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最新活動時期の不確定性の影響

ここでは,2.3.1.2で述べた考え方をもとに, 3.2.2で牛伏寺断層について行った計算への適用を試みる。

3.2.2においては, 前回発生年が西暦762年か841年(すなわち1,158年前か1,237年前) である可能性が高いので現在から1,200年前として計算した。 ここでは,この前回発生年の推定幅を考慮に入れ,地震発生間隔が 式(2.22)で定義される対数正規分布に従う場合の, 地震発生確率の再計算を行う gif

f(t)が式(2.22)で定義されるとき,表2.1から,

equation1802

であり, tex2html_wrap_inline7378 の不定積分は,

equation1807

であるから,これを式(2.30)に適用して, tex2html_wrap_inline7380 , tex2html_wrap_inline7382 として計算すると, 牛伏寺断層については表3.26のように確率が求められる。 この例では,前回地震発生からの経過年数を1,200年とした場合と ほとんど変わらない(0.1%単位で若干変化)という結果が出たが, 経過年数の推定幅がかなり大きくなる場合には有力な方法であると思われる。

   table1820
表 3.26:3.23の牛伏寺断層部分の再掲と, 文献[18]での議論を適用したときの比較。 数値の幅は活動間隔の設定の違いによる



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地震調査研究推進本部
Wed Jan 13 17:30:00 JST 1999