震調査研究推進本部
Wed Jan 13 17:30:00 JST 1999