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論理ツリーの構築

  計算に当たっては,糸魚川−静岡構造線活断層帯を例にとった。 この断層帯については, 地震調査委員会報告[33]において次のように結論づけられている。

screen1852

したがって,計算に当たっては, 上記1,2の可能性を各々五分五分とした。 更に,2の内訳として, 各セグメントが独立に地震を発生する場合も考慮して,この場合の 重みを5%とする。残り45%は複数のセグメントが同時に活動する場合とする。 以下は,上記2の場合の仮定である。

  1. 糸魚川−静岡構造線活断層帯を,大きく3つの区間に分け (南部はデータが得られていないため,とりあえず今回の議論からはずした), それぞれの地域の断層の活動間隔を仮に次のとおりと考えた。

    tabular1871

  2. 複数のセグメントが同時に活動する場合には, 牛伏寺断層は,それ以外の断層が動くときは,常に連動するものとした (牛伏寺断層単独で動くことも有り得るとした)。

確率密度関数は,対数正規分布を用い, 前回の地震から1,200年が経過しているものとし, tex2html_wrap_inline6058 は発生間隔の幅が, 平均値から1/2〜2倍にほぼ収まるとされる0.3を用いた。 以上の条件で,今後100年以内にそれぞれの区間で地震が発生する確率を求めた。

計算に用いる論理ツリーは, 全域を震源域とする地震が発生する重みを50%, 各セグメントで独立に地震が発生する重みを5%, 地震が発生する場合は必ず牛伏寺断層が活動し(単独もありうる), 複数のセグメントが同時に活動する場合の重みを45%として構築した。 これらの重み配分は最終的な評価を直接的に支配するものであり,専門家の判断 に基づき,慎重に決定しなければならない。

  figure1880
図 3.3: 糸魚川−静岡構造線活断層帯における地震発生確率計算時の論理ツリーの例



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地震調査研究推進本部
Wed Jan 13 17:30:00 JST 1999