next up previous contents
Next: 長野盆地西縁断層 Up: 更新過程を利用する事例 Previous: 丹那断層

跡津川断層

  データは,地質調査所が文献[31, 32]をもとに取りまとめた data setを用いた。

   table1506
表 3.16: 跡津川断層の地震の発生年と発生間隔。 発生間隔の算出には発生年の中央値を採用。 以後data set 跡津川Iとし,最新の地震を除いたものをdata set 跡津川I'とする

パラメータの最尤値を表3.17に示す。 4つのモデル間に差は見られないが,Poisson過程とは,やはり有意に差がある。

   table1522
表 3.17: 跡津川断層のdata setについて,最尤法によって求めた 各モデルのパラメータとAICの値,及びPoisson過程(指数分布)のAICの値。 bold体は4モデル中の最小のAICを示す

最新の地震発生時点での地震発生確率を表3.18に示す。

   table1554
表 3.18: 各分布毎の,跡津川断層を震源域とする,1858年時点の 今後30年,50年及び100年の地震発生確率

3.18の結果から,跡津川断層における1858年の歴史地震は, 非常に低い確率で起こったことが読み取れるが, 表3.20から分かるように, 1858年の歴史地震の前の地震の発生推定区間が約2,500年とかなり長く, 中央値でのあてはめに無理がある可能性もある。そこで, 2.3.1.1で述べた,危険率を平均化する方法で確率を計算した。 結果を表3.19に示す。

   table1575
表 3.19: 各分布毎の,跡津川断層を震源域とする,1858年時点の 今後30年,50年及び100年の地震発生確率 (2.3.1.1の方法を適用)



前の文書へ戻る

地震調査研究推進本部
Wed Jan 13 17:30:00 JST 1999